男のロマン? 2
そこにいたのは、大蜘蛛だった。
すぐさま逃げ出したいと思ったカナリアは悪くないはずだ。
だが、既にレイドボスの部屋からは逃げれない設定になっているらしく、後退りをしただけに留まった。
しかも壁一面に蜘蛛がいる。
ある意味絶体絶命だった。
「カナリア。全体にダウン魔法!」
「はいぃぃぃ!!」
もう、言われたとおりに動くしかカナリアは出来なかった。
実はこのクエスト、ディッチとディスカスは何度も二人で受注していたので、かなり馴れているのだ。だから、カナリアの動きも見守ることが出来る。
……が、今回ばかりは少しばかり邪な考えが頭をよぎっていた。カナリアが動くたびにコートがゆれ、スカートのように見せるのだ。
今の服が、魔女っ子コスだったら可愛くないか?
メイド服もありだろ?
いや、ここは制服っぽく。
どれも捨てがたい。
ニーハイソックスをはかせて、絶対領域は?
ガーターベルトは……まだ早いな。やはりニーハイソックスとミニスカートの絶対領域か。セーフガードをきつめに発動するよう設定しておけば、大丈夫だ。
ジャスティスは作ってくれると思うか?
他のやつに頼んでみるか。ブーツも長めのが似あいそうだな。
どちらともなく、視線で話し合っていた。
それにジャッジとジャスティスは気付いたものの、止める余裕はなかった。
勿論、必死になっているカナリアはそれに気付かない。
「カナリア君、あと一撃だ! さっき使った風魔法をもう一度大蜘蛛に当てて!」
「はいっ!」
その風に合わせて、ディスカスが別の風を煽り、ジャッジに締められたのは別の話だ。
教師として、どうなのだと色々問い詰めたくなりますが、そのあたりはそ知らぬ方向でお願いしますw
ディッチが変態なのは「TabTapS!」でだけです。しかもあの服装を見るまでは、自分にそういう趣味があることにディッチも気付いていませんでした。
カナリアのゲーム中と現実でのある意味「ギャップ萌え」というやつです。




