表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初心者がVRMMOをやります(仮)  作者: 神無 乃愛
フレンド

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/434

カナリアは 新しい武器を 手に入れた

結局、美玖は晴香の部屋からつなぐことになった。



 繋ぐと、ジャスティスの拠点で既に他の面々が待っていた。

「カナリア。これセバスに」

 昨日の今日でセバスチャンの服が出来上がったらしく、ジャスティスが服を渡してきた。

「ありがとうございます」

 そう言って、そのままセバスチャンに渡す。受け取ったセバスチャンは車の方に戻り、着替えて出てきた。

「それから、これはレイピア。これもセバスの装備品になる」

「ディスカスさん、いいんですか?」

「いいよ。その代わり、しばらくそのウサミミナースの姿でいることと、これから渡す杖を持ってること。そしてその姿をスクショに留めておくのを了承して欲しい」

「スクショ?」

 意味の分からない言葉に、カナリアはこてんと首を傾げた。それに伴い、ウサミミも動く。

「簡単に言ってしまうと、ここで写真とっていいよね? ってこと。ばら撒かないから」

「……それでいいなら」

「カナリア。いいわけあるか!」

 迷いながらも了承したカナリアに、ジャッジが突っ込んできた。

「ディスもディスだ。どう見たって、カナリアはそういう情報に疎いのは分かってんだろうが!!」

「分かってるぞ。番犬が煩いからスクショは諦めよう! だが、武器はしばらく俺が与えたのを持っててくれ」

 あっさり諦めたディスカスに、カナリアは尚更不思議に思ってしまう。

「商談は成立した。はい、まずはセバスへ」

「ありがとうございます。今までは魔法がメインでしたが、これで前線にも立てます」

 礼をしてセバスチャンが受け取り、腰へ下げる。そして、鞄をごそごそとし始めた。


 しかし、この鞄は不思議だと思ってしまう。どんなに大きなものでも、あっさりと入ってしまう。鞄より大きくても、一部が入れば「入ったもの」と見做されるのだ。


 そんなことを思っているうちに、ディスカスがカナリア用の「杖」を出してきた。

「……注射器?」

 人間の足の太さくらいで、一メートルはあろうかという注射器のカタチをしたものだった。

「いや、これは注射器の形をした杖だ。しっかりとINT、WIT、MNDは最高で五十パーセントほど上がる。現段階で、カナリアの装備品の中では最高だろう?」

 確かに、最高だが。数ヶ月前に買った杖しか持っていないカナリアから見れば、桁違いだ。


 その姿が問題なだけで。

「セバスが受け取ってるから、これを受け取るのは決定事項だ。さぁ、装備してくれ。都合が悪いところを全てその場で改良しようではないか!!」


 その勢いにのまれる形で、カナリアは注射器を両手で抱えるように持つ。その持ち方しか、出来ないのが恨めしい。

「うむ。見た目は問題なさそうだな。一応、解体用のナイフは注射針のところになる。普段はキャップがしてあるが、外せば簡単な武器としても使える優れものだ!」

 それを聞いたカナリアは、もっとましな作りはなかったのかと、問い詰めたくなった。

「アリガトウゴザイマス」

 棒読みになってしまったのは、仕方ないと思って欲しい。


 ちなみに、この姿に誰よりも喜んだのはスカーレットだったという。


 この時から、カナリアのことを「TabTapS!」用掲示板で「癒しのウサミミ嬢」と呼ばれるようになった。それはカナリアがウサミミを外した後も続くことになる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ