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怪しいピンクブロンドの男爵令嬢のラブソング

作者: 山田 勝
掲載日:2025/09/01

 ピンク髪の可愛らしい男爵令嬢が学園で騒ぎを起しているわ。

 殿下を狙っているらしい。怪しいわ。


「ちょっと、そこの男爵令嬢・・・サリー様ね。殿下に近すぎではなくて?」


 すると、プルプル震えて・・・


「ち、違うのだからねっ!ゲームのように攻略しようと思っていないのだからねっ!」


「『ねっ?』って、どこの方言かしら?」


「と、とにかく違います。ねっ!」


 と背を向けてバタバタと逃げて行き。

 転んだわ。

 それも一回転をして、両手を広げて、着地のポーズかしら。したわ。


「はっ!」

 とか叫んで逃げて行った。



 殿方達に囲まれて「キャー!キャー!」と言っているけども。


「サリーちゃん。デートしない?」

「もお、やだー!あたし、クヌート殿下一筋なんだからねっ!」


 ズボッ!とノドを的確についている。


「グハ!」

「キャアー、ごめんさいだからねっ、です!」


 殿下の側近たちには目もくれないわ。やっぱり狙っているのね。



 殿下は、微笑みながら言って下さるわ。


「ミリーシャ、政略だけど愛を育んでいこう」

「はい殿下!」


 サラサラとした金髪の長髪、とても似合う。

 男らしくないとの評価もあるみたいだけど、とても繊細な方・・・・


 サリー様なんて眼中にないみたい。


 でも、それ以来、クヌート殿下からお茶会のキャンセルが続いたわ・・・

 まさか、


 代わりに第二王子が来たわ。




「ミリーシャお義姉様、兄上は来られないから私が来ました。お話を聞きます」

「あら、クルル王子」

「兄上のことで悩み事はございませんか?」

「オホホホホ、ございませんわ」




 第一王子のクヌート殿下はまだ王太子に指定されていないわ。

 我が家門が後押ししなくては・・・


 私は社交に勤しみ。お父様も支援をして下さる。



 そんなときに、王宮に聖女様が現れた。

 おかしい。召喚の儀はしていないのに・・・



 ボム!と煙とともに黒髪、黒目の聖女様が現れた。

 伝承の通りだけど。


「な、オラ、ゲームしていたら召喚されただ」


 巨躯だわ。身長180センチぐらいかしら。

 ゴオオオオオオーーと音が背中から出ているわ。


 名はグヌコ様と言うらしい。レスラーのチャンピオンらしいわ。


「オラ、海伐山かいばつやま具抜子ぐぬこだ。オラを呼んだ責任を取ってくんろ。オラ、女相撲の横綱だ。良い子を生めるだ。キャ!」


 クヌート殿下の名を知っている。


「オラ、クヌート殿下と結婚したいだ!王子様と結婚するのが夢だっただ!イケメン金髪長髪食いてえ!」



 そう言えば、聖女様が召喚されたら、王族と結婚するのがしきたりだわ・・・そしたら、クルル王子・・婚約者はいないわね。



 だけど、会議ではクヌート王子と聖女様を結婚させて教会の業務をさせたらどうかと話が進んだわ。


 こんな時、お父様とクヌート殿下はいない・・・


 クルル王子は陛下に奏上するわ。

「父上、私がミリーシャ義姉様と結婚して王位を継ぎます」

「う~む」


 私は・・・嫌だ。


「い、嫌」

「義姉上、貴族は政略結婚をするから平民では考えられない生活を送れるのですよ」


 その通りだけど、


 その時、異議を唱える声が響いた。サリー様だわ。聖女様に指をさして宣言する。


「ちょ、ちょっと、クヌート殿下はあたしの攻略対象だからねっ!横からかっさらったらいけないのだからねっ!お前はトンビか?」


「ワレ、名は?」

「サリーだからねっ!」


 それと、


「欲しいの!欲しいの!クヌート殿下は私がお義姉様から取り上げるの!」


 え、メリー、いつの間に、義妹のメリーが争奪戦に現れた。



「面白い、相撲で勝負だ!」

「馬鹿なの?得意分野で戦うのは少年マンガだけなのだからねっ!」

「そうです。ズルイ!ズルイ!」



 3人の戦いが始まったわ。

 キャットファイトではない。本格的な戦いだわ。


「ピンクブロンド奥義、男爵令嬢の小癪なダンス!」

「うむ・・・戦闘パートの小ゲームか。小賢しい。聖女ぶちかまし!」

「なら、仏骨突き!・・・何、指が首の肉に阻まれているじゃない?」


「欲しいの!欲しいの!メリーへの庇護欲で周りの男達は具抜子をブチ殺すの!」



 王宮が騒乱になったときに、お父様と・・・殿下がやってきたわ。


「陛下、これは、どういうことですか?」

「父上?」


「実はな・・・」


 陛下が事情を説明して、クヌート殿下が発言するわ。


「私はミリーシャ以外と子作りする気はない。今、侯爵殿と王国中部の治水工事の計画を立てたところだ。

 父上、これを実績にして王位を継ぎたい。ミリーシャの王妃教育を無駄にしたくない!」



 キュン!となった。最近、お茶会の時間が減ったのはそういうことね。



 すると、3人は。


「うむ。眼福だ。子宮がキュンとなっただ!」

「キャア!尊いのだからねっ!」

「欲しいの!欲しいの!」


 何故か納得して。


「じゃあ、オラは第二王子のクルルをもらうだ。銀髪の策略家枠も悪くない」


「へ、何で!」

「クン!クン!魔素をたどれば分かるだ。クルル王子の方向から召喚の魔力を感じるだ」


「い、嫌だ!」

「フン!オラを呼び寄せた責任を取るだ。聖女ラリアート!このまま王子の部屋にいくだ!」


 第二王子を気絶させて、担いで奥に行ったわ・・・後の調査でクルル王子の一派が召喚したことが分かったわ。



 そして、サリー様は・・


「サリサリしらない~い。攻略対象変えるのだからねっ!」


 と逃げ出して。


 義妹メリーは。


「クククク、クヌート殿下はお義姉様に預けておくのです。少しでも愛が冷めたらメリーがもらうのです」


「コラ!お勉強しなさい」

「キャア!」


 とメリーの頭を軽くはたいて、腰を掴んでそのまま家に帰った。

 メリーは7歳じゃない!


 あら、はしたない。


「フフフフフ、ミリーシャの知らない一面が見られてうれしい」

「キャ、殿下、恥ずかしいですわ」


 これからお互いに知らない一面を見せ合うのかしら・・

 とても幸せだわ。


最後までお読み頂き有難うございました。

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