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僕には関係ないことだ  作者: ロキア
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2話

よろしくお願いします

 おはようございます。残念ながらこの少女の存在は夢でも幻覚でもなかったらしい。不本意ではあるが、警察のお世話になろう。


 僕は正直、警察が嫌いだ。高校生の時に登校途中に自転車で右側通行をしていたと言うことで黄色の切符を切られた事がある。間違いなく僕に否がある。頭では理解している。しかし、感情は別なのだ。「チクショウ、そんなことで切符を切りやがって」と。時期が悪かったと言うのもある。普段は見て見ぬふりをしている警察だが、その日は交通安全強化週間だったのだ。運が悪かったとしか言いようが無い。あるいは人によれば、「事故になる前に注意されて良かったじゃん」と言うのかもしれない。確かに私はそれからまた切符が切られるのが嫌で左側通行を心がけるようになった。右側通行をしている人を見ると、「コイツも切符切られねぇかな」とも思うようになった。これが理由で警察を嫌いになるのは何だか理不尽な気もするが正論なんて知らん。嫌いなものは嫌いなのだ。


 しかし、こいつ全然起きないな。布団剥いでやったのに起きようとしないとは。まあ、好都合だ。取り敢えず警察が来るまで寝ていて貰おう。


 「もしもし、えーと事件です。はい。不審者が家の中に、・・・はい、よろしくお願いします。」


 さて、コイツを縛り上げてコーヒーを入れようか。縄ってあったかな?ビニール紐ならあると思うけど。手首さえ縛れればもし暴れられても何とかなるだろう。コイツどうやってここまで入ってきたんだ?うちはオートロック式なんだけどな。昨日 酔っ払って連れ込んだとか?いや、昨日は酒を飲んだ記憶なんてない。というか未成年だ。まず酒を提供してもらえない。事情聴取とかあるのだろうか?講義に間に合うと良いのだが。


 ・・・手首ってどうやって縛ればいいんだ?そんな特殊プレイした事がないからやり方が分からない。もうガムテープでいいか。そっちの方が簡単だし効果がありそうだ。


 「うーん、絵面が酷いなぁ。」


 これじゃあどっちが犯罪者なのか分からない。私は不法侵入をしましたって書いた紙でも背中に貼っておこうか?そうなるともはや虐めだな。ガムテープだけで勘弁してやろう。


 そろそろお湯が沸いているかな?ありゃ、コーヒー豆がもうすぐ切れそうだな。今日の帰りに買っておくか。


 今日のニュースを確認しよう。うーん、原油価格がまた上がってきてるなぁ。その影響で株の動きも芳しくない。・・・あと気になるので言ったら、この記事か。


 「今、北欧にいるのか父さん・・・」


 父は所謂、天才と言うやつだ。世界中飛び回って偶にニュースで見かける。連絡は二、三ヶ月に一度くらいだ。職業は自称万能家。そんな曖昧な名前の職業あるか?と思ったがあるらしい。英語だとジェネラリストと言う。なんか経験とか知識を活かしてビジネス上で人をまとめ上げるとかなんとか。おそらくコンサルタントみたいなイメージでいいだろう。父はそれに加え学者とか探検家とか知識人としてコメンテーターしてTVに出たり、とにかくなんでもやっている。そういうのをひっくるめて万能家というのが都合がいいらしい。


 因みに母さんは何年か前に亡くなった。父さんがアクティブに動き出したのはそれからだっただろうか。それまでは活動範囲が日本国内で収まっていた。しかし、何かのタガが外れたかのように動き出した。きっと何かあるんでしょうね、知らんけど。


 「うーん・・・」

 

 おや?起き出しそうだ。


 ピーンポーン


 あ、警察もきた。どっちを先に対応しようか?


 「あ、すいません。朝早くに。一応ガムテームで拘束してあるのですが、拙か  ったですかね?」


 ・・・・警察の対応を先にした。まあ、常識的に考えてそうするのが妥当だろ。三人組、女性警官もいるのか、なんか色々配慮したのだろうか?


 「うーん、現行犯なので多分そこまで問題にはならないと思います、少しやり過ぎですが今回は目を瞑りましょう。」


 「そうでしたか、次からは気を付けます」


 次なんて来ないで欲しいけど。・・・うわぁ、警察の方も微妙な顔してる。


 「取り敢えず案内しますね、ついて来てください」




 「ここです」


 「え、何。警察!?ちょっと待って。私悪い事してないですよ!目が醒めたら手首にガムテープ巻かれてるし、どう言う事!?」


 「はいはい、取り敢えず、署の方で話聴くから。大人しくしててね」


 「え、待って。本当に行くの!?」



 ・・・ふう。やっと元の生活に戻れそうだ。


 「君もちょっと署の方で話し聞かせもらえる?手続きとかもあるし」


 ですよね・・・。今日の講義は出席できそうにないな。あとで欠席連絡しとこ。

よければ評価等して頂けると幸いです。

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