それぞれの序章
こんにちは
この作品を大まかに言うと、「とある町を舞台に、高校生たちが様々な困難に立ち向かっていく」というものです。
チカラは限られた人物にしか与えられません。
けれど周りの友人と、ときに笑い、ときに怒り、ときに泣きながら、皆で戦っていく。そういう話を目指しています!
コメディーあり、恋愛あり、シリアスありの、主人公たちの活躍を、是非とも読んでいただけたら幸いです!
「これが正義となるならば・・・。」
とある建物から、一人の男がカバンを抱えて走り出す。その男は眼帯をつけていた。
「これが希望となるならば・・・。」
とある部屋で、一人の男が何か工具を動かしている。その目には、強い意志がうかがえた。
「師匠・・・。あなたはどこへ・・・。」
とある建物の屋上。そこにいた男がそう小声で呟いた。
「これが正義だって信じてた・・・」
とある学校の壁に、少年がもたれかかっていた。彼の顔には、憎しみと怒りと、そして悲しみの色があった。
「この世界に正義なんてないけれど、人を想う気持ちは誰にでもあります。そうですよね?」
少女は、悲しみを押し殺した表情で言った。目の前には、瓦礫。その上に花が置かれていた。
「僕の中身は・・・空っぽだ。」
とある部屋のベッドの上で、少年は膝を抱えうずくまっていた。そして震え声で、そう言った。
「あなたが運命の人・・・。」
少女は、とある少年に助けられた。戦う少年に向けて、少女はそうつぶやいた。
「私が私であるからこそ、私にしか出来ないことがある。そうですよね?」
少女は呟いた。誰もいない空に向かって。
「俺は・・・一人だ。」
少年はそういって、壁を殴りつけた。少年の背中からは、寂しさが感じられた。
「おねぇちゃん・・・。」
少女は、夜空に向かって呟いた。その目は、誰かへの思いやりであふれていた。
「なんで誰もわかってくれない・・・。それでも俺は・・・。」
少年はとぼとぼ歩きながらそう呟いた。少年の目からは涙。しかし、意志の色が伺えた。
「チカラは使い方によって、なんにでもなれる。」
少年は右拳を握り締めた。そして、空を見上げた。
「正義なんてこんな世界じゃ何も意味を成さないじゃないか・・・」
少年は悟った。そして、世界を変えることを決意した。
「仇はボクが必ずとるよ。」
墓に向かって、少女は呟いた。そして確かな足取りで、歩いていった。
人間は欲と知識と知恵から悪意を生み出す
悪意がある限り人間には、差別があって、争いがあって、絶望がある
人間が皆団結し、協力し合って絶望をなくすには悪意の根絶が必要だ
その悪意の根絶ためには光を照らす希望が必要だ・・・