表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/434

クエスト開始!

「……むぅ。これはただの『草』。薬草はそうないんだぁ」

 がさごそと調べれば、ほとんどが「草」「石」と表記される。カナリアが必死になっているのに、セバスチャンはどこ吹く風だ。

「ミ・レディ。敵が来ます。採取は諦めてください」

「ほぇ?」

 カナリアが周囲を敵索するも引っかからない。

「あなたのスキル『索敵』は私よりも下ですよ!? ミ・レディの装備は紙なんですから、タブレットとスマートフォンを出してください!」

「タブレットとスマートフォンですか!?」

 慌ててスマートフォンだけを腰の袋から取り出した。

「タブレットも出す!」

「ええっと……」

「言葉は!?」

 気がついたら敵が近くまで来ていた。

「|タブレット《Tablet Retrieve》!!」

 タブレットを出した時には既に、攻撃を受けそうになっていた。

――クエストを開始します。チュートリアルクエスト「スマートフォンを使いこなそう! 初級編」です――

 いきなりタブレットから響いてきた声にカナリアは驚く。

「驚いている暇はありません。回避です!!」

 熊のようなモンスターが腕(?)を振り上げてきた。

「右に避けて!!」

 セバスチャンに言われるがまま、何とか避ける。

――スキル「回避」を使用しました。スキルが少し上昇しました。クエストを続けます――

「今度は左に避けてください!」

 さっきよりは早めにセバスチャンが指示してきた。

 これも「TabTapS!(このゲーム)」をやる人間では珍しいのだが。

――スキル「回避」を使用しました。スキルが少し上昇しました。クエストを続けます。スマートフォンの「ホーム」ボタンを二度タップしてください――

「『ホーム』ボタンってどれ!?」

「ミ・レディのスマートフォンですと、家のマークがありませんか?」

 セバスチャンに言われて再度スマホを見る。下の中ごろに家のマークはあった。

「それを二度タップしてください! 要領はタブレットと一緒です!」

 タップ二回っと。カナリアが必死にスマートフォンと向き合っている間にまた影が差した。

「ミ・レディ! 後ろに避けて!!」

 カナリアも必死になって回避する。

――スキル「回避」を使用しました。スキルが少し上昇しました。クエストを続けます。スマートフォンの選択肢で「大剣(ブレイド)」を選択してタップしてください――

「えっと!?」

「ミ・レディ。再度後ろに回避! そしてスマホの画面を見てください! そして大剣(ブレイド)を見つけてください!!」

 次々に指示されてカナリアは少しだけパニックを起こしていた。

 何とか「大剣」を見つけて、タップする。

「重っ!!」

 スマホが大剣になり、両手で持とうとしたものの、重すぎてずしりと下がった。

「ミ・レディ! スマートフォンを捨てて回避ッ!!」

 セバスチャンが叫んだものの、カナリアは動けなかった。

 早くも「死に戻り」を体験するのかと思い、目をつぶった瞬間銃声が響いた。

「ミ・レディ!!」

 セバスチャンがカナリアを横に飛ばした。

「大丈夫か?」

 恐る恐る目を開けると、そこにはピストルらしきものを構え、バイクに乗っている男性と大剣を構えた小さな女性がいた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ