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第27話 おかわりを所望

バーベキューコンロ製作に心血を注ぎ、


「バーベキューコンロを30個作ったし、今日は帰るか」


「明日は要領も良くなって、もっと作れるんじゃないか?」


「そうだな。明日も手伝いよろしく」


「ああ、任せてくれ」


僕とマリックはバーベキューコンロの製作を中断し、帰路に着いた。サンペータ達は暇そうにしてたが、ファンクラブの集いの打合せをしていたようだ。以下に僕をルナール嬢達から護るかについての話をしていたようだ。今日のところは話しは纏まらなかったようだが、あちらには軍師メアリー嬢がいる。こちらもそれ相応の準備をしなくてはいけないようだ。



王宮に着き、アリシアにバーベキューコンロを見せた。


「これでお肉がやけるのですか?」


アリシアは、初めて見るコンロに目を輝かせ、いろいろと僕に説明を求めた。


僕は、優しく丁寧に使い方を教えて上げた。


「私も1台欲しいです」


「1台欲しい?」


「ハイ! このバーベキューコンロがあれば、気軽にお肉が焼けます」


「そりゃ、1台くらいならあげても良いけど、どこで使うの?」


「自分の部屋でソロバーベキューです」


アリシアは自信満々に答える。


「もしかして、アリシアさんはボッチ?」


「私はボッチじゃありません! それに、私はカーストの底辺じゃありませし、1人が好きなんです!」


今度は憤慨していた。


「そうなの? 友達ぐらい作れよ」


一応、アリシアを気遣って、アドバイスしてたあげた。僕は優しいのだ!


「余計なお世話です! 私だって友達くらいはいます!」


益々、憤慨させてしまった……


「それなら良いけど……」



――一体何人の友達がいるんだ? 本当にそれは友達なのか? ぬいぐるみとかじゃないよな? と聞きたかったがアリシアがとても可哀想になる予感しかしないから止めておいた…… これも僕の優しさ。


「ああ、それと部屋の中でバーベキューコンロを使うと空気が汚れて、死んじゃう時があるから、使う時は外でやってくれ」


二酸化炭素中毒になる危険性があるため、一応は部屋での使用するのは注意した。まあ、一から酸素、二酸化炭素の説明をしなきゃいけないのも面倒なので簡単に注意だけしておいた。僕はとっても優しいのだ!


これで、アリシアが中毒で死んでも、僕には関係ないこと。これも僕の優しさ……


「じゃあ、僕はそろそろ休むよ。お休み」


「お休みなさいませ」


アリシアは僕の寝室から出ようとした時、


「明日も学園でバーベキューコンロを作るから、帰りは遅くなるからね」


「了解しました。私の分もお忘れなく」


アリシアに念を押されてしまった…… ソロバーベキューかぁ…… なぜか涙が…… リア充の僕には関係無いことだな。



七日間掛けて、バーベキューコンロが出来上がった。251台のバーベキューコンロである。1台がなぜだろうか、妙にシュールさを感じてしまう。



次は焼肉のタレの製作だ。これに関しては構想は出来ている。僕が前世の日本で暮らしている時に大変お世話になったタレなのだ。


大豆と小麦を使った醤油をベースにりんご、にんにく、玉ねぎ、生姜などの生野菜を使ったタレなのだ。


焼肉のつけダレとしては、マジで優勝! 肉の漬け込みは勿論、野菜炒め、冷奴、サラダのドレッシング、焼き魚など幅広く使える超万能調味料だ! 究極の使い方としては、温かいご飯にそのままかける。月末の給料が底をついた時に、これだけで何日も過ごした実績、僕の経験に裏付けされた超万能調味料なのだ!!


マジで優秀! マジで優勝! マジで神! そのタレの名は……




『スタミナ源○れ』!!


同じ物は作れないとしても、それに近い味は出せるはずだ!


今日の放課後は王宮の調理場へ行って、作業開始だ! 


懐かしい味の再現! それだけでテンションが爆上がりしてしまう。アリシアに助手をお願いしようかと思ったが、ここはお約束の天性のメシマズ展開になるだろうと感じ、あえて声を掛けなかった。



授業が終わると同時に速攻で王宮に帰り、スタミナ源風たれの製作に取り掛かった。


「料理長。忙しいところ申し訳ないが、これの味見をしてもらえないだろうか?」


「ええ、では早速」


『ゴクン ゴクン』


料理長は僕が丹精込めて作ったタレの入った瓶を手に取り、一気飲みしてしまった…… 普通は小皿に移すとかするだろう……


「ハァ!? そんなに一気に飲んで大丈夫なのか?」


「うまい! もう一杯!」


「へぇ? それ…… 飲み物じゃなくて、焼肉のタレ……」


「それは、すみません。ついつい喉が乾いていたもので」


料理長は照れ隠しなのか舌を出して、頭をポリポリ掻いていた。頭から白い雪がパラパラと降っていた。


「大丈夫なら良いけど……」


「いや~、これなら何杯でもいけますよ!」


料理長はおかわりをご所望のようだ。何度も言うが、僕の作った物は飲み物じゃない。焼肉のタレなのに…… 


「おかわりはもうないよ……」


「なんですとーー!!」


料理長はおかわりが無いことに絶望し、へたり込んでしまった……

お読みいただき誠にありがとうございます。

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