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初心者がVRMMOをやります(仮)  作者: 神無 乃愛
暗転の章

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現実世界にて<保の流儀>

ふおおお。お気に入り700超えてました! 感謝です。

そして感想、評価ありがとうございます。



「ジャッジ君?」

 どうやら向こうも驚いたらしい。初めて会ったのは十年以上前のオフ会だった。

 そこから、電話やメールなどで頻繁に連絡を取り合っていた。

「美玖ちゃんと……知り合いなの?」

「ばあさんが春に言ってた孫って……」

「そう、今眠っている美玖ちゃんのことよ」

 弱々しく、マープルが言う。

「いつもゲームでの名前しか名乗ってなかったわね。あたしは磯辺 千沙。この子は古瀬 美玖。あたしの孫娘よ」

「俺は野々宮 保。で……」

「ディッチこと、溝内 良平です」

「妹のスカーレットこと晴香です」

「まぁ、ディッチ君とレットちゃんだったのね」

 こんなところで知己に出会うとは思わないだろう。

「ってことは、『TabTapS!』を勧めたのは……」

「あたしよ。娘に凄く怒られたわ」

「いんや。こいつには凄く合ったゲームだよ」

 保が静かに放った言葉に、千沙は驚いていた。

「ばあさんに言われる前に、カナリア……こいつがゲームでやってる時の名前だ。カナリアに会ったんだ。最初はどうしていいかわからず動いていたけど、今じゃ『TabTapS!』内じゃ有名なアクセサリー職人だよ」

「そう。……一度あたしの家から繋いだことがあったけど、楽しそうだったわね」

 しみじみと千沙が言う。

「カナリアはゲームの中で、いきなり歪んで消えたんだ」

 そして、全てを千沙に話していく。

「……そう。そうだったの。美玖ちゃんを心配してくれる人たちがたくさんいたのね」

 そして、千沙は美玖の頭を撫でた。

「ねぇ、美玖ちゃん。たくさんお話してくれる? 大切な人のこと、美玖ちゃんを心配してくれる人のこと。あたしは、美玖ちゃんの口から全部聞きたいの」

 やっと会えたのに。こんな形で会いたくなかった。それが保の正直な気持ちだった。


「なぁ、ばあさん。ばあさんとしちゃ、身内から犯罪者が出るのは嫌だろうが、協力してくれるか?」

 美玖が起きた後、笑顔でいられるように。

「……そうね。それがあたしの償いかしら」


 まずは、どうしてこうなったのかを実証する必要があるのだ。そのための準備を保は仕事の合間にこなしていた。


 その方法を告げれば、三人が反対してきた。

「仕方ないですよ。このプログラム、一回しか使えない仕様ですから。プログラムした俺が使うのが筋ってもんでしょ? ついでに警察とゲーム運営会社の人たち、それから記録をしっかり正芳が取ってくれるそうですから、何とかなるでしょ」

 事も無げに保が言えば、すぐさま良平が頭を叩いた。

「阿呆か、お前は。それで古瀬さんが目を覚まして、お前が覚まさなかったら絶対に落ち込むぞ!」

「そうそう。美玖ちゃんのことも考えてよ!」

「だからやるんです。どれくらい危険なことをしたのか、美玖の両親に伝えます。あの調子じゃ無理でしょうけど。せいぜい、悪あがきしてもらいます」

「うわっ。お前さり気なく古瀬さんを呼び捨てにしたな?」

 良平の言葉を無視して、千沙から美玖が使っていたヘッドギアを聞く。まずはそれを用意するのだ。


 理論上可能で、そして何よりも今回は医療チームも後ろに控えているのだ。失敗しても怖くない。


身内から犯罪者を出してしまった場合、その後進路や進学に影響があるとも言われています。

やはり、千沙としては美玖を救いたいと思う反面、もう二人の孫の事も気になりました。しかも、逮捕された場合、美玖の将来にも影響を与えてしまいます。


ですが、それは被害者に通じないと思います。この場合の被害者は美玖です。

それを保は千沙に伝えています。


次回は保の壊れ具合が見えてきます。

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