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第33話 タレの魅力

父上は料理長に何か言いたげな表情でドヤ顔の料理長を見ていた。


「このサラダに何か入れたのか?」


父上と母上は怪訝そうに料理長をガン見。料理長は惚けた顔で答えた。


「特に何も手を加えていない最高級の生野菜ですが」


「いや、そんなはずはない。いつものサラダと明らかに違う…………」



「……………………」


父上、母上、料理長の間に沈黙の時間が流れる。



――父上、引きがなげぇーよ! 早く「ドレッシングが違うだろ」って言えよ。こっちがドキドキするじゃねぇーか! そして、ドレッシングを作った僕を敬い崇めるのだ! 



「私の嫌いなピーマンが入っているじゃないか! あれほど、ピーマンを出すなと言ってるだろ!」


『ガクッ』


僕は父上の予想を越える斜め上の発言に思わず、椅子からズリ落ちてしまった。


「アレク、さっきからおかしいわよ。ホントにキモいんだから」



――母上は実の息子ちゃんに手厳し過ぎて困っちゃう……



「陛下、ピーマンは栄養価が高いので、お子チャマみたいに駄々をこねちゃいけません」


さすが、料理長! 国王陛下であっても栄養のある食事には容赦しないぁ。


「だって…… 苦手なんだもん」


「陛下…… 可愛く言っても、国王陛下ラブの私には効きませんよ」



――!? 料理長は父上のファンだったのか! 知らんかった…… 父上にもファンが居たとは……



「しょうがない…… 特別に私の最新の肖像画を料理長にやろう」

「ハッ! ありがたき幸せ。今すぐ陛下のサラダをお下げしろ! 新しいサラダを持ってきてくれ。ビーマン抜きでな!」



料理長…… 速攻で買収されやがった! 大人の汚い世界を見たような気がした。



新しいサラダが父上の元へと運ばれて来た。


父上は早速、サラダにゲンタレを掛けて食べ始めた。


『モグモグモグタン』


「料理長。いつもと違うドレッシングだな。これはうまい! ビューティフルドリームだ料理長。なかなかヤルなぁ、お主」 


父上は料理長を絶賛し、フォークが止まらないようだ。


「美味しいでしょ? 私も試しに食べてみましたが、ドレッシングを一滴残さずに飲んでしまいましたよ」



――料理長、ゲンタレを飲み干したんかい! しかも、さらにドヤ顔で答えやがった。



「私も美味しかったわ。このドレッシングはどこの物なの?」


「アレク様が作られた物で『ゲンタレ』と言うものです。全ての食材に適用するいう、神をも虜にしてしまう悪魔的調味料にございます。特に肉料理との相性は悪魔的抜群であり、飲み物としても申し分ありません!」


料理長は軍人さんのように敬礼をしていた。


「で、でかした料理長! このゲンタレを悪魔の調味料として後世に残すように!」



――父上! なぜ料理長を褒める。ゲンタレを作ったのは僕だぞ! しかも美味しい万能調味料ゲンタレを悪魔の調味料&飲み物として後世に伝えるだと! 

やっぱり、プリストの世界は狂ってやがる! 


「私も悪魔の調味料を後世に伝えるなんて…… 大賛成ですわ。料理長、良くなってくれましたわね。褒めて差し上げますわ」


「王妃様にお褒めいただくとは、ありがたきしゅわわせ!」


料理長は敬礼をしたまま感動の涙を流していた。



――ちょっと待ってくれよ! ゲンタレを作ったのは僕だから!



「あの~ その~」


僕はこの雰囲気の中、ゲンタレの全ての権利は製作者である僕にあるのだと主張しようとしたが、


「なんだアレク? 私達は悪魔の調味料で忙しいのだ」


父上から速攻で僕の言葉は拒絶させられた。ここで負けてはいけない! 今は攻める時!


「そのタレを作ったのは僕なんだけど」


僕は弱々しく口にした。


「あなたの存在を忘れてたわ。誰が作ったなんて問題じゃないの。如何に悪魔の調味料を後世に伝えるかが問題なの」


母上…… 実の息子ちゃんの存在を忘れるなんて…… なんて、ツンデレちゃんなんだろう。


「オホン 料理長。話に戻るがこの調味料には肉料理が合うと言っていたな」


父上も僕の存在を無視するかのように話を進めた。


「勿論でございます」


料理長は自信満々のドヤ顔で答える。


「今から悪魔の調味料、ゲンタレで肉料理が出来るか? 今すぐ食べてみたい」


「私も食べてみたいわ」


父上と母上は僕の作ったゲンタレでお肉を食べたいと言いやりやがった。


「ただいま、準備をして参ります」



そう言って、料理長は急ぎ厨房へと戻って行った。


「父上、母上。僕がこのゲンタレを最大限に高めた料理をお持ちしましょう」


僕はここぞとばかりに自分をアピールするためだけに席を立ち厨房へと向かおうとした。


「待て! アレク」


父上が僕を引き留めた。


「何か問題でもありましたか?」


「お前、料理が出来るのか?」


「そうよ。アレクが料理出来るなんて聞いたこともないわ」


父上の発言に母上も反応し、僕が料理など出来ないと思われているらしい。


「大丈夫です。簡単な料理くらい出来ますよ」


僕はそう言い残し食堂をあとにした。


「父上と母上。僕の最高の料理を振る舞って()るからな!」

お読みいただき誠にありがとうございます。

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