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⑹『批評雑考』

㈠

何かの、雑考と言う位置づけにおいて、ともかく、批評は、批評雑考となる訳である。何かを書くことに繋がる時、雑考という言葉は、成程、使用し易いのであるが、それ故に、まとまらない話、になることも多々あるだろう。それが、雑考の良し悪しである。

㈡

しかし、暗雲立ち込める空上の気配から、やがて光が差し込む時の様に、雑考とはいえ、多大なる感性を執筆出来ることも、有る様だ。それは確かに、そうであろう。何かを書くことは、時に偉大な物を取り挙げることが可能になってしまうことも、生じるからだ。

㈢

それが、批評と言う形式を取ったなら、尚更、事態は重要で、また、沢山の思想を連れてくる、思想家の様に、いつの間にか、雑考が非雑考的になっていることもあり得るのである。雑考から生まれた、批評的思想、それは、確かに思想だが、思想の形式を取った雑考でもある。この二極一致が、急務な時も、有り得るのであろう。