「安楽椅子2号店」とユニ
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かくして、会員制喫茶「安楽椅子二号店」が出来上がり、そちらは現実世界の猫カフェなどのペットカフェに近いものとなった。
飲食がその場で出来るのが、現実と違う位だ。
「はぁぁぁぁ、癒されるぅぅぅ」
今日もそこに入り浸るのは、イッセンの同僚である。毎度のことながらニーニャの尻尾を掴んでいる。
「現実じゃ、にゃんこ様の尻尾を掴めないしなぁ」
「だからそれ、色々アウトですって」
「うん。だから現実ではやらない。その代りここのニーニャたちに貢物をしつつやらせてもらっているんだからさ」
ここにいるニーニャたちはカナリアの性格を反映したのか、かなり大人しい。時折カナリアも、ニーニャたちの腹に顔をうずめている。それを面白くないと思っているのが、ユニとアルテミスだ。
「主、酷い。我のお腹ももふもふなのだぞ」
「毛並みが違うんだろ、バカウサギ」
「けっ。貴様に『巫女の守り人』などという称号はもったいない」
ニーニャとは張り合わないが、ユニと張り合うのはジャッジだ。まったくもって大人げないとイッセンは思う。
それに同意するのが、リリアーヌとディスカスだ。ディッチは「ジャッジの気持ち、わからなくもない」などとほざいている。
「いやさ、考えてごらんよ。リリアーヌ君がイッセン君をほったらかしにして、爬虫類にかまけているって」
「いや、俺平気。俺もりりと一緒に愛でるから」
それに、カナリアはジャッジをほったらかしにして、ユニを構っているわけではないのだが。
「いや、あれはユニをペットとしてみてないぞ。純然たるライバル」
しれっというのは、ジャスティスで。皆が「さすがジャスティス」などと思ってしまったのは仕方のないことである。
何故、ジャッジがニーニャに対してやきもちを妬かないかというと。
一角兎に対する神事に関われるのが、カナリアとユニだけだからである。重要な神事(特にマリル諸島にとって)であるはずなのだが、ジャッジからしてみれば関係ないようである。
邪魔しないだけ、成長したと思ってしまったイッセンだった。
「似たようなぬいぐるみが現実にあるからだけど」
何故ユニに顔をうずめないのか、という理由がこれではどうしようもない。ぬいぐるみの送り主はマープルだ。しかも手作り。こちらは、ジャッジも排除できない。猶更ユニを酷く扱う理由になっていたりする。
「ユニ、ご愁傷さん」
「酷いのである! 我はそんなぬいぐるみとは違うのである!」
「祖母ちゃんがッせっかく作ってくれたものを『そんなもの』扱いするのは、俺も許せないからね」
「……言葉のあやである。皆そろって酷い」
へにょりと耳をたれさせたユニを優しく慰めたのはユーリだった。
久しぶりに出てきたと思ったら、ユニが不憫枠に(ノ´∀`*)




