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邂逅

初めまして!!炎狼というものです。処女作なのでうまくはないと思いますが、楽しんでいただければ幸いです!!あと、まだなろうでの執筆に慣れておらず、おかしいところがあるかもですが気にしないでください( ´∀` )

『父さん、なにこれ?』


『それはお守りだよ。黒の笛というんだ』


『黒の……笛?』


『お前が危ないときその笛を吹け。きっとお前を守ってくれる』

『へえー!そんなにすごいのこれ!? 僕を守ってくれるんだ!!』


『ああ、………お前がいい子にしてたらな』


『ええーー……』


『はっはっは!!冗談だ。ほらもう寝ろ』


『はーい!』


――――――ピピッピピッピピッピピピピピピピピピピピ


バンッ!!


「………夢か。」


俺―立花 夜刀―はいつものように目覚ましで目を覚ました。

ベッドから起き上がり、洗面所へ向かう。


そして顔を洗うと、ぼんやりとした意識が段々はっきりしてくる。

自室へと戻り、壁にかけていた制服に着替える。そして机の引き出しからネックレスを取り出し首にかける。


その先についているのは、テラテラと鴉の濡れ羽のように輝く黒い笛。

昔、父にもらったものだが、その父は三年前、俺と母さんを残して姿を消した。

警察に届けを出したが、ついに見つかることはなかった…。

「どこ行ったんだよ… あのクソ親父…」

誰に言うでもなく悪態をつき、鞄を持って家の外に出る。


いつも通りの日常、いつも通りの朝。このまま何事もなく一日が終わる…はずだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「マジでごめんなさい!悪気はありませんから!ほんとにぃぃぃぃ!」


俺は逃げていた。背後から巨大な芋虫みたいなのが追ってくる。


「やばいやばいやばい!これまじで終わるやつだぁぁぁぁ!」


とにかくひたすら走るが、すでに心臓が爆発しそうなところまで来ている。


(なんでだっ?どうしてこうなったぁぁ!あぁそうだ…そういえば)




何事もなく学校が終わり、校門で友人たちと世間話をして帰路に就いた。

そのまま普通に帰ればよかったものをなぜかいつもと違う道で帰ろうと思い、薄暗い路地を歩いていた。

なぜそんなことをしたのか今考えても全くわからない。

そうして鼻歌を歌いながらぶらぶらしていた時だった。


ゴリッバキッゴリゴリッ


突然近くの曲がり角から何かをすりつぶしているような音が聞こえてきた。

気になった俺は音の出どころを覗き見た。

そこには…得体のしれない化け物が人を食していた。


「ひっ……!!」

思わず声をあげ、俺はその場にへたり込んでしまった。

その音に気付いたのかゆっくりとこちらを振り返る化け物。ゆっくりと近づいてくる。

俺は慌てて走り出した。




ギャリギャリギャリィィ ドゴンッ!!


背後からトラックがスリップしたような音が聞こえて回想から現実に引き戻される。

口から心臓が出そうになりながらも、路地の角を曲がる。

……が行き止まりだった。


(あ…マジで俺終わったな……)


半ば諦めモードでゆっくりと振り返ると、余裕たっぷりに近づいてくる化け物。


(あー今までなんもいいことなかったなぁ俺。彼女なんてできたこともなく…男として負け組のままおわるのか…)


「最後はこんなキモイのに食われて死ぬしなぁ…」


苦笑交じりの涙交じりの顔でつぶやく。もう数メートル先に、化け物の口がある。

もう死ぬしかない。覚悟を決めたときに、

無意識に胸元に手をやってハッとする。頭の中に昔聞いた父の言葉が響く。


『お前が危ないときにこの笛を吹け。きっとお前を守ってくれる』


いそいで取り出したネックレス。その先には黒い笛が輝いている。

それを握り締め、力いっぱい吹く。


ピイイイイイイィィィィィィィィィッッッ!!!


綺麗で透き通った音が鳴り響く。俺は化け物を急いで仰ぎ見る。

何が起こるのだろうかと待っていたが、特に何も起こらない。


(う、嘘だろぉぉぉ!!まじかっ!!クソ親父め、今度会ったらぶっ殺すっ!)


体はこわばり、声は出ない。ほんとのほんとに終わりだ……。


ヒュウウゥゥゥゥッッ!! ザンッ!!


刹那、風切音があたりに響き化け物の前に一本の刀が突き立った。

俺はその衝撃波を受け、反射的に目を瞑った。

そして目を開けると…そこに刀はなく、なぜか一人の美少女が立っていた。



その少女は、隅々まで深い黒で統一されたセーラー服を身にまとい、鴉の濡れ羽のような、

そう、まるでこの笛のような黒髪を腰まで伸ばしていた。

俺が状況を整理できず、唖然としていると彼女はこちらを振り向き、おもむろにこう言った。


「やっと会えたね……。マスター…。」


余計、わからんなった…。


「え、ちょっと待って?おまえは誰だ?マスターってどういうこと!?」


「私は黑刃。あなたの契約者だよ。もっと話さなきゃいけないこともあるけど…

そんな時間はないみたい」


「!!」


彼女の言葉にハッとして前を見る。

先程まで刀の衝撃波にひるんでいた化け物が

こちらへと向き直っている。

黑刃のことを警戒しているのか襲い掛かってくる様子はない。

俺は急いで逃げるために後ろの塀に登る。

が、黑刃に襟首を掴まれ落とされる。


「ぐえっ!?な、何すんだよ!ふざけてる場合じゃねぇだろ!」


振り返って黑刃に怒鳴る。


「無駄だよ?アレから逃げ切れると思ってるの?体力消耗して喰われるのがオチだよ」


彼女はふざけているようには見えない。

おそらく彼女の言っていることは真実なのだろう。しかし、逃げる以外選択肢があるとも思えない。


「じゃ、じゃあどうすんだよ!?どうしようもねェじゃんか!」


情けないと思いつつも、叫ぶ。

すると、彼女は凄惨な笑みを浮かべてこう言い放った。


「逃げられないんだから……倒せばいいじゃない♪」


俺は絶句した。なにを言っているんだこいつは…。そんなことできるはずもない。

どうでしょうか?お楽しみいただけたでしょうか?これからも頑張って書いていくのでよろしくお願いします!!

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