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第65話 賄賂と買収

これ以上の監視と言う名のストーカーを宣告され、僕のプライベートが無きにも等しい状態となった。


フローラは黒い笑みを浮かべて、


「アレク様…… 今以上に監視されて、さらに教師に折檻されるなんて、なんてお可哀想に…… ククククッ」



――パーフェクトボディに美人の黒い笑み、フローラには悪役令嬢がお似合いかもしれない。



僕が狼狽えていると、ミレーユが


「ざまぁ!! クズ王子にはお似合いの結末ね」



「「「ざまぁ!!」」」



女性陣はそう言い残し、校舎へと入って行った。


呆然としている僕に向かって、サンペータは、


「確かに今回はアレクが悪いな」


「うん、うん。監禁の上に放置するなんて、どこまでもゲスだな」


ルブランが続く、


「こんなざまぁもあるんだな」


マリックが畳み掛けるように、


「深刻なざまぁじゃなかっただけ、アイツらに感謝した方が良いかもな」


ドールがトドメを刺してくる。


「ざまぁ系の物語みたいに廃嫡や国外追放にならなくて良かったな。あとでアイツらのフォローしておかないと追加のざまぁがあるかもな」


「……………………」


僕が呆然と立ち尽くしていると、ドールが、


「アレク、職員室に謝りに行くぞ」


サンペータとマリックが僕の両腕を脇から掴み、僕が逃げれないように、職員室へと引きずられながら向かった。





サンペータ達に職員室に中にポイ捨てされた僕は、先生達の怒りに満ちた目で拷問という説教をいただいた。


――僕の親切心を無碍にし、最後にはこの仕打ち。許さん! 必ずヤツらに仕返しをしてやる。このざまぁにはざまぁで返させてもらう…… そう心の中で誓った。一人でヤツらの復讐心で燃え上がっている時、ある先生から最後に、


「昨日、娘ちゃんの誕生日でお祝いをしたくて、早く帰りたかったんだぞ。それが無駄に残業する羽目になって、誕生会に間に合わなかったんだぞ! どうしてくれるんだ!」


先生の魂の叫びが僕の心の刺さる。僕の親切心が娘ちゃんの誕生会まで影響するとは思わなかった。 ――娘ちゃんごめん……



「申し訳ありませんでしたーー!!」


僕は真摯な対応で由緒正しい作法の則り、土下座をして謝った。


何とか、その先生には今、王都で流行っているキャラクターイベントのプレミアチケットを家族全員分プレゼントする事で和解した。

俗に言う買収である。先生も喜んで僕との和解に応じてくれた。迷惑を掛けたが、良い先生に恵まれて僕は幸せ者だ。


そして、僕の親切心から迷惑を掛けた先生方にも赦しの品を献上させて貰うことで納得してもらった。ある先生から、今度のファンクラブの集いに家族を連れて行くという条件も飲まされた。僕はこんな良い先生方に感謝の気持ちを込めて、素直に承諾した。



しかし、ファンクラブのヤツらに対して、ざまぁの思いは忘れない…… 一人の娘ちゃんの楽しい思い出を潰したヤツらだけは許さんぞ!! 早くざまぁをこの手で返してやりたがったが、家族団欒の先生方や子供ちゃん達を巻き込むことは出来ないため、今回は見逃す事にした。





先生方に愛想を振り撒き、職員室から出るとサンペータ達が廊下で待っていた。


「何とか許してくれもらえたようで良かったな」


サンペータが僕を気遣ってくれていた。しかし、マリックは、


「アレク、アイツらに復讐しようなんて考えるなよ」


「何でだよ?」


僕はムッとした顔で聞いた。それに対してルブランか答える。


「今回の件は全面的にお前に責任がある。まるっきりの逆恨みになるぞ。それにアイツらが何で怒ってるかわかるか?」


「置き去りにされたからだろ?」


「全く、この男は何もわかってねぇーよ」


ドールはため息をついて僕を否定した。


「しょうがない。俺が答えてやるよ」


ドールはドヤ顔で答える。


「お、おう」


僕はドールに話に耳を傾けた。


「まずは、アイツらがどうして怒っているのかだが、それはお前が何もしなかったのが原因だ!」


「なんやてー!! 紳士的な対応に十分すぎるほどのアフターサービスまでしたんだぞ」


僕はドールの意見にもう抗議をした。


「お前なぁ、救助と言う名のおさわりをしなかったことが原因なんだよ!! 息をしているか口許に耳を当てて確認、息が弱かったら人工呼吸、心臓が動いているか胸に手を当てて確認する。医療用語で言えばタッチングだな。心臓マッサージなんかも合法的に出来たんだぞ! チューして、胸も触れるなんて羨ましい……」


ドールはゲス発言を繰り返した。


「ドール! それほ医療関係者全てのに対して最低な冒涜だぞ! 僕がそんなゲスなことが出来るわけ無いだろうが! 医療従事者に謝れ」


僕はヘタレと思われても構わないが、医療に関わっている人達がそんな目で見られて居ることに憤慨した。


「そ、それはすまん。でも、実際にアイツらはお前が手を出さなかったことに怒ってる訳だし、少しくらいなら、おさわりやチューだけでもしても良かったんじゃないか?」


ドールは謝罪にならない謝罪をした。


「アイツらにそんな事をしたら、それをネタにされてとんでもないことを要求してくるぞ!」


僕は反論をした。おさわりやチューでもしたら、とんでもないことが起こるだろうが!


「例えば?」


サンペータは真顔で聞いてきた。


「そりゃあ、正室にしろとか、それがダメなら側室にして、一生面倒を見ろとか言い出すに決まってるだろうが! 最後には私、専業主婦になってあなたを支えるわ。と言いながらまともに家事をしないとかな。専業主婦でもちゃんと僕を支えてくれるなら喜んで同意するが、何もしないで自宅警備員になるのは許さん!」


「お前…… 何か歪んでないか?」


ルブランが呆れ顔でツッコミを入れてきた。

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