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第二話 「そのチカラは・・・」

お待たせしました!

かなり長いですがお許しください・・・。


それではよろしくお願いします!!!

「あの男ぶっ殺してやる・・・」

「北斗、大丈夫かよ?」

「俺が一撃で負けるはずがねぇんだ・・・」

学ランを着崩した二人の不良が、暗い夜道を歩いていた。一人は腹を抱えている。どうやら腹を痛めているようだ。

「あの男ぶっ殺してやる・・・俺が一撃で負けるはずねぇんだ・・・」

「どうするのさ。FSSの監視の目もあるのに喧嘩なんてほとんど出来ないぜ?」

「あの男ぶっ殺してやる・・・俺が一撃で負けるはずがねぇんだ・・・」

「なぁ聞いてんのか」

「あの男ぶっ殺してやる・・・俺が一撃で負けるはずがねぇんだ・・・」

「おい北斗聞けよ!」

さっきほどから腹を抱えている不良・北斗が同じことしか言わず、何の話も聞かない様子にもう一人の不良・海斗は思わず怒鳴る。しかし何の反応も示さない。

「あの男ぶっ殺してやる・・・俺が一撃で負けるはずがねぇんだ・・・」

また同じことを言う。まるで何かに取り付かれているようだ。だんだんと不気味になってくる海斗。おろおろしているところに真っ黒な服を着た神父さんのような人が目の前に現れた。

「どうやらお友達の様子がおかしいようだね」

そう声をかけてくる。海斗は藁にもすがる思いで話す。

「実はさっき一撃で喧嘩に負けて・・・。それがショックみたいで・・・。」

「ほう・・・。見してくれるかね」

その神父のような人は北斗と向き合う。そして数秒経ったころだろうか。神父のような人はにっこりと笑うと、

「君。これを飲ませて、その負けた相手に会わせてあげなさい」

と言って、サプリメントのようなものを渡す。

「なんですこれ・・・?」

「精神安定剤のようなものさ。彼は今ひどいショックを受けている。そのショックが事実だと認識する必要がある。だからもう一度その負けた相手に会うべきだ。そのときに、このクスリはその補助をしてくれるはずだ。是非使ってくれたまえ。」

神父のような人は笑いながらそう言う。その笑顔は安全な信頼を与えてくれた。海斗は「ありがとうございます!言うとおりにします!」と言うと、サプリメントのようなものを受け取り北斗を連れて行った。その様子を見て神父のような人は、にっこりと笑みをこぼした・・・・。



「ふん!」

鋭利な爪が襲ってくる。

「ちっ!」

間一髪で避ける。

「一撃でしとめられなかったか・・・。まぁそうでないほうが面白い。」

工事地区未開発地域の廃工場跡。スマホを使い、強化スーツを身につけた進介と、ワシ型の怪人が戦闘を開始していた。(ちなみにスマホは腰にある結構頑丈な専用の入れ物にしまった。)

「今度はこっちから行くぜ。おっらぁ!」

鋭い右ストレートが怪人の顔面めがけて突っ込んでいった。見切り、下に避ける怪人。そして、下から飛ぶ勢いでアッパーが飛んでくる。進介に直撃する。

「うがぁ!」

吹っ飛ばされる進介。がしかし、立ち上がった。

「痛い・・・けどっ!親父の拳のがまだ痛い!」

そういいながら姿勢を低くし、怪人に突っ込む。受け止める怪人。が、顔には鈍い表情が。そして今度は怪人が吹き飛んだ。

「やるな・・・。」

どうやらタックルの勢いで右手を怪人の腹部に当て、そこから地面を踏みしめて更なる衝撃を与えたようだ。腹に手を当てながら怪人は立ち上がる。

「ちっ・・・!もろに入れたのにダメなのかよ・・・。このスーツ使ってお前とは五分ぐらいの強さか・・・」

渾身の一撃だったため相手が倒れなかったことにイラつく進介。

「五分・・・?笑わせるな!貴様などとどうレベルなわけがなかろう!」

そういうと怪人は翼を広げ飛び上がった。そして上空から速度をつけて、爪で襲ってくる。不意の動きのために思わず遅れをとる進介。間一髪で避けるも、スーツに傷がついた。

「かすっただけでこの威力かよ・・・。ってかてめぇ!飛ぶなんてずるいぞ!!男なら地面の上で拳で勝負しやがれ!!」

「知るか!」

怪人は宙を舞いながら不定期に攻撃を仕掛ける。全て間一髪で避けるが、神経を使う。進介の体に疲れが溜まっていく。

「くっそ!このスーツ武器ねーのかよ!!」

思わずそう叫ぶ進介。ただ見ていた明日美は、その声を聞いて手助けをするために、取扱説明書を読み始めた。

「えっと・・・。『エレメンタリーモード装備セロシアガン・・・バイクに装備されている。手に取った後、ガンについているQRコードをセロシアアプリに内蔵されているカメラ機能にて読み込む。その後使用可能となる。バスターモードとルックアップモードがありそれぞれは・・・』これですね!」

明日美はバイクのほうに駆けていく。バイクのポケットにそれらしきものがセットされているのを見つけた。それを取り外す。

「裁田さん!これのQRコードを、セロシアアプリ内にあるカメラを使って読み込んでください!!!」

そう言いながら戦闘中の進介に投げる。進介は、怪人の攻撃を避けつつそれを受け取った。スマホを取り出す。『撮影』のアイコンを見つけた。進介は、避けつつ言われたとおりに作業し、読み込んだ。するとスマホ画面に「バスターモード」と「ルックアップモード」と言う選択欄が表示された。

「とりあえず『バスター』だ!」

そういって『バスターモード』のところをタップする。するとセロシアガンの発光部分と思われる箇所が赤色に光った。スマホは入れ物に戻す。

「くらえ!!」

進介は、怪人の羽部分を狙って撃つ。

「危ない!」

避ける怪人。しかし、避けるのに気を使い、次にきた進介の左ストレートに気づけなかった。もろ顔面に入り吹き飛ばされる。

「ぐあ!」

悲鳴を上げる怪人。対して進介は、

「こんなんじゃやられないだろ!」

と言って怪人に向かってとび蹴りを放つ。

「ぐはぁ!」

丁度心臓部分に当たる。さらに吹き飛ばされた。

「形勢逆転だ・・・!」

進介は銃を構えた。引き金に力を込める。

「ぐっくぁぁぁぁあぐぁがぁぁぁぁぁぁぁぁあっぁぁぁっぁああ!!!!!!!」

怪人が唐突に悲鳴を上げる。思わず身を引く進介。怪人は叫んだあと、本能に従う野生動物のようなオーラを放ち始めた。先ほどとはまったく様子が違う。

「まさか、ほんとにまだ本気じゃなかったのか・・・!?」

進介は警戒しながら銃を構える。引き金を引こうとしたそのとき、

「リ、リミッターが外れる・・・。まずい・・・。このままでは元に戻れなく・・・がはっ!」

怪人から野生動物のようなオーラが消え代わりによく分からない言葉が飛んできた。

「こ、この勝負・・・預ける・・・」

怪人はそう言うと、撃たれた羽を無理に動かしながら空に飛び立ち消えていった。

「どういうことだ・・・?」

進介には意味がわからない。明日美もぽかんとしている。

「とにもかくにもどうにか乗り切ったのか・・・?」

「ええ・・・。多分そうだと思います・・・。」

進介は腰を下ろした。緊張と疲れで大分いっぱいいっぱいのようだ。

「・・・これどうやって脱ぐの?」

「えっと・・・スマホの中に『解除』のアイコンがあるみたいです。それを押せば・・・」

言われたとおりの処理を行う。無事に変身が解除された。しかしバイクは残ったままだ。セロシアガンも手に残っている。それをバイクに一応戻す。

「こいつなんなんだろう?銃は入ってたってことは、やっぱサポート用の何かなのかな?」

バイクに対して疑問を持つ進介。明日美も「わかりません」と言う顔をするそのときだった。

ピピピピピ!!!!

進介の持っていた「セロシアアプリ」の入ったスマホに着信音が鳴り響いた。誰かからの電話のようだ。

「出るべきか・・・?」

「この展開は多分・・・、正式な持ち主からじゃないですかね?出たほうが良いと思います。」

明日美の指示に従い進介は電話に出た。

「もしもし」

『もしもし!君は今セロシアシステムを使って変身をした人かい!?』

「まぁそうですけど・・・」

『名前は!?』

「裁田進介ですけど・・・」

『やっぱり君か!!黒野の遺体から発見できなかったからあいつらに盗られたのかと・・・。そしたらセロシアシステムの起動を確認したから、黒野は研究所じゃなくて、使用できる候補者に渡したんだって分かって!裁田進介ぐらいしか候補者がいないから見つけ出して渡したのかなって!でもスッゴイ確率低いし無理があるし難しいって思ってたけど君に渡ったのか!良かった・・・。』

「・・・すんません。まったく要領を得ないんですが・・・。だれっすか?」

『おぉっと!まだ名乗ってなかったね!僕の名前は江草レアチ。変な名前でしょ?職業は研究員!そのベルトの開発者の一人さ♪ま、作るのにはそこまでかかわっちゃいないんだけどね~!でも、今はそのセロシアに関する責任者なのさ!』

「じゃああの怪物のことも知ってるんだな・・・!」

『!?マリスと遭遇したのかい!?僕はてっきり説明書を読んで使用したものだと思っていたのだけれど・・・。ってことは戦闘してたってこと!?大丈夫?!怪我はない!?』

「なんか『リミッター』がどうとか言ってどっか行きましたよ・・・。どういうことだか説明してくれるんでしょうね・・・?」

『『リミッター』ってことはルナティック教団との戦闘だったんだね。くっそぉあいつらぁ・・・!』

「ちょっと!どういうことか説明してくださいよ!」

『あわぁぁぁ。ごめんごめん。分かった。最初から全部説明するよ。・・・でも電話だと説明しずらいなぁ・・・。そうだ!明日研究所来てくれない?そこで説明するよ!住所はそのスマホにメールするから!』

「・・・。分かりましたよ。でもここで一つだけ聞かせてください。バイクどうすればいいんですか?」

『あーそれは君のものだよ!好きに使ってくれてかまわない。君の手をかざせば動くから。家に置けるでしょ?』

「めっちゃかさばるんですけど・・・。まぁいいや。分かりました。じゃあ明日・・・。」

『待った!』

「なんすか?」

『なんか君の変身とか怪物との戦闘を目撃しちゃった人っていたりする・・・?』

「あー一人います」

『いるのかぁ・・・。じゃあ明日その子も連れてきて。んで、今日のことはほかの誰にも話しちゃだめだからね。いい?』

「・・・分かりました。」

『ほんとぉに?』

「はい」

『オッケー!!!!じゃね!バァイ!』

会話が終了する。

「どうでしたか?」

明日美が尋ねる。

「超テンション高い人だった・・・。明日説明するから指定する場所まで来いってさ。天崎さんも呼ばれてる。」

「わ、私もですか!?まぁ気になりますし行きます。」

「おーけー。じゃあとりあえず家に帰ろう。明日は中心地区駅に集合ってことで。」

そういって、進介はバイクの元に向かう。

「手をかざすって・・・こうか?」

進介は、バイクの正面に手をかざす。すると、バイクにエンジンがかかった。

「おぉすげぇ!」

そして、ヘルメットが転送されてくる。もう一度かざすと、もう一つ転送されてきた。

「ヘルメットはこう出すのか・・・。天崎さん、はい」

進介は明日美にヘルメットを渡す。

「バイクで帰るんですか?裁田さん運転できるんですか?」

疑問符で答えながらヘルメットを受け取る明日美。ヘルメットを既につけた進介はバイクにまたがりながら答える。

「俺の母方の弟、つまり叔父さんがバイクのプロレーサーなんだ。そのおかげで、小さいころから指導を受けてるんだよ。免許も一応持ってる。去年とった。まぁ大型は無理だけどね。」

「そうなんですか・・・。色々特技があっていいですね。」

そういいながら明日美はバイクにまたがった。

「逆に言うとそれぐらいしかないんだよね。じゃあ行くよ。つかまっててね。」

「はい」

バイクは走り出した。




「国立華咲科学研究所・・・。ここか。中心地区の結構真ん中にあるんだな。」

「まぁ国立って言うぐらいですしね。」

翌日。二人は華咲町中心地区にある研究所の前にいた。昨日電話してきたレアチという男から送られてきた住所がここだったのだ。

「ここの八階だって。エレベーターは・・・。あそこだ。行こう。」

進介は明日美をつれてエレベーターに乗り込んだ。もちろん手には昨日男から渡されたトランクを持ってきている。

「8階になりま~す」

機械音がそう告げた。降りる二人。目の前にドアがある。開く。

「ようこそ!神野呉敏の転送技術研究室へ!!!」

ハイテンションな声とともに白衣を着た若々しい男が登場した。髪型が常軌を逸した形をしている。表現できない。くるっと曲がりながらもとんがり、ぼさぼさのようで整っていて、白と黒の二色で構成されている。どうやらこの人物が江草レアチのようだ。二人は拍子抜けしている。

「いやぁ~待っていたよ~進介氏!そして目撃者の明日美君!明日美君のことはさっき調べがついてね。まぁ随分とかわいらしい目撃者さんだ!」

「そ、そうですか・・・。なぜ分かったんです・・・?」

「FSSの記録とモノレールの使用の様子。そして家についた時刻とかで、絞り込んだんだよ!」

「そ、そうですか・・・」

明日美はもはやついていけてない。進介もかなりげっそりしている。

「あ、立ち話もなんだからどうぞ中に入って!コーヒー入れてあるからさ!」

二人はテンションに当てられながらとぼとぼと奥へと入っていった。



「じゃあどこから聞きたい?」

レアチはニコニコしながら応対する。

「じゃあまず、あの化け物はなんなんですか?」

進介が聞く。

「アレは『マリス』と僕たちは呼んでいるよ!!!」

「マリスで合ってたんですね・・・。人語を使っていましたが、一体どういう生物なんですか?」

明日美が質問で返す。

「彼らは元人間さ。とある力を使ってああなったんだ!」

「元人間?!」

「その通りだ明日美君!」

驚きの表情をする明日美。進介は別の質問をする。

「マリスって悪意って意味だよな?どういうことですか?」

「それはねーー・・・。聖野博士が発見した、感情を力に変えるクスリ『EPM』の中でも、悪意に反応するクスリ『タイプブラック』を飲んだ人間がなる姿だから、だ!」

「感情を力に変えるクスリ・・・?」

は?という顔になる進介。明日美も同じようだ。

「原理はちょっと難しすぎて説明できないんだけど、とりあえず分かってることだけ説明するね?数年前に、この国立華咲科学研究所にいた聖野博士という方が、『EPM』という感情を力に変える薬の開発に成功した。そのときはもうノーベル賞なんじゃないかって周りは大騒ぎしたんだんだよ。でも、開発に成功した一週間後、聖野博士はEPMの研究内容と研究所の金を盗んで失踪したんだ・・・」

「失踪?」

また、は?という顔になる進介。明日美は質問で返す。

「なんでですか?」

「理由は分からない。その後の足取りは最近までまったくつかめていなかった。でもね!最近中央地区で犯罪が多くなってきた。その理由に怪人による犯行だからだという理由がつくんだけど・・・その怪人を拘束し血液を調べたらかすかにEPMの反応が出たんだ!つまり・・・」

「最近の犯罪、とりわけ怪人の関わってるものはその聖野博士のクスリによるものである・・・と?」

「ソウ!今それで警察は聖野博士を怪人事件の首謀者として調査を進めているんだ。正確に言うとEPMそのものではなかったんだけど、非常に似ていたからね。おそらく改造版なんだろう・・・。当時、どんな感情にも反応してしまう若干欠陥品だったクスリを、感情別に反応できるように作り直したんだと思われる。マリス、つまり怪人はその中でも悪意という感情に反応する『タイプブラック』で変身するみたいだ。まぁ名前は僕らがつけたんだけどね。」

ファンタジーのような科学的のような若干雲を掴むような話に少し戸惑う二人。レアチは話を進める。

「で、そのクスリの製作場所や金の動きとかを、警察とともに僕ら国立華咲科学研究所も加わって色々調べたんだ。そしたら、あることが分かった。」

「「あること?」」

「ソウ!聖野博士はどうやら『ルナティック教団』という、怪人になれる人間を集めた団体を組織してるらしいことだ。で、奇跡的に居所がわかってね。そこで僕らはそこにスパイを忍ばせた。黒野という敏腕のね。」

「電話で言ってたなそういえば・・・『ルナティック』って」

「黒野さん・・・それで?」

続きを促す明日美。

「で!話は少し変わるんだけど進介君、バックル持ってきた?」

レアチの予期せぬ行動に二人ともずっこける。

「変わるんですか?!」

「まーまーあとで繋がるから!」

ニコニコしながら応対する。

「はいここに」

進介はベルトを取り出す。

「そうそうそれそれ!でね、このバックルは神野博士っていう僕の師匠が開発したんだ!」

「神野博士・・・」

また新しい名前だ。

「師匠は、まるで怪人犯罪を予期していたかのように、このベルトを作って、僕に託して消えたんだ!」

「またですか」

もはやあきれる進介。ここは物騒なところだ。

「そうなんだよ・・・。で、黒野が『ルナティック教団』へ潜入してたんだけど、証拠も目的すらもうまくつかめない。そこで僕らは警察と相談して、やつらをおびき寄せるために『このベルトが転送させる道具はマリスに対抗しうるものである』という噂を黒野に流してもらった。つまりえさだね。敵さんはうまく引っかかってくれた。まぁ対抗するのは事実だし。」

「それで?」

「そしたらこれ・・・盗まれちゃったんだ。」

「・・・ドジですね」

冷静に突っ込む進介。

「てへ☆」

舌を出して、手でコッツンコ☆とやるレアチ。

「きもいです。」

真顔で流す明日美。

「・・・。で、黒野が命からがらにそれを盗み返して・・・。」

「分かりました!そのときに出会ったのが私たちだったんですね!」

明日美は合点がいったという表情をした。

「その通りだ明日美君!黒野にはこう言ってあった。『ベルト入手後は、研究所まで持ってくるか、候補者に預けてそいつを援護しろ』って。結果的に、進介君という候補者が近くにいることを知った黒野は君にそれを預けて、敵の注意を引くという形で援護し、そして亡くなった。」

「あの黒スーツの方が・・・黒野さん・・・」

悲しそうな表情をする二人。

「一応、質問から大体調べがついてるとこまで話したけど、何か疑問は?」

かねてから疑問だった質問を進介はする。

「なんで俺が候補者なんです?」

「それは僕にも分からない。候補者は神野博士から伝えられてたんだ。でも神野先生のことだ。常に理想を目指してるあの人はきっと、このベルトを正義に使える人を候補者にしたんだと思う。弱者の救える、ね。」

『正義』という言葉を聞いて怪訝な表情をする進介。明日美は気になった。

「どうしたんですか?」

「正義ってなんなんだよ!?」

いきなりの大きい声にびっくりする明日美とレアチ。

「俺は戦わないでただ逃げるやつを助けたくない!」

「それは昨日言ってた私を助けた理由の話ですか?」

明日美は昨日から引っかかっていたことを聞く。

「そうだ!俺は、ただ弱くて逃げてて、いつも強者を盾にする臆病者で弱虫が大嫌いなんだ!そんなヤツ、襲われて死ねばいい!」

あまりの暴言に、明日美の声も大きくなる。

「助けるのに理由が要るんですか!弱いとか強いとか関係ないでしょう!?」

「ある!俺は・・・皆を助けようとしてた俺は!ただ利用されてただけだったんだ!」

進介の目には涙が見える。思わず黙る明日美。

「とにかく!正義のために戦えって言うなら俺はお断りします!俺は卑怯者は救わない!」

進介は、研究所を出て行った。明日美とレアチを残して。



「見つけましたよ。裁田さん。」

「・・・。さっきは荒げてごめん。天崎さん・・・」

「いえいいですよ。」

進介は中央地区内に流れる桜川のほとりにいた。中心地区といえどももちろん自然はあるのだ。川を眺めている。バイクは近くに止めてあった。

「なんで場所分かったんだ?」

「レアチさんにFSSを使って調べてもらいました。」

「そうか・・・」

少しため息をつきながら進介は答える。恐る恐る明日美はたずねた。

「『弱いやつは救わない』。どうしてですか?何かあったんですか・・・?」

明日美の目は真剣だ。まっすぐに進介を見つめている。人を救う力があるのになぜ嫌なのか理解できないからであろう。気になったことはプライベートなことでも踏み込んでくるタイプのようだ。しかし、プライベートなことを話しても、真摯に受け止め他言無用としてくれるだろうという、安心かというか信頼感も伝わってくる。無視できない。逆らえない。

「・・・。わかった。君には話す。実はさ・・・」

進介は話しはじめた。



裁田進介は、幼いころから正義感が強く、また面倒見のいい子供であった。幼稚園から小学校まで、人の役に立つことを積極的にしてきた。学級委員や児童会などの役職を請け負ったり、勉強で分からない子の為に放課後居残って教えたり。さらには人の宿題を肩代わりすることもしばしばあった。彼は人の役に立つことに喜びを感じ、存在意義を感じていた。彼の正義は「人の助けになること」であった。そんな彼が中学生のときのこと。彼の中学でかつあげが流行った。もちろんそんなことを許す進介ではない。言葉での説得を試みる。がまったく効かない。ついに進介は拳をもって黙らせた。当時から、彼は古武術をマスターしていたために誰にも負けなかったのだ。すると学校の友人からほかの不良の討伐も頼まれるようになった。彼は正義のためと信じ、制裁を加えてきた。その中で学校行事にも参加し、忙しくて何も出来ない学校の友人に代わって様々な役職を請け負った。熱を出すこともあったが、正義のためと休まず働き続けた。しかし、中学三年の秋。彼は友人たちが自分の事に関して話していることを聞いてしまった。曰く、

「裁田進介は使えるよな。」

「それな!俺らの面倒ごとを全部肩代わりしてくれるし。受験まであと三ヶ月なのにようやるよな。」

「まぁその分俺らは受験勉強が出来るってわけだ。」

「正義の味方でも気取ってるんだろ?こちとらただ利用してるだけだけどな。ニシシシシシ。」

「まぁ気持ちよく気取っといてもらおうぜ。そのほうが楽だからさ。」

「多分全校生徒全員が思ってるよな。あいつに頼めば汚れ役も何のその。どんなことにも利用できるって。」

進介はこの会話を聞いて、自分の正義は友人にとってうまく利用する道具でしかないことを知った。他人が感謝の意を示していたあの「ありがとう」という言葉は嘘であったのか。俺の正義は皆が幸せになるためのものだったのに。俺だけが損してあいつらは悠々と自分のやりたいことをやっている。許せない許せない・・・あいつらは・・・俺を・・・利用して・・・踏み台にして・・・!


 彼は、自分の正義をやめた。


憎き友人どもは殴る気にもなれなかった。その後、無断で古武術を使用し不良どもを討伐していたことが師範である父親にバレ、古武術は破門となった。彼は全てをやり直そうと決めた。こことは違う場所で。そのとき、開発中の都市ということで家賃の安い、華咲町のマンション。そして自分の中学からは誰も進学しない高校を見つけた。

「んで・・・。この町にきたんだ。もう何もしないって決めてた。だけど・・・」

どんな町で、どんなに防犯システムがしっかりしていたって、日常の中で闇は見つかる。進介の幼いころからの本能はそれを見逃すことを許さなかった。だから自分に課した。助けていい条件を。二度と利用なんてされす、心からありがとうと言ってもらえる状況で助けられるように。それが・・・

「それが『弱いやつは救わない。戦うやつだけ手を伸ばす。』今の俺の正義だ。」

一気に話したせいで口が若干渇く。明日美は何か考えている。進介はそれを待った。

 そして明日美が口を開いた。

「裁田さんは、困ってる人と面倒くさがってる人の区別がつかなかったんですね。」

「・・・どういうこと?」

「めんどくさがってる人は、できるのに何もしないことです。だけど困ってる人は出来ないから何も出来ないんです。だからこそ助けを求めるんです。」

「・・・。」

「裁田さん。人には出来ないことがいっぱいです。だからこそ、個人ができることをし合って支えていくんです。それが助けるってことです。」

「知ってるよ!だけど俺は・・・!」

「だけど進介さんの場合、助け方が違うんです。」

「助け方が違う・・・?」

進介の顔に困惑の表情が浮かぶ。

「そうです。助けるという行為は、誰かの肩代わりをすることじゃないんですよ。その困ってる人の背中を押してあげることです。」

強い視線で訴える明日美。

「背中を押す?」

「そうです。その人が前に進めるように勇気を与え、一歩を踏み出してもらう。それが私の考える人助けです。」

「それじゃ悪を成敗していない!そんなの正義じゃない!正義は人を困らせる原因、つまり悪を裁いて光になることなんだ!それが人助けにもなる!」

進介は自分の信じてきた正義で批判する。

「私は、人助けと正義は同義じゃないと思います。」

「え?」

進介は拍子抜けした。明日見は続ける。

「正義は裁くことも入ってしまいます。だけど、裁田さん。あなたは人を裁くために人助けをしていたんですか?」

「・・・違う。俺は人に喜んでもらうために・・・」

明日美の問いかけに最初、なぜ自分が人を助けていたのかを思い出す進介。

「喜んでもらう。それこそ人を前に進ませたときに得られる幸福ではないでしょうか?裁田さん。『正義』なんて必要ありません。ただシンプルにあなたのできることをして人を救えばいいじゃないですか?」

明日美の考えに、頭が混乱していく進介。分からない分からない。自分の信じていたものがホントは違う。俺はどうしたらいい?

「そしてもう一つ。裁田さん。あの正義を掲げているあなたは、過去というものに恐怖し逃げている、あなたの大嫌いな弱者なんじゃありませんか?」

その言葉にはっとする進介。そして明日美は、進介の目の前にスマホを置いた。

「戦えなんていいません。だけどこれはもうあなたにしか使えないそうです。登録してしまったから。レアチさんがいってました。」

目の前の道具を進介は見る。

「これはあなたにしか出来ないことで、あなたが人を救える方法の一つ。使うも使わないもあなたの自由です。だけどあのマリスという存在がいるのなら、誰かが人の背中を押すために障害を取り除かなければならないんです!そしてそれは、裁田さん自身が過去に勝ち、大嫌いな弱者から抜け出す唯一の方法と思います!」

その声にスマホを手に取る進介。

「俺のできること・・・。過去に勝つ・・・」

そのときだった。

「見つけた!!!」

その声に振り返る二人。そこには昨日の不良の二人組がいた。

「クスリはさっき飲ませたからな・・・。おい北斗!あいつらを見ろ!」

北斗は進介と明日美を見る。すると様子が変わってきた。顔に怒りの表情が浮かぶ。

「あいつらは・・・!!!殺す・・・殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す・・・」

北斗は口でつぶやき始めた。予想だにしない展開に海斗は戸惑う。

「お、おい!北斗!?」

北斗の周りにオーラのようなものが見えてきたそれは徐々に北斗を包み込み形を形成していく。

「ま、まさかマリス!?」

「ちょまてよ!」

進介と明日美は慌てて距離をとる。と、次の瞬間だった。

「ぐぁぁぁぁぁぁあぁぁっぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

北斗は完全な怪人と化していた。それはまるでゴリラのようだ。

「北斗!?大丈夫かよ?ってぐはっ!!!!」

駆け寄った海斗はそのゴリラ型のマリスに殴られる。威力は強烈。吹き飛ばされた。

「うがぁぁぁぁ!!!」

そしてゴリラ型マリスは周辺にいる人々を襲い始めた。

「おかしいです!ワシ型のマリスには知性、というか理性があったはずなのに!こっちは獰猛です・・・!」

ピピピピピ!!!

セロシアシステムの入っているスマホが鳴る。それに出る進介。

『マリスが現れたようだね!?』

「・・・はい!でも昨日のとは全然違って獰猛なんですけど・・・!」

『それはソイツがインパルスマリスだからだ』

「いんぱるすまりす・・・?」

『ああ。マリスには二種類いてね。衝動的な悪意からマリスになるインパルスマリスと計画的悪意で力を理性で制御できるプランドマリスがいるんだ!ちなみに『ルナティック教団』は全員プランドマリスでね、プランドマリスは、怪人化してる際に強い衝動的悪意に襲われるとインパルスマリスに変化してしまうことが分かってる。んでそっちのがさらに強くなるんだ!』

「つまり、プランドマリスはインパルスマリスにならないために理性って言う『リミッター』が必要なのか・・・。ワシ野郎の雰囲気が変わったのもインパルスマリスになりかけてたから・・・ってかそんな話してる場合じゃない!これやばすぎる!」

ゴリラ型マリスが進介の方に拳を振るってきた。慌てて避ける。その拍子に電話を切ってしまう進介。

警官がやって来て銃で応戦するが効いていない。逃げ惑う人々。はじめてみる怪物に足がすくむ人々。困ってる人がたくさんいる。

(困ってる人の背中を押す・・・。今困ってる人が前に進めないのはあのマリスって言う障害があるから。なら・・・!俺がこの力でその障害を取り除く!そして過去に勝つ!俺は弱者じゃない!!!!)

進介はスマホのセロシアアプリをタップする。そして網膜認証をしてマイク部分に叫んだ。

「お前のラストは・・・俺が飾る!!!!」

音声が認証された。そして、

「STARTING ELEMENTARY MODE」

という機械音が鳴り響く。光の破片が進介を包んだ。そして姿を現すセロシアエレメンタリーモード。

進介は走り出した。

「うおぉぉぉぉ!!」

その声でゴリラ型マリスに拳を決める。が、あまり効いてない。慌てて距離をとる進介。ゴリラ型マリスは大振りの拳をかます。避けるが紙一重だ。

「裁田さん!」

明日美がバイクから、セロシアガンを投げてよこす。それをキャッチし読み込む。「バスター」と「ルックアップ」という二つが、スマホの画面に表示された。

「ルックアップモードを選択してください!」

明日美の声に従って『ルックアップモード』を選択する。すると、セロシアガンの発光部分が緑色に光りだした。

「説明書を読むと、怪人にはそれぞれ四種類の弱点があり、セロシアシステムにはそれに応じたモードがあるようです!『ルックアップモード』は銃で敵をスキャンし検索して、どのモードがいいのかを推奨してくれるそうです!」

明日美の説明を聞き

「了解!!」

と叫ぶと、スマホ片手に進介はゴリラ型マリスに銃を向け引き金を引く。レーザーのようなものがゴリラ型マリスに当たる。

「OK」

機械音が鳴った。スマホ画面には『受信中』と表示が出た。その後、『検索中・・・』が表示される。

「ってことは検索終わるまではこのまま戦えってことかよ!!!」

右手にセロシアガン、左手にスマホを持ちつつ、拳をかわし蹴りを入れ、応戦しながらながら文句を言う。二十秒経ったころだろうか。

「complete」

という音が鳴ったと思うと、スマホ画面に『マーシャルモード』と表示された。それをタップする。

「マーシャルモード オン」

すると、止めてあったバイクの装甲がはがれ、鎧となりながら進介、つまりセロシアの体に装着された。そして頭を守るヘルメット部分にも装飾がつき色が入った。

「これが本来の姿か!」

進介は若干感動した。明日美も同じようだ。しかしゴリラ型マリスはそんなこと意に介さない。拳を振るう。『マーシャル』は好戦的なの意味。つまり拳で戦えということだ。スマホをしまい、セロシアガンは腰にある装着部分セット。構えを取りながら避ける。装甲のおかげで動きにくくなると思ったが違った。よりスピーディに動けるようになった。たまに当たっても痛みを感じない。

「いくぜ!おっら!」

渾身の右ストレート。敵の顔面に入る。吹き飛ばされた。逃がさないという風に距離をつめ今度は蹴り上げる。敵は既に反撃が出来ない。

「おらよ!」

今度は膝蹴りを入れた。敵は吹き飛ぶ。

ピピピピピ!

スマホから音が鳴り響く。見てみると『デッドリースキル・キック』という部分が点滅している。

「マリスは薬の効果によるものです!つまりそのクスリのエネルギーを使用者から取り出さなければなりません!そのときの仕上げに使うのが『デッドリースキル』だそうです!頃合になったら自動に点滅するって書いてあります!!!」

疑問を抱く進介に、明日美は大声で答える。

「分かった!」

そう言うと進介はそれをタップする。すると装甲が取れて欠片に分解し、進介の体の周りをぐるぐる回り始めた。スマホ画面には『セロシアガンを足部分に装着せよ』と出ている。進介はセロシアガンを足に装着する。

「そのまま引き金を引いてチャージ、もう一回引いてキックです!」

明日美の声に従って、進介は引き金を引いた。ウィィィィンという音が鳴り響く。そしてもう一度引くと敵に向かって走り出した。

「おっらぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

気合とともにジャンプし、空中でキックの形へ。すると、進介の周りをぐるぐる回っていた装甲の欠片が、セロシアガンを取り付けた右足に集まり巨大な足を形成した。さらに別のパーツは肩部分に取り付き、ジェットへと変わる。ジェットがキックのスピードを加速させる。そのままゴリラ型マリスに一直線だ。

「だっらぁぁぁ!!!!」

キックが炸裂する。爆発する怪人。炎の中から不良の北斗の姿が現れる。明日美は北斗に対して何かチップのようなものを投げた。そのチップは周囲の爆発のエネルギーとともにマリスを形成してたオーラごと吸収した。

「レアチさんが教えてくれたんです。マリスのエネルギーは回収しないと周りに感染するって。それを防ぐための回収チップです。」

チップを拾いながら明日美は答える。

「こうやって使うんだな・・・このシステム。それにしても、右足が重い・・・。動かしにく・・・」

文句を言いながら、装甲のついた巨大な右足を引きずって明日美のもとに駆け寄る。そしてスマホを取り出し、変身を解除する。

「こんな使い方もあるそうです。」

明日美はそういうと、進介からセロシアガンを受け取った。そして、上の方にあったつまみを倒してあった方とは逆に倒す。

「そしてこのトリガーの底部分にこのチップを入れて、壊れたものに向けて引き金を引くと・・・」

破壊された物体が全て直っていく。怪我した人々もだ。

「破壊された部分を元に戻してくれるみたいです!うわすごいですね!」

「天崎さん・・・。詳しすぎない?」

「レアチさんにたくさん聞きましたし、説明書も読みましたから。」

ドヤ顔で返す明日美。その様子に噴出す進介。それにつられて明日美も笑う。

「俺は『人の背中を押すためにその障害をぶっ壊す』。そのためにこれからもこれを使っていこうと思うよ。ありがとう天崎さん」

一通り笑った後、進介は真面目な表情で言う。

「いえいえ。・・・あの!私も手伝いますよ!裁田さんを応援したいんです!ここまで首を突っ込んだならいいですよね?」

明日美はきらきらの目で言う。進介は右手を差し出した。

「もちろん!よろしく!」

「はい!」

明日美は出された手を握り返した。仲間契約成立だ。




「あれはなんだったの・・・?これは調べる必要がありそうねぇ・・・!」

そんな怪物騒動を目撃していたポニーテルの少女がそう言った。そしてニヤリと笑った。



「今日は転校生を紹介する。入れ。」

翌日。昨日中心地区で怪物が現れたというニュース正式に発表され、不安と驚きと好奇心が華咲町を駆け回る中、進介の通う栄蘭高校では転校生が紹介されていた。もちろん進介の所属するクラスである。

「季節はずれでごめんなさい!今日・・・正確にはおとといから華咲町の一員になりました。」

そういって少女は黒板に名前を書く。進介は開いた口がふさがらなかった。

「天崎明日美です!皆さんこれからよろしくです!!!」

ぱちぱちぱちと拍手が響く。明日美は少し照れている様子だ。男子どもは、予想外の美人の転入に心躍らせている。

(学校もクラスも一緒か・・・。これは長い付き合いになりそうだな・・・)

苦笑しながら進介は明日美を見た。明日美は進介にの視線に気づきウインクをした。

それは、桜が緑色に変わる四月の終わりの、月曜日のことだった。



同時刻。地下薄暗い教会のような場所。

「マリスの存在が世間に明らかになったがいいのですか博士?」

「いいんだよ。むしろこれからが楽しみだ。やっと、起動してくれたからねぇあのベルトがさ・・・」

「じゃあもうベルト取り返さなくてもいいですかね?」

「んー。任せよう。当初の予定通り使えないが、方向性は変わらない。」

「そうですね・・・。じゃあ、手を出します。面白そうなので。」

「まぁすきにしたまえ・・・。ふふふ・・・残り二台も楽しみだな・・・」

黒髪で剛毛な男と、眼帯をつけ白衣を着た初老の男性がそんな会話がしていた・・・・。


いかがでしたでしょうか?

これで下準備完成と言う感じです!

次回から新キャラ登場で、コメディーも混ぜつついきます!

どうかお付き合いください!

感想お持ちしております!!!!

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