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初心者がVRMMOをやります(仮)  作者: 神無 乃愛
楽しみ方イロイロ

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330/434

茶会と誼 2

いつもありがとうございます。

 外見と声が一致してないな、それがクリスの第一印象だった。

「慣れ親しんだ姿のほうがいいかと思ったの」

 楽しそうにその女性は言う。

「その格好だと逆に気づかれにくいんじゃ……」

「大丈夫よ。『World On Line』ではこの姿で会ってるもの。逆に別のアバターにしたほうが分かりにくいわ」

「……それもそうか。イッセンたちが別アバターにしてるからそのつもりになってた」

「ふふふっ。あと、これもお土産。ゼラチナパウダーとスライムコア。狩りたてよ。それからこれは美……じゃなくてカナリアちゃんに。エアラビットの毛皮」

「……婆さん、絶対さっきのがおまけの土産だろ。陰険策士様、婆さんたちが来たぞ」

 どうやらクィーン直々に呼んだ一団らしい。思わずタブレットでその女性のステータスを確認した。


 名前:マープル

 LV:二十五


 それだけで十分だった。まさかあの(、、)マープルがこのゲームに参戦してくれるなど。


「これは、ようこそ」

「こちらこそ、お招きいただきありがとうございます。本当に遠慮なく身内全員でお邪魔しております」

「構わぬ。あの時はまともに話も出来なかったゆえ」

「私もです。それに、あなたには感謝しきれないくらいです」

「それはこちらの台詞。あのように心優しい子に育てるのは難しいこと」

「ふふふ。私は何もしていません。あの子の性根が優しかったからですよ」

「お祖母ちゃん! おばばさん!!」

 ぱたぱたと嬉しそうにカナリアがキッチンから出てきた。

「あら、また可愛らしくなったのね。あとで写真撮らせてちょうだい」

「うんっ。これね、ジャスティスさんが作ってくれたの」

「あら、ジャス君が?」

「いっくんとりりちゃんとお揃いなのっ!」

 嬉しそうにカナリアが報告していた。

「あとでジャス君にもお礼を言わないとね」


 そこで初めて、中断されていた紹介が開始された。


「こちらはクリス殿という。あとはその部下らしいが、我も名前を知らぬゆえ紹介できぬ。こちらはマープル殿。カナリアの母方祖母にあたる」

「お噂はかねがね」

「あら、どんな噂かしら」

 楽しそうにマープルと紹介された女性が言う。

「私の後ろにいるのは娘夫婦と息子夫婦です。孫たちはホスト側になっているようですので、紹介は省きます」

 その言葉で、後ろにいた男女が自己紹介をしてきた。それが終わり次第、こちらも全員挨拶を返した。


 そんなことをしているうちに、あっという間に茶会の時間となった。


「……つかさ、祖母ちゃん」

 マープルのステータスを確認したイッセンが少しばかり驚いて問いかけていた。

「いっくん、どうしたの?」

「いつ、始めたの?」

「さっきかしら? 現実(リアル)で四時間ほど前」

 その言葉で、全員が驚いた。たった四時間でどうやったらLVを二十五もあげれるというのか。

「だって、家族(みんな)も一緒なんですもの。コツは同じだし」

 そう言い切れるのはマープルだから。ある意味マープルも非常識の塊である。

「薙刀がなかったのが痛かったけど。とりあえず一番安い槍を買って、それで延々とやっただけよ」

「言っとくけど、一年以上やってる俺たちの中でのベテラン、まだLV七十五だからね?」

 それもどうかと思ってしまうのだが。

「あらあら。そのうち一緒に行こうかしら」

「……そうしてやって」

 その言葉にカナリアが嬉しそうにしていた。


マープルさんは楽しかったので、ひたすら狩りまくってしまいました。

娘夫婦と息子にたしなめられ、慌てて喫茶店に来たという裏話があります。


~~スライムなどをかなりの量で狩り終った後の一コマ~~

娘「お母さん、そろそろ時間……」

マ「あれがエアラビットね! 美玖ちゃんにお土産で持ってくと喜ばれるわ!」

嫁「そうですね! ぜひとも狩らないと!」

婿「ですからお義母さん、時間ですって」

息子「お袋! 時間っ! お前も少し抑えて……」

嫁「久しぶりに美玖ちゃんに会うんだもの、喜ぶものをもっていかないと」

息子「そりゃそうだけど……」

嫁&マ「というわけで、もう一狩りしてきます」

娘&婿&息子「いい加減にして(してください)! 茶会の時間に間に合わない(間に合いません)!」

嫁「お義母さん、諦めますか」

マ「そうねぇ。次の時はもっとたくさんの素材を美玖ちゃんにプレゼントしなきゃ! それにこのゲームを作った方にお礼をしないと!」


お粗末様でしたw

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