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ディッチの妹


「たっだいま~~」

 しばらくして明るい声でスカーレットが戻ってきた。

「あなたが今噂のカナリアちゃんかぁ。私はスカーレット。一応ディッチの妹で、この世界では錬金術師。ゲーム歴はディッチとほとんど変わらない。こちらは私の可愛いAI兼助手のアルブス。ラテン語で『白』を意味する、白衣の天使。よろしくね」

「は……はい。わ、私はカナリアです。そしてパートナーのセバスチャンです。えっと……先生には色々お世話になってます」

 相変わらず短い自己紹介に、スカーレットの顔がきょとんとしている。

「『先生』? ってことはジャッジたちと同級生?」

「いんや、現役教え子」

「あらまぁ。手を出したら犯罪だからね」

「手を出すわけがないだろうが。それ以前の問題だ。俺から言わせてもらえれば、お前の方が危険だぞ。あ、あとジャッジが煩い」

「ジャッジは番犬と化したのか。分かるわ。ってか誰よ。この服選んだの」

 ありあわせで、服にサイズ調整のエンチャントがかかっていないことを説明すると、スカーレットまでもが「グッジョブ!」と言い出した。

「でも、パンツが大きいんじゃ駄目だから、それだけエンチャントかければ問題なし! ってか、こういう子が男物のシャツをぶかぶかで着るなんて萌えよ、萌え!!」

 あまりにも凄い迫力に、カナリアはたじたじした。

「エンチャントかける間、他の服を着てるしかないけど、どうする? 最低でも三日はエンチャントの薬液につけとく必要があるけど」

「前着てたのがありますので、それ着ま……」

「あんな紙装備は駄目だ! それを大人しく着ていることをお勧めする」

 前の服のほうがいいと思って、カナリアが言うと即座にディッチに拒否させられた。

「まぁ、確かに。これからのクエストを考えればあの装備は無理だ。ジャス、なんかいい装備ないか?」

「ちょっと待ってろ」

 ジャッジの言葉にジャスティスがどこかへ行く。気がつくとまたスカーレットがいなくなっていた。

「相変わらず行動が早いな。レットは。何しに行ったんだ?」

「ディス、俺に聞くな。兄の俺でもあいつの行動はよく分からん。おそらく俺らの依頼の品を取りに行った可能性もあるか」

 またしてもぼそぼそとディスカスとディッチが話していた。


「カナリア。その服脱いで、こっちに着替えて。あまりものだけど」

 そう言って渡された服にカナリアは袖を通した。


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