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31.5:小話2-1

本日2話目の投稿です

◆勝手に姫姉妹丼のフラグが立つ


エルトリアは、王城の自室で、妹のアイシア(第二王女)と話をしていた。


アイシアは、エルトリアより3年遅れて入学した、現在、初等部の学院生だ。

2人の年齢差は2才ほど。


エルトリアが16才になるころには、アイシアは14才だ。


2人の話題の中心はレイン。

エルトリアは昔から、アイシアにレインの素晴らしさを語って聞かせているのだ。


「それでですね、レイ君は、ゴブリンの不意打を受けたわたくしを、その身を挺してまで、見事に守り抜いてくれたのです!

「レイ様、格好いいです」

「その通りです、アイシア。レイ君は格好いいのです! そして、その後も、足を挫いてしまったわたくしを背負って、危険な吊り橋を、命がけで渡ってくださったのです!」

「レイ様、素敵です」


瞳を輝かせるアイシア。

アイシアは昔から、エルトリアがしてくれるレインの話が大好きなのだ。


「わたくしの足もレイ君が治療してくれました。とても気持ちよかったです///」

「き、気持ちがよかったのですか、エルお姉様?」

「ええ、とっても///」

「わたしもレイ様に気持ちよくしてもらいたいです///」

「ア、アイシアにはまだ早いです!」

「むぅ、わかりました」


大人しく姉の言うことに従うアイシア。

姉妹仲はとても良好である。




◆帝国式軍隊格闘技


マフィオは、レインに『攻撃力上昇』のスキルがあると判明したので、素手での戦い方も教えることにした。

教えるのは帝国式の軍隊格闘技だ。


「ほんじゃ、格闘技の練習を始めんぞ!」

「よろしくお願いします!」

「無手での攻撃方法は主に、打撃技、投げ技、絞め技、関節技の4つだ!」

「はい!」


マフィオは『攻撃力上昇』を活かすために、まずは打撃技から教えることにした。


「レインくらいの年齢で正拳での突きを練習し過ぎると、拳の骨が変形して、柔らかい剣の握りが難しくなるかもしれん。治療魔術でなんとでもできるが、一応、最初は掌底での突きを中心に練習していくぞ!」

「はい!」


ある程度、基礎的な掌底の作り方やなどを教え、次に人体の弱点の話(急所の話とは微妙に違う)に移るマフィオ。


「狙うのは相手の弱点だ!」

「はい!」

「人体の弱点って言っても色々あるが、ぶっちゃけ大きな筋肉に覆われていない場所は、全部弱点だ」

「なら、マフィオさんには弱点がありませんね!」

「がはは! 俺にだって筋肉で守れていない場所はあるぜ! 例えば、目、あご、足の甲、こめかみ、鎖骨、だ! そこらは大した筋肉がついていないからな!」

「目が弱点なのはなんとなくわかりますけど、鎖骨とかあごも弱点なんですか?」

「鍛えてない普通の人間が相手なら、鎖骨は体重をかけるだけでも簡単に折れるからな。あごは殴ると脳震盪を起こす」


簡単そうに言うマフィオ。


レインは、自分ではマフィオの骨を折るなんて絶対に無理だろうと思った。

とりあえず、気になったことを質問してみる。


「あごで脳震盪を?」

「ああ。テコの原理は習ったか?」

「はい」

「それと原理は同じだ。『あご』に力が加わると、『首と頭』の付け根を支点にして、『脳』が高速で揺れる。そのとき脳と頭蓋骨が接触して脳震盪をおこすわけだ」

「んんん?」


あまりわかっていない顔のレイン。


「力点になる『あご』は顔の前にあるが、支点になる『首の骨』は後ろ側にあんだろ? 力点から支点までの距離が、作用点から支点までの距離より長ければ、加わる力は強く……まあ、そんな感じだ!」

「なるほど、あごが長い人は大変そうですね!」

「そうだな!」


マフィオはそう言って、がはは、と笑った。

レインもつられて、あはは、と笑った。

なんだかんだで、今日も平和だ。




◆レインの調べもの


レインは『なぜゴブリンがメスを欲しがるのか』について調べるために、学院の図書室に来ていた。


(『ゴブリンの生態』。あった、この本だ)


本の中から、遠征訓練のときに見たゴブリンについて書かれているページを探す。


(えーと、なになに、『精霊網>妖精亜目>小鬼科>ゴブリン属>モリヤマゴブリン。小鬼科に属するゴブリン、その代名詞的存在であるモリヤマゴブリン。このゴブリンは――』……、えっ!? ゴブリンって精霊なの!? っていうか妖精!?? え?))


ゴブリンの分類に驚くレイン。

ちなみに、精霊網は生態が良くわかってない生物の総称みたいな側面があるため、あまり意味がない分類である。


(ま、まあ、とりあえず、なんでメスを欲しがるかを調べよう)


さらに本を読み進めるレイン。


(『また、モリヤマゴブリンはオークとの抗争に敗れた場合、群れごと隷属させられることが――』ここは関係ない。えーと、あった、ここかな『――そのことから、モリヤマゴブリンは他のゴブリンと同じく、繁殖のために他の種のメスを捕らえ――』……、なるほど、つまり繁殖のためにメスが欲しかったのか)


ついにレインは、なぜゴブリンがメスを欲しがるのかを知ることができた。


だが、


(なんで、これだけのことなのに、みんな言いづらそうだったんだろ?)


いまいち想像力が追い付かず、疑問はさらに深まるのだった。




◆いらいらファズアード(レインの元父親)


新聞の一面を飾ったゴブリンの写真。

そのゴブリンが着ていた鎧にはラザフォード家の家紋がしっかり写り込んでいた。

そのことはすぐに王都中に広がり、ラザフォード家は大恥をかいた。


現当主、ファズアードはとてもイライラしている。


(ちっ、ブラードめ、せっかく養子にしてやったというのに私に恥をかかせおって。おかげで、行く先々で嫌味を言われる、腹立たしい!)


机を蹴るなどして、物にあたるファズアード。

使用人たちは距離を取って、自分たちに被害が及ばないようにしている。


(だが、ブラードまで、あの『無能』のように追い出すわけにはいかん。なにせスキル数7だ。将来は有望な騎士にでもなれるだろう)


そうなれば、後から十分なお釣りが取れる、と損得計算をするファズアード。


(それに、ブラードと同じ学年にはエルトリア姫がいたはずだ。ブラードを気に入っていただければ、将来は嫁に来ていただくこともあり得るかもしれん。もし王族の嫁をもらえれば、ラズフォード家の名声も力も一気に高まる。そうなれば、今回、私を馬鹿にした奴らに報いをくれてやる!)


ファズアードには、自分が追い出した『無能』こそがエルトリアに気に入られているのだと、知る由もなかった。




◆モブな冒険者たちの雑談


仕事を終えた冒険者たちは、『レインの本命の女の子は誰だ』という話題で盛り上がっていた。


「やっぱレインの本命はオーファちゃんだろ?」

「まあ、普通に考えりゃ、そーだな」

「カムじょ(聖カムディア女学院のこと)の子は? たまにレインを目当てに遊びに来てるだろ?」

「確かにカムじょの子たちはレインに気がありそうだが、肝心のレインが意識してないだろ」


冒険者たちの間では、やはりオーファが最有力候補だ。

しかし、そこに一石を投じる言葉が投げかけられる。


「俺、レインが別の女の子と歩いてるの見たぞ」

「別って、カムじょの?」

「いや、王立学院の制服だった。銀髪碧眼の可愛い子だったな。あれは絶対に将来、美人になるぞ」

「ほほう。で、その子はレインに気がありそうだったのか?」

「ああ。デートか? って揶揄からかったら、嬉しそうにしていたからな。間違いない。あ、オーファちゃんには言うなよ?」


言わねーよ、ってか、言えねーよ! と戦々恐々な冒険者たち。


「なんにしても、やるなぁ、レイン」

「そりゃ、レインはモテるだろ」

「だな、真面目で礼儀正しいし、努力家だし、俺のガキの頃とは大違いだ」

「今のお前とも大違いだろ」

「ちげーねー」


はっはっは、と笑い合う冒険者たち。


「でも、やっぱ本命はオーファちゃんだな」

「なんでそう思うんだ?」

「逆に聞くが、オーファちゃんがレイン以外の男とどうこうなると思うか?」

「……まったく思わん。てか、想像すらできん」

「だろ? でだ、言い方を変えると、レインとオーファちゃんが結ばれなければ、オーファちゃんはずっと1人身ってことになるだろ?」

「そうなっちまうな」

「1人で寂しそうにしているオーファちゃんをレインが放っておけると思うか?」


思えねー! と納得顔の冒険者たち。

だが、1人の冒険者から異論の声が上がった。


「俺も確かにその通りだと思うが、それは『本命』って感じじゃねーな」

「ああ、まあ、そうかもな。お前は誰が本命だと思うんだ?」

「セシリアちゃん」

「「「あー」」」


なるほど、と誰一人として異議を申し立てる者はいなかった。




◆ルイズと温泉卵の殻をむくレイン


ルイズと一緒に温泉卵の殻をむくレイン。

『ギルドの食堂の手伝い』という、立派な依頼の1つだ。

ちなみに報酬はとてもショッパイ。

現物支給で、今日貰えるものは『干した海藻』だ。


どうでもいいことだが、ルイズは殻をむくのが異様に早い。


「ルイズさん、殻をむくのすごく上手ですね」

「まあな」


クールに答えたルイズだが、少しだけ口元がニヤケている。

レインに格好いいところを見せられて嬉しいのだ。


「ところで、温泉卵って、なんで黄身だけが固まってるんでしょうね?」

「ああ、それは黄身と白身の凝固温度が違うからだな?」

「ぎょうこおんど?」

「そうだ。簡単に言うと黄身は65度で固まるが、白身は80度にならなきゃ固まらないってことだ」

「なるほど」


ルイズはわしゃわしゃと殻をむきながら、さらに説明を続けた。


「ちなみに、食中毒の原因になる菌の1つ(サルモネラ菌的なやつ)も、65度以上の熱を加えれば死ぬから、食中毒になる確率も減らせる。加熱処理というのは便利なもので、食中毒以外にも効果がある。例えば、特定の生物が持つ『毒』は熱に弱い。だから加熱することで――」


――と、ルイズは、タンパク質は熱に弱いので、主成分がタンパク質で構成されている種類の『毒』は熱に弱いと説明した。


話しが難しくなってきて、レインの頭上に『?』が飛び交う。

その様子を見て、自重するルイズ。


話題転換のために遠征訓練のときのことを聞く。


「ところでレインはエルトリア姫の足を治療したんだったな?」

「はい。軽い捻挫を、治療魔術と薬草で治療しました」

「問題はなかったか?」

「はい」

「そうか、ならいい。ところで、治療魔術にはこんな説があってな。お互い魔力の相性が良いと、魔力を流し込んだときに『快感』を伴う、という説だ」

「相性ですか?」

「ああ。とはいえ、相性が良い人間なんて数千兆分の1以下とも言われている。現実的にはあり得ない話だ。だから、今まで実際に相性が良い人間なんて見つかったことはない。あくまで、理論上の話だ」

「なるほど、すごい話しですね!」


しきりに感心するレイン。


「一説によると、魔力の相性の良し悪しは、スキルによって決まる・・・・・・・・・・らしい。まあ、なんにせよ、曖昧な話だ」

「難しいですね」

「そうだな。それに、もし魔力の相性が良くても、それでけではダメだ。別の要素も満たしてないと意味がないと言われている」

「別の要素?」

「ああ。快感の質を上げるには、魂と身体の相性が良くないと――」

「どうしたんですか?」

「やっぱりこの話はやめよう。レインにはまだ早い」

「は、はあ」

「よし、あと少しだな、一気にむくぞ」

「は、はやいっ!」


人間離れしたルイズの殻むき技術に、レインは驚愕の声を上げたのだった。




◆副理事長の思惑


学院の運営理事たちは遠征訓練の後処理に追われて、てんてこ舞いである。


そんななか、訓練に同行していた副理事長は別のことを行っていた。

酒を飲んで眠っていたことの隠蔽工作である。


(流石に、ボーディナ家の娘の報告をないがしろにして、眠ってしまったのは不味い。しかも職務中に酒を飲んでいたなんて知られれば、面倒だ)


副理事長は酒を飲んでいたが、受けた報告の内容はしっかりと覚えている。


報告を受けてから対応策をとっていれば、未然に襲撃を防ぐことも可能だった。

そう考えると、罪の重さがうかがえる。


だからこそ、副理事長はそのことを隠蔽することに注力した。


(それにしても、あの『無能』は、ちゃんとイジメの受け皿になっていたようだな)


副理事長はレインが土下座させられる光景を思い出していた。

とはいえ、帰りの騒動のときは眠っていたので、副理事長が知っているのは行きの光景だけである。

レインが女子たちと和解したことは知らない。


とりあえず、レインがイジメられている限りは、エルトリアがイジメられることはないだろうと安心している。


(それでこそ、わざわざこの誇りある王立学院に『無能』を通わせている意味があるというものだ。卒業させてやる気はないが、これからも精々、がんばってイジメられてくれ)


副理事長は怪しく笑いつつ、隠蔽工作を進めるのだった。




◆セシリアと足つぼ


夜、ラインリバー家、1階。

なんやかんやあって、セシリアがレインに『お願い』して、マッサージをしてもらうことになった。


だが、セシリアは、男の子に身体を触らせるのは教育上いかがなものか、とも考えた。

結果、足裏なら問題ないかなぁ、と中途半端に配慮し、『足つぼマッサージ』をすることになった。


ちなみに、オーファは風呂へ入っており、今この場にはいない。


「レイン君、本当はみだりに女の子の身体に触れちゃダメなのよ? わかった?」

「はい、わかりました」

「うん、いいこいいこ」


セシリアは椅子に座ると、靴下を脱ぎ、長いスカートを膝まで捲る。

白くて綺麗な脚が露わになった。

そして、濡らした布で足を拭い、レインへと差し出した。


レインは緊張で顔が赤い。

椅子の下から見上げると、セシリアの脚とスカートの位置関係が、とても悩ましい。

目のやり場に困るが、脚から目を背けるわけにもいかない。


「い、いきます」

「うん、お願いね、レイン君」

「はい、……えい」


ぐいっと指で足裏を指圧。


せっかくなので治療魔術を使い、魔力を流し込む。

より疲れが取れるようにという、レインの気遣いだ。


だが、その指圧と魔術の併用で、セシリアが妙な声を上げた。


「あんっ」

「ご、ごめんなさい!」

「ううん、だいじょうぶ。きもちよかったから、ちょっと声がでちゃっただけよ? ……つづけて?」

「は、はい、えい、えい」

「んっ……、きもち、いい、ぁん」


妙に艶めかしいセシリアの声に、レインの心拍数が高まる。

だが、とりあえず、喜んでもらえているので、ぐいぐい指圧する。

そして、治療魔術の魔力もガンガン流し込む。


「えい、えい、えい」

「んくっ、レイン、くん、ぁん、じょうず、あぁんっ」

「ありがとうございます、もっと頑張ります。えい」

「ああっ」


びくん、とセシリアの身体がのけ反る。

スカートが捲れ上がり、太もものかなり際どい所まで露出される。


レインは目の前でエロエロしく動くセシリアの美脚に釘付けになってしまう。

ずっと見ていたい衝動がわいてくるのを堪え、なんとかマッサージに集中しようとする。


だが、危険なのはセシリアの白くて柔らかくてエロくて美しい至高のおみ足だけではない。


「あんっ」


ぽよよーん。


大きい!


今、セシリアは薄手のシャツを着ているだけだ。

身体のラインがよくわかる。

細くくびれた腰回り、揺れ動く大きな双丘、そしてっ!


「お姉ちゃん、お風呂出たよー」


オーファがお風呂から上がったので、その日のマッサージは終了したのだった。

◆あとがき


徐々に肉厚になっていく小話。

そして徐々にボルテージを上げていくエッチな表現。

(消されないように、安全マージンは十分に取っていきます)

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