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第99話 戦いの行方

ついにバーサーカー集団に第1防衛ライン陣地を突破され、背水の陣で挑む第1軍は、これ以上の無い緊張の最中にあった。



「みんなよく聞いてくれ。これから僕の言うことは、この戦闘での最後の(げき)になるだろう。嘆かわしい事にヤツらは禁忌の魔法、洗脳魔法でバーサーカー(ヒャッハー)にされている。しかし、ヒャッハーだからと言って恐れることはない! それは我が第1軍が、真のヒャッハーだからだ! 真のヒャッハーとは理性を持ったまま狂う。狂いに狂いまくる。それが本当のヒャッハーの在り方なのだ! ヤツらは魔法でヒャッハーになっているに過ぎないのだ! 言わば、紛い物(まがいもの)だ。そんな紛い物に真のヒャッハーである、我が第1軍が負けるはずがない! ヤツらに真のヒャッハーの恐ろしさを見せつけるのだ! そして、ヤツらを地獄の底に落としてやるのだ! 真のヒャッハーが誰なのか教えてやれ! 我がヒャッハーに悔いなし! さあ、真のヒャッハー祭りの開幕だーー!!」



「「「おおおおっっーー!!」」」



兵士達は、僕が(げき)を飛ばすと、兵士達の目が赤く光だした! 


これこそが、真のヒャッハーなのだ。本来のバーサーカー(ヒャッハー)は、薩摩隼人に習い、理性を持ったまま、どこまでも狂う。敵将の首を限りなく狩りつづける。真のバーサーカー(ヒャッハー)は、こうでなくてはならない。



――これで勝てる。この戦い勝てるぞ! ヤツらが全滅するまで、どこまでも狂ってやる……



全スナイドル銃、スペンサー銃、ガトリング砲、各アームストロング砲が狂ったかのように火を吹く。


『『『パンッ パンッ パンッ!』』』

『『『パンッ パンッ パンッ!』』』

『『『ダダダダダダダダッッ!!』』』

『『『ドォーーン!!!!』』』

『『『ドォガァァーーン!!』』』


目の前の敵軍が見えなくなるほど、白煙と黒煙が広がり、そして幾多の爆発音が鳴り響く。


『『『パンッ パンッ パンッ!』』』

『『『パンッ パンッ パンッ!』』』

『『『ダダダダダダダダッッ!!』』』

『『『ドォーーン!!!!』』』

『『『ドォガァァーーン!!』』』


一度、真のヒャッハーになってしまったら、敵軍が全滅するまで、止まる事はない。いや、止める事が出来ないのだ。


白煙と黒煙の視界0mの中を、ひたすら狂ったように撃ちまくる。


スペンサー銃やガトリング砲が連射出来るのはわかるが、なぜか単発銃のスナイドル銃が連射が出来ているのが不思議だ。きっと、弾薬の装填が異常に早いのだろう。





そして、ひたすらにヒャッハー達は銃を撃ちまくり、数時間が過ぎた。


偵察部隊より、すでに敵軍は壊滅したと連絡が入る。


「撃ち方止めー! 撃ち方止めー!」


参謀の大きな声が辺りに響く。


白煙と黒煙が徐々にに晴れ、一面の視界が開けて来ると、そこにはおびただしい敵兵の赤く染まった亡骸が転がっていた…… 


よく見ると堀の中にも敵兵のたくさんの亡骸が転がっていた…… 


今更ながら。火薬と血の匂いに胃から液体が込み上げる感覚を覚えた。まさに地獄と化した戦場。惨劇、虐殺、悲劇、残虐。数多ある厄災の言葉がすべて当てはまるような光景だった……


後に『ラニバーレ平原の惨劇』とまで言われた。ラニバーレ平原の戦いは終わった。


どうやら敵軍はラニバーレ平原から撤退を始めたようだ。


「敵軍は撤退をしているようです。追撃に移りますか?」


参謀の適切で的を得ている意見具申に、


「いや、武士の情け…… すまない。騎士の情けだ。それに兵士達も疲れているだろうから今回は見逃してやろう…… 兵士達にはまだ、生存者がいるかも知れない、逆襲に注意するよう伝達してくれ。今日1日頑張ってくれ。状況によっては明日、ゆっくり休ませるからと伝えてくれ」


「ハッ、了解しました」


参謀は僕の言葉を聞き、その場から立ち去って行った。


「しかし、酷い戦いでしたなあ」


カルイ副司令官が呟いた。


「ああ、本当に酷い戦いだった。この戦闘で以下に百年前の戦い方が惨めなものだとわかったよ」


僕も力なく呟いた。


「今回の戦闘で、戦争の在り方事態変わってしまいましたなあ」


「今が古い時代から新しい時代の変革期かも知れないね」


「確かに……」


僕とカルイ副司令官は言葉少なく戦場をあとにした。

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