隣国に留学中の婚約者様が婚約破棄してきたんだが
「イリス!貴様との婚約を破棄する!俺様は真実の愛を見つけたのだ!」
?何言ってだコイツ?
「仰ってる意味が分かりませんが?」
「貴様との婚約を破棄すると言っているのだ!俺様は隣国で真の伴侶を見つけた!貴様のような偽物に用は無い!消え失せろ!」
記念すべき建国100周年記念パーティーで何をやらかしてんだよこのアホは。
隣に侍らせてる女は隣国の公爵家の娘のようだが····
「えーっと···何か悪いものでも食べられたのですか?あっ元々か」
「貴様、不敬罪で死にたいのか?」
「お止めになってマョメト様!」
「おお我が伴侶たるエリスベート!このような愚か者に情けをかけるとは!女神とは君の事を言うのだろう!」
集まった貴族達は呆れ返っている、何を見せられてんだ我々はと口ほどに顔が物を言っているのだ。
「難しい言葉を言えて凄いですねー棒、あのーそろそろパーティーを始めたいのですが···破棄で良いんではい」
「ふん!本当はハラワタが煮え繰り返って仕方がないのだろう?貴様の態度次第では俺様の側妃にしてやってもよ···
「その前に腹を斬りますわお前のな?」ニコッ
「殿下に対して不敬ですわよ!このような人が婚約者だなんてマョメト様お可哀想···」
殺すぞメス豚···と心の中で呟きつつ何故こんな状況になったか
この馬鹿が隣国の貴族学園に留学に行ってた時の事だ。
「エリスベート!お前との婚約を破棄するさかい!ワイは真実の愛を見つけたんや!」
「ハン·シーン様ぁ~」
「おお愛い奴やでオリクスぅ~」
卒業パーティーでそう宣言したのはモーコ王国の王太子ハン·シーンそして隣に侍らせているのは男爵令嬢オリクス=エクスプレズ
「そ··そんな··私は貴方に相応しい妃になるべく辛い王妃教育を···」
「知るかボケェ!お前みとーな面白味の無い女はこっちから願い下げじゃ!」
「お気の毒さまぁ~w」
「あっ···そんな···」
「じゃあ俺様が貰うわ」
「何やおま···ぶふぇ!」
ズゴゴゴゴ
顔面をぶっ飛ばされたハン·シーンは天井を破壊し空に消えた··
「俺様の妻になれお前に拒否権ねーから?」
「はい喜んでお受けします!」
キッショ!つーか他国の王族に暴行加えるとか何してんだコイツ!
「何の騒ぎだ!」
「親父ぃこのブスとの婚約は破棄なw今日から俺の妻はこのエリスベートだから」
「殿下···」
静寂··子供の時見たことある陛下がぶちギレた時の顔だ、御愁傷様チーン
「ここまで愚かだったとはな···貴様の皇位継承権は剥奪とする」
「えっ···」
「はっ?はぁー!?何でだよ親父ぃ!」
「まず一つ隣国のような小国の公爵令嬢ごときでは家格が足りん」
ズバリだ。小国の公爵家など覇権国家たる我が国の下手すると大きな領地を持つ男爵家とトントンなのだ。
後ろ楯としては弱すぎるし諸侯が黙ってないだろう。
「二つそんな小国にて男爵令嬢ごときに婚約者を奪われる女など我が帝国の妃に相応しくない」
まぁ私の場合は全力で叩き潰すけどね。
「3つめイリス嬢の実家である辺境伯家は国防の要だ小国の公爵家ごときでは相手にならんそして今回の件で辺境伯家との関係に亀裂を入れるわけにはいかん、貴様のような愚物を切り捨てるだけで済むなら安いものよ」
流石陛下分かってるぅ~。
「最後に向こうの王子もボンクラのようだったが手を出した時点でお前の負けだ、罪人として引き渡す捕らえよ」
衛兵に捕縛される馬鹿とビッチ
「離せ俺様は次期皇帝だぞ!」
「離しなさい!私は公爵令嬢よ!」
「済まなかったなイリス嬢、今回の件はこちらの有責として婚約を解消する」
「ありがたき幸せにございます陛下」
「父君にもよろしく伝えておいてくれ」
「必ず」
その後パーティーは再開され盛大に建国を祝われた。
その後馬鹿は隣国で奴隷堕ち、公爵令嬢は実家に戻され初老の貴族の後妻になるがなんやかんや愛人は作ってよろしくやってたらしい。
隣国の男爵令嬢もなんやかんや婚約者を見つけて子宝にも恵まれたそうだ。
私は実家に戻る途中に降ってきた謎の関西弁男を助けたら懐かれる事となる。
その男が父に強さを見込まれ婿に来るのはまた後の話。
めでたしめでたし
第2作でちゅ!