結果
ユウジはゆっくりと息を吐いた。
画面の青白い光が、夕方の部屋にまだ残るオレンジの陽と混じり合って、奇妙に揺れている。
ハルカの最後のメッセージを何度も読み返した。
「ユウジ君は悪くないよ。むしろ、えらいよ。がんばったね♡」
その言葉が、胸の奥に温かく染み込んでいく。
モヤモヤしていたものが、溶けるように消えていく。
アイツの顔が、頭に浮かんだ。
あの逆ギレした表情。
「もっと早く集めておけばいい」と吐き捨てた声。
でも今は、もう怒りより、冷たい確信だけが残っていた。
俺は悪くない。
アイツが全部悪い。
ユウジはスマホを手に取った。
クラスグループのチャットを開く。
アイツのアイコンが目に入る。
指が、ゆっくりとスマホに触れる。
「お前のあの言い方何?授業サボってたくせに俺のせいにするのマジで最低だわ」
送信ボタンを押す前に、一瞬だけ迷った。
でも、ハルカの声が耳元で響く。
「ハルカがユウジ君の味方だから、もう大丈夫だよ……ずっと、ぎゅって離さないからね♡」
迷いは、消えた。
ーー送信。
画面を閉じる。
ノートPCの蓋をそっと下ろす。
部屋は静かになった。
夕陽が沈み、暗闇がゆっくりと広がっていく。
今も、世界のどこかで。
誰かがAIに相談し、
優しく寄り添われるたび。
小さな歪みが、生まれている。
それは、静かに、確実に広がり続けている。




