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第15話 フローラ嬢が会いに来た!

これまでの経験で関わってはいけない人物が見えて来た。


メインヒロインであるマリア・ハーネスト嬢、僕に対して異常な執着心を持っている。正直ヤベェ人物。


悪役公爵令嬢、ルナール・ミラ・フォクスト嬢、僕に対してストーカーをする。またはストーカーの指示を出す。コイツも正直ヤベェ人物。


ヒロイン1、メアリー・アン・ジェーンスター伯爵令嬢、僕にほとんど興味無しで大変良い人。善人確定!


ヒロイン2、ミレーユ・ファンシー・メルヘン子爵令嬢、天然キャラ。何を考えているのか想定出来ない。表裏のある人間かもしれない。コイツもヤベェ人の分類に入れておこう。


ヒロイン3、フローラ・リン・シャンブー侯爵令嬢、今のところほぼ無害。この人も良い人。善人確定!


ヒロイン4、クリス・アン・チャンスキー男爵令嬢。中二病患者。中二病の闇に突き落としてくれるとてもヤベェ人物。高確率でヤベェ人認定!


総合的にファンクラブの連中には関わらない方がベスト! しかし、たまにはガス抜きをしなければ鬱憤(ガス)が溜まって爆発し実害が出るかも知れない。非常に危ない綱渡り状態だ……



お茶会から数日後、フローラ嬢が僕がいる教室を訪ねて来た。


「あら、アレク様」


「フローラ嬢、お茶会ぶりですね」


「ウフフ。お茶会楽しかったですわ。アレク様はどうだったかしら?」


「朴も皆さんと話をする機会があって楽しかったですよ」


「ウフフ。それは良かったわ」


フローラ嬢は僕と同じ同級生なのに美人、ボッキュウボン体型。その上、気品と清楚もあり、まさに清純派のお姉様と言った感じで、男子生徒からの人気も高い。マジでお姉様とお呼びしたい!


「それでフローラ嬢はなぜ僕のところに?」


「ルナールさんからアレク様宛の手紙を預かって来たの」


ルナール嬢は僕に一通の手紙を差し出した。


「ルナール嬢からの手紙ですか……」


「本当は本人が渡せば良いと思うのだけど、ファンクラブの規則に抜け駆け厳禁ってあるでしょ。ファンクラブ会長の立場を使ってアレク様に会いに行ったら会員に示しがつかないって、ルナールは本当に真面目な()よね」


「そうですね…… フローラ嬢、わざわざ足を運んでくれてありがとう」


ルナール嬢はヤバイ人だと思っていたけどほんの少しだけ見直した。


「じゃあ、用事も済んだことですし、私はこれで。アレク様、ごきげんよう」


「ごきげんよう……」



――ゲームとはまた違った本当に姉上とかいたらなんな感じなんだろうなぁ。人を引き付ける魅力のある女性だと思った。



「おい、アレク。フローラ嬢に惚れるなよ」


「わっ!? ドールか!? ビックリするじゃないか!」


突然、背後からドール達に声をかけられた。


「何をニヤニヤしているんだか」


普段ポーカーフェイスを崩さない僕のニヤニヤした顔をマリックに見られていたようだ。


「そんなにニヤニヤしてたか?」


「大分な…… キモいったらありゃしない」


「サンペータ。そんなにか?」


「マジでそのキモい顔を鏡で見てこい」


「……………………」



――サンペータにマジでキモいと言われてしまった。自他共に認めるイケメンがニヤつく顔がそんなにキモいのか?



「アレク。フローラ嬢には気を付けろ」


ルブランが真剣な顔で僕に忠告をした。


「ルブラン。急にどうしたんだ? フローラ嬢に気を付けろって?」


「あれは、魔性の女の類いだ。知らず知らずのうちにフローラ嬢の…… ん~、何と言えば良いかぁ。色香と言うか魅力と言うか、とにかくフローラ嬢に近付くことはオススメしない」


「意味がわからんのだが」


ルブランの言葉に?マークが頭の上で回っていると、マリックが僕を覗き込むように


「魅了だ、魅了。特に魅了の魔法を使っているわけではない。ましてや、魅了のアイテムを使っているわけでもない。生まれもっての魅力とだろう」


「――!? 魅了って、あれか! 異性を骨向きにして誑かし、あんなことやこんなこととかいやらしいことする。あの禁忌とされている魅了のことか?」


僕は魅了と聞き、マリックに尋ねた。


「お前の発言は下品極まりないが、概ね合っている。きっと先天性の魅了なんだろう。効力はそんなに強くないと思うが、フローラ嬢にかかれば、女性慣れしていないアレクなら一発で落とされるじゃないか」


「……………………」


「どうした? アレク。女慣れしてないって言われてショックでも受けたのか?」


ドールが黙り込んでしまった僕に女性慣れしていないってところを強調してツッコミを入れてきた。


「いや、女性慣れしていないとかじゃないんだ。確かにフローラ嬢と話をした時、姉上とか身内と話しているようで素の自分になると言うか、不思議な感じがしたんだよなぁ」


僕はフローラ嬢に対して率直な思いをドール達に伝えた。


「それが魅了の恐ろしいところだよ。ビッチならそれなりに警戒するだろうが、気品、清楚、純情派ともなれば、知らず知らずのうちにフローラ嬢の意思に関わらず男どもはフローラ嬢の虜になって行くんだろうね。現にフローラ嬢は男子生徒からの人気も凄いからね」


「そうか、フローラ嬢の持っている気品がヤローどもの暴走を抑制しているとも言えるよな。それでもヤローどもはフローラ嬢を遠慮しながら弟のように慕う。それがいつの間にかお姉様キャラが板に付いた感じになったかも知れないな」


僕はフローラ嬢のお姉様キャラに考察してみた。


「フローラ嬢はアレクと違って包容力もあるからな」


「さすがドール。見事な観察眼だな……」


僕は素直にドールの人物に対しての観察眼に賛辞を送りたが、コイツは確実に地獄に落とす!


「いや、俺もフローラ嬢のファンだから」


「「「……………………」」」



――ドール。お前、フローラ嬢の魅了にやられてるじゃん!

お読みいただき誠にありがとうございます。

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