第105話 厄災の狂乱婦人会
そして、人の心を持たない野蛮人達。狂乱鬼婦人会はケーリンネガー王国最後の砦であり、ジャングスター王家の墓標になるであろう。ギャンブラー城へとたどり着いた。
ギャンブラー城の周りには城を守る為に、母上達狂乱鬼婦人会が攻略した城壁とは別の城壁が設けられていた。
母上は僕に檄を飛ばす。
「もう飽きたわ。アレク。あとはお前に任せるわ。狂乱鬼婦人会の皆様、これから帰ってお茶にしましょう? アレク、あとは頼んだわよ」
「「「はいっ! 会長!」」」
母上と狂乱鬼婦人会の皆様はそう言って、帰路に着いた。
「……………………」
――!? ここまで殺っおいて、飽きたから帰るだと? この状況どうすんの? あまりにも無茶振り過ぎる。狂乱鬼婦人会…… マジでヤバい集団だった。
◇
「誰か。カルイ副司令を連れて来てくれ」
「ハッ!」
僕が参謀に告げると、一人の将校がその場を立ち去った。
暫くすると、将校が青ざめたカルイ副司令を抱き抱え帰って来た。
BL好きな趣向の持ち主ならば、喜ばしい光景であろうが。狂乱鬼婦人会の恐ろしさを肌で感じた僕にはカルイ副司令の心情が痛いほど理解できる。悪意が感じられない悪意とは、ここまで恐ろしいものだとは考えもしなかった。
「カルイ副司令。体調がすぐれないところ申し訳ない」
「いえ。このような失態、申し開きもござませぬ」
カルイ副司令は具合が良くないところを、よく僕の所まで来てくれた事に感謝の念しかない。
「ところで、これから僕達。第一軍だけでギャンブラー城を落とすことになった」
「さ、左様ですか…… ところで王妃様方は?」
「ああ、狂乱鬼婦人会はもう帰って、この場には居ない」
「誠ですか? 誠に狂乱鬼婦人会は居ないのですね? ああ、神よ。これで世界が救われました。感謝致します」
カルイ副司令は青ざめた顔から、にこやかないつもの表情へと戻った。
「僕もカルイ副司令。あなたの言葉に同意するよ。世界の平和とはなんて素晴らしい事なんだろうね」
「はい。誠にその通りだと感じます。生きているとは、何事にも代えられませぬな」
「確かに……」
「ケッケケケッ」
「クックククッ」
僕とカルイ副司令はお互いの顔を見合せ、自然と喜びの笑いが込み上げた。
「さあ、総司令。ギャンブラー城を策を考えましょう」
「ああ、そうだね。あなたが元気になられて良かったよ。では、参謀達を呼んで、作戦会議をしよう」
一時はどうなるかと思っていた、カルイ副司令の復帰に安堵する僕であった。
◇
作戦を立て終えて、僕ら第一軍は行動に移す。
ここで役に立つのが、我らのアームストロング砲である。城壁に至近距離から100発ほどブチ込んだら、あっけなく城壁の一部は壊れ崩れ去った。
その後、崩れ去った城壁から敵の逆襲がある可能性もあるため、崩れた城壁に向けてスペンサー銃を持たせた200名の兵士と、ガトリング砲50門を配備。
夕暮れということもあり、今日の作戦は以上とした。本格的ギャンブラー城攻略は明日以降とした。
――これで安心、枕を高くして眠れる。
◇
――翌日。
ギャンブラー城に向けて、本格的な攻略作戦が行われた。
まずは城に向けて、アームストロング砲110ポンドの砲撃をブチ込んで差しあげた。国王が生き残ろうが、死のうが関係ない! ケーリンネガー王国の象徴であるギャンブラー城を破壊するだけ破壊しまくった。
そして、崩れ去ったギャンブラー城に向かい、僕と魔法兵で、瓦礫の撤去を始めた。
その瓦礫の中からギヤー将軍の破廉恥なご遺体を発見し、このギヤー将軍も例に漏れず、『この男、退却する際、自国民に対して犯罪行為を行った』と、書かれた派手な看板を立てて、優しい僕は一般市民の為に、盛大に晒して差し上げた……
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