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転生したら超合金  作者: 竹下三角
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超合金はやっぱりロマン

 

俺の名前は凡田、さっき車に轢かれて命が尽きそうな男だ。


思い返せば名前の通り、

特に山も谷もない人生だった。


次に生まれ変わったら波瀾万丈な人生を送ってみたいもんだ…ああでも、痛いのは嫌だなあ……

そんなことを考えているうちに意識が薄れていく。………………


気がつくと目の前には真っ暗な光景が広がっていた。

なんだここは……?

一瞬そんなことを考えたが、目の前をよく見ると、

どうも黒い毛のようなものがフサフサしている。

それに幻聴だろうか…天から唸り声のような音が聞こえる。

《まさか…》

恐る恐る顔を上げると、そこいたのは

全長3メートルはあろうかという熊…

いや、熊っぽい猛獣のご尊顔があった。


《おいおい嘘だろ!?勘弁してくれよ!!!》

必死に動こうとするが全く身動きが取れない。

それどころか首筋に鋭い痛みを感じてそちらを見てみると、そこには鋭利な爪を持った大きな手が……。

そして視界いっぱいに広がる凶悪な牙……。


…あれからどのくらい経っただろう。

気がつけば俺はまたあの暗闇の中にいた。

《……今度は何だよ……》


もういい加減ウンザリしていると

頭上から声がする。


《起動準備ヨシ、さぁ動けぃ!》

それから辺りが急に眩しくなる。


よく見るとここは実験室?のようだ。


《おはよう、そしてようこそ、私の実験室へ!》

甲高い女の声が部屋に響く。


《私はこの国一番の天才科学者、メリッサ・ヴィーガンだ。

そして君は私の偉大な実験の

映えある被験体一号に選ばれたのた!》


…はい?

俺は状況不明で理解不能、あたまがちっともはたらかない。


《なんだその煮え切らない反応は?

しかたない、説明しよう!


3日前、私が森を散策していると

そこに殆どミンチ状態になった君を発見した。


幸い脳に外傷は無かったので、どうせ無くなる命なら私の実験に使わせてもらおうと考え、

君の脳波パターンを私が作り出した魔導人形マギドールに組み込んだ、という訳さ。》


《要するに俺はあんたが作ったロボットってことか?》

《ロボ…?なんだいそれは?君は僕が作りだした

 最高傑作、その中枢を担えるだなんて、

 君はとんでもなく運がいい!》


……なるほどね、つまりこいつはマッドサイエンティストってわけか。


《さて、一通り説明を終えた所で、君の識別名を

 どうするか…何か希望はあるかい? 》

《識別名?ふざけんな、俺の名前は凡田…》

《ボンデゥワ?なんとも発音しずらい名前じゃないか。

 もっと簡潔に…ボンドにしよう!》

《だから人の話聞けって…もうそれでいいよ…》


《それよりまだ説明が足りてない、

 ここは何処で今は何日なんだ?》


《おやおや、なんとも変わった質問だね。

 ここが何処かと問われれば、中央国ウインドミルの東部、

 今日は遷暦214年の兎の月だ。》


…!?

ウインドミル?遷暦?

まるで聞いたことのない単語が次々と飛び出す。


俺は教養には自信がないが、

《これはもしかして…》

そう、あれだ。いわゆる異世界転生というやつらしい…



こうして俺は、この世界で第二の人生を歩むことになったのだった。

…………………………………………………………………………………


俺は目の前にいる白衣を着た銀髪の女性を見つめてい彼女は俺を作った科学者メリッサ博士である。

見た目は中学生くらいにしか見えないが、本人曰く

オトナのレディらしい。


《どうかな?不具合とかは無いかな?》

《ああ、特に問題はないよ。》

実際、今の所は特に問題は感じられない。

《ところで、ここは一体どこなんだ?》

《ここは私の研究室、

そして君が生まれた場所でもあるんだよ。》

確かに周りを見ると、

色々と機械のようなものが置かれている。


《それにしても、まさか本当に成功するとはねぇ……》

《何の話だ?》

《いや、なんでもないよ。こちらの話さ。》

そう言って博士は誤魔化した。


その時、部屋の扉から強めのノック音が聞こえてきた。

《メリーちゃん、いるか⁉︎》

メリッサが扉を開く

《ボブおじさん、メリーちゃんはやめてくれといつも言ってるだろう…それで、どうした?》

《む、村の近くにリカントが現れたんだ!

あんな化物に敵いっこねぇ、早えとこ逃げねぇと!》

《リカントが…?おかしい、

 こんな人里近くに出没することはないはずだが…》

《とにかくワシはもう行く。

 メリーちゃんも早く逃げな!》


ボブと呼ばれたおじさんはそう言うと慌てて走っていった。


《なあメリー、リカントってのは一体なんなんだ?》

《だからメリーと呼ぶなというのに!

 あぁ、リカントというのは…》

博士曰くリカントとは大型の猛獣で真っ黒な体毛に覆われ、強靭な四肢と鋭利な爪を持ち、

戦闘時には二本足で立ち上がり、

その体躯は人の倍ほどの大きさになるという…


…ん?なんだかそんなイキモノをつい最近見たような……あ⁉︎


《博士…多分俺、そいつに殺されたわ》

《何?…成程、それで納得した。》

《本来リカントが縄張りを離れることはない。

 が、おそらく君の体を食べた際に味を占めて人里まで降りてきたのだろう、よほど君が美味しかったのだとみえる》

《マジかよ……》

《しかし、これは好都合。

 性能テストも兼ねて、ボンド君の

 リベンジマッチといこうか!》

《マ、マジかよ…》


俺は半ば強引に外に連れ出された。

外に出ると、村の近くで先程の熊…のような生き物がいた。

《おい、アレってもしかして……》

《そうだ、奴の名はリカント。

この辺りの生態系の頂点にいる生物だよ。》


改めて見ると熊なんて生易しいもんじゃない、あんな怪物に襲われたのかと思うと今でも背筋が凍っちまう…!


《なに、恐るに足らずだ。》

博士が鼻をフン!と鳴らして話す。

《ボンド君、君は天才の私が作った最高傑作だ。リカント如き右腕一本で十分さ!》

いや戦うのは俺なんですけど…?


《さぁ行け、我が最高傑作よ!!》

《はいはい……》

俺は渋々前に出る。


するとリカントが俺の存在に気づき、

凄まじい勢いで突進してきた。


《おぉっと……!》 俺は咄嵯に身を翻して避ける。

《へぇ〜やるじゃないか!流石は私の最高傑作だ!》

いやいや、こちとら必死だっての!

だが、いつまでも避け続けてはいられない。


《博士!武器は、武器はないのか⁉︎》

できればビーム兵器等があれば…

《もちろんあるとも!喰らえ必殺…ロ〇ットパーンチ‼︎》


博士が叫ぶと同時に手元のスイッチを押し、俺の右手の肘から先が轟音を上げて吹っ飛びリカントの顔面に直撃した。


《おー!ナイスパンチ!》

いや、これただの腕じゃん!


《次はコレだ!スーパー〇ナズマキーック!》

今度は膝から下がパカっと開き、

そこから勢いよく蒸気が吹き出した。


《おぉ!スゲェ、パワーが湧いてく……って熱ッ!?》

《あぁ、言い忘れていたが、それ結構熱いぞ?》

《先に言えや!?》

《あはは、すまないね。さて、そろそろトドメだ!》

《待ってくれ、まだ心の準備が……》

《問答無用!》


そう言うと彼女は手元のレバーを思い切り押し込んだ。

《ちょ、まだ話が……》

博士は俺の言葉を無視してさらに強く押す。

《うわあああぁぁぁ……》

俺の体は空高く舞い上がり、やがてリカントの真上に来たところで急降下し、その背中目掛けて落下する。


ズドーン!!! 土煙が晴れていく……

そこには、倒れ伏しているリカントの姿があった。


《うむっ!リカント相手に大・勝・利〜‼︎》


博士がテンション高めに勝鬨を上げる。

もっと冷静沈着なタイプかと思ったが、

こういったノリが大好きなようだ…


《性能テストも上々だし、ボンド君のリベンジも果たせた、もう言うこと無しだな。》

うんうんそうだねー


《…それで博士、俺の腕、伸びたまんま戻らないんだけど》

《あぁそれなら肘のボタンを押してくれ。ワイヤーが巻き取られて元に戻るから》

そんな掃除機のコードみたいな…


《あと…俺の知らない機能があとどんだけあるのかな…?》

《そりゃあもう盛り沢山さ!両手両足が車輪に変わったり、

 両目が飛び出すなんて面白機能も…

って、なんだい?なんか怒ってるような…》


《人の体を…弄ぶんじゃねぇぇー‼︎》

《ちょ、私のおつむを叩くのはやめたまえ!

 一体人類にとってどれほどの損失だと…》


《うるへーこのポンコツ博士がー!》

《いひゃいいひゃい、だからって

 頬を引っ張るのもやめたまへぇー!》


…こうして俺の異世界生活が幕を開けるのだった。

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