2話 伊治呰麻呂って知らないけど仕官してみた(2)
大変な事に気づいた…!
スマホが使える!!
何故か電波がはいっとる!!
伊治の城でアザマロに会うためバイクを城の横に駐輪していつもの癖でポケットからスマホを出して時間でもみようかなと何気なく手に取った。
「あ、良く考えたタイムスリップしてるから使えねーじゃん」
と思ったんだけど
なんか電波が入ってるんですけど…
「そうか、これは時空の狭間が歪んでおれがタイムスリップしたような時空の亀裂がどこかにあってそこから電波が漏れているんだな」
と都合の良い解釈をしつつ、いまはまずアザマロをググっておかなければならない。
張飛みたいなやつだったらやばい。首が飛ぶ。
ほうほう、伊治の呰麻呂って漢字で書くんだな。なるほど、朝廷に反旗を翻して反乱軍を起こすのか、こりゃやべ―奴だ。
ちなみに宝亀ってのは780年前だからそろそろなのか!?
「おい、何してる。アザマロ様がお見えだぞ」
門番に呼ばれてスマホはとりあえず後でも見れるだろうと思って謁見の間へ
アザマロは温和そうなとてもこれから反乱を起こす用には見えない人物だ。
「お主は何故伊治の兵になりに来たのだ?」
もしや朝廷のスパイだと思われているんじゃないだろうか
さっき反乱軍を起こすのを見てしまっただけになんて返答すればいいか困る。
「道嶋様の下で下働きしようと思いましたが、仏教が性に合わず蝦夷の軍隊に入りたいと思いまして」
「大陸からの兵法や武具の知識もあるので役に立てればと思います(適当)」
カドヤの分厚い革ジャンとSHOEIのヘルメットを見せてみた。
「ほう、珍しい装備品ではないか。これは獣の革のようだが大陸の装備か」
「はい、これは中国伝来のシルクロードを経由してきた最新のヨーロッパの武具でございりまする」
我ながら適当すぎる答えである。
「よかろう、実は今蝦夷の軍勢をある程度揃えていたところである。お主背丈もあり屈強な軍人となろう」
確かにこの時代の人たちは身長が百五十センチくらいで百八十近い身長のおれはとても目立っていた。喧嘩はしたことないけど強そうに見えるんだな。
立派に産んでくれた親に感謝しながらとりあえず就職できたことに安堵した。
「お主兵法に心得があるようだがちと聞きたい事があるので今夜一杯設けるから日暮れ時に又来なさい」
げ、兵法なんて横山三国志の諸葛孔明と竹中半兵衛稲葉山城乗っ取り程度しかわからんぞ、あとは車掛りの陣とキツツキ戦法くらいか、ハンニバルの包囲戦術はこの時代には一般的なのだろうか、と考えると意外といろいろわかるような気もしてきた。
「わかりました。では夜にまた来ますのでよろしくお願いします。」
「砦の外に兵舎があるからそこのを好きに使いなさい」
兵舎は十人くらいが入れる大きな茅葺の家だ。門番の人に案内され空いているところを好きに使っていいとの事だ。
そんなことより早くスマホでいろいろ調べておかなければ…。