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幕間 ~終焉の解放者13~


 氷壁ダンジョン最終階層――地下333階。

 そこら中から巨大な石杭が突き出し、氷の床は破壊し尽くされている。荘厳だった雰囲気はもう見る影もない。神殿部分を含めて最早フロア全体が廃墟と化していた。


「……あーあ。まさか逃げられるとは思わなかったな~」


 先ほど突如目の前に出現した石の壁。直ちに迂回するもかなり時間を稼がれてしまった。回り込んだ時には遅く、奇妙な格好をした人物はパメラとともにすでに煙のように消えていた。

 もし透明化(インビジブル)の魔術で隠れたとしても気配は探れる。転送石で脱出したとみて間違いないだろう。

 しかし、あの闖入者(ちんにゅうしゃ)はそもそもどうやってここにやってきたのか?

 救援がくること自体がイレギュラーな上、あの人物には自分の天賦技能(ギフト)も通用しなかった。あまりに不可解である。考えるほど謎は深まるばかりだった。


「パメラちゃんの悪夢から推測すると、首を刎ねられてた子かな? まー、断定はできないけど。というか、それよりも……」


 ダリアの能力――〝双眸恐怖症(この世で最も恐ろしい)〟は、恐怖を見せるという行為に付随し、対象の記憶を同時に盗み見るという副次的な効果を持つ。

 しかし、欲しい情報を狙って引き出せるわけではなく、必然的に得られるのは対象の恐怖に関連する事項だけに限定される。

 もし対象から情報を得るのであれば拷問したほうが遥かに手っ取り早いこともあって、ダリア自身もこれまで情報の入手法として自らの天賦技能(ギフト)に利用価値を見い出したことはなかった。


「あのリリって子が、失踪したエリザ王女の娘――」


 だが、今回ダリアが得た情報はそれまでの認識をあっさり覆すほどの重大性を秘めていた。


「あはは。いいこと知っちゃった♪」


 この情報は仲間とも共有すべきか。僅かな時間悩んだあと、結局ダリアは自らの内に秘めておくことに決めた。

 特に深い考えがあったわけではない。そのほうがなんとなく面白くなりそうだ。彼女は自分の予感に従った。


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