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初心者がVRMMOをやります(仮)  作者: 神無 乃愛
フレンド

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男のロマン?

 そんなことで喜んでいると、ジャスティスが声をかけてきた。

「カナリア。男物で悪いけど、これ着て」

「え?」

 唐突に服が渡され、カナリアは言葉を失った。

「この先のモンスターとボスを倒すのにその装備じゃ確実に死ぬ。だから嫌だろうけど、これ着て」

「私が着てるのも男物です」

「そうなの? じゃあ尚更いいかな。ただし初期装備と違って、これサイズ自動調節ないんだ。向こうに着替えする場所作ったから、着替えてきて」

「はい。ありがとうございます」

「それからこれが、皮のプレートね。一応服の上からつけといで」

「はいっ」

 いつの間にか立ててある衝立の後ろでカナリアは必死に着替えた。


「お……終わりました」

 如何せん、この格好はある意味恥ずかしい。プレートだけに自動調節がついていて、服にはついていない。それがまず一つ問題だったのだが。

 それ以上に問題なのが、服だ。あまりにも大きすぎる服で、ワイシャツとパンツだったのがせめてもの救いだといえた。

 シャツは袖を何回もまくり、長さはまるでミニスカートのよう。パンツもとてもじゃないが裾を何度もまくった上に、ウエストが緩すぎた。

「ジャスティス! グッジョブ!!」

 カナリアの姿を見たディッチが叫んだ。

「ある意味男のロマンだ! サイズの大きい男物の服を着て動く! 最高じゃないか!!」

「パンツ、要らなくないか? セーフガードもあるし」

 ディスカスもディッチに同意し、不可思議なことを言い出した。セーフガードって? とカナリアが思っていると、ジャッジとジャスティスが二人の頭を思いっきり叩いていた。

「セーフガードをいちいち発動させんのか? セクハラだぞ」

「教職員としてあるまじき発言かと思われますが」

 ジャスティスとジャッジが呆れたように言っている。

「セーフガードって何ですか?」

「……すまん。そんな純粋な目で俺らを見ないでくれ。凄く穢れた大人に思える」

「シャツだけで動かそうとするあたりで十分、穢れた大人だと思うが」

 カナリアの問いに誰も答えてくれず、ディスカスが謝り、ジャッジが呆れていた。


 ウエストが緩いということで、皮で作られた「腹巻」と呼ばれる鎧に似た防具をつけることになり、プレートは外すごとになった。


 これでも恥ずかしいので、おかしいと思ったが上から黒のコートだけ着ておいた。



 これが別の意味で(やろー)どもを悶えさせ、いたるところでスクショを撮られていたなどとは、気付かなかった。

 気付いていたディッチとディスカスが半ば脅し、それを取り上げていたことも。


 今回ディッチが選んだクエストが「フレンド限定」だけでなく、課金者のみが受注できるクエストで、四人以上の課金者がいないと出発できなかったために、拡散が防げたことは、ある意味不幸中の幸いといえた。


ディッチとディスカス……ただのエロ親父となりましたw

ジャッジとジャスティスは思っていても言いませんでした。ある意味ムッツリか……

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