プロローグ「神の協議」
なんとなく異世界で頑張る男の子を書きたくなりました。
神とは、神話によって現代にも語り継がれ、また、信仰される存在である。時には悪神すらも奉られ、厄災をも奉る。日本神話などには元々、八百万の神とされた妖怪さえも奉られるぐらいだ。
様々な神話体系が現代に語り継がれ、認識された現在、人間たちの住む世界より遥か高次元に存在した様々な神話の神々はとある協議を行っていた。
「ぶっちゃけ、今の世で俺らのやることってなくね?」
そう軽い口調で呟いたのは隻眼の北欧の主神オーディンである。
「そこなんじゃよなぁ、ワシらのやる事成す事、そして能力までも人類の信仰や語られ方によって多くが決まる。故に体系化された現在、ワシらは語られる以外にやることがない。」
それが問題点である。と鼻を鳴らす、枯れ枝のように細い体躯の翁はギリシャ神話の主神ゼウスである。
「というわけで、今回の議題は『暇だからなんか神っぽいことやろうぜ』になります。この議題に何か異議はありますか?無ければ、拍手でもなんでも良いので音を1つ鳴らしてください。」
背広を着崩した、着る人に左右されそうなハイセンスな服装の美男子がそう告げると、音が全てを震わせた。この世の全てである。
「若干名、音を鳴らしていない者も見受けられますが、異論を挟まないところを察しますと、我関せず、という形でよろしいでしょうか?無ければ沈黙をお願いします。」
先とは反対の対応を要求する背広の美男子によって沈黙が訪れた。その一瞬、世界に音が消えた。
「では、この協議にあたって事前に応募された『なんか面白そうなこと記入して』アンケートに書かれた中からいくつか抜粋していきます。その中で最も賛同者が多いモノを実施という流れに致します。皆様どうかよろしくお願いします。」
では、と始まった数多あるアンケートが次々と読み上げられていった。
「続いての内容は……おぉ、これは中々……」
背広の男も興味を惹いた内容、進行役である彼は再び意識を神々の協議会に戻す。
「失礼しました。続いての内容は、『地球っぽいテキトーな星作って死んだ人間を一神一人選んでそれっぽい加護与えて生活させたら何が起こるのか気になるんだけど、これってボクだけ?』という内容です。では賛同者は音を1つ……」
背広の男が告げるのと重なるように、全てがまた震えた。




