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初心者がVRMMOをやります(仮)  作者: 神無 乃愛
楽しみ方イロイロ

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説教後の1コマ

いつもありがとうございます

 一方、説教を受けたはずのカナリアはけろりとしていた。

「今回の一件は私に完全に非がありますから。セバスチャンやジャッジさんに聞いて動けば起きなかった問題ですし」

 素材が絡まなければ、本当にいい子らしい。そこにいた全員が思った。

「ギルドカウンターの方に聞いたら、『定期クエスト』というのもあるらしいです」

「……あるんだ、そんなの」

 そう呟いたのはスカーレットだった。

「使う人がいなかったから、周知されてなかったみたいだな。騎乗モンスターを大量に飼ってるって言ったって、カナリアほどじゃないし」

「ジャッジさん酷いですっ!」

「お前がテイムしたモンスターの数見てみろ。セバスが時折クエスト出してたから問題にならなかっただけだ」

 ジャッジから珍しく厳しい言葉が出ていた。

「……あの、話を折るようで申し訳ないんですが、『テイム』って何ですか?」

 その言葉にジャッジたちは一斉にため息をついた。


 テイム。

 端的に言ってしまえば、モンスターを捕らえペット化することである。

 ペットにするためには様々な条件があり、餌を与えれば簡単にテイムされるモンスターから、気絶後調教を繰り返すことによりテイムされるものまで様々である。


 説明を聞いたカナリアは憤慨していた。

「皆さん大事な家族ですっ! お友達ですっ」

「それはカナリアの捉え方な。普通はテイムして騎乗モンスターにしたり、従魔として一緒に戦ったりするもんなんだぞ。あとは安定して素材を手に入れるために飼ってたりするくらいか」

 ジャスティスが呆れたように言う。

「ちなみに、あたしたちの飛行用騎乗モンスターは色々頑張ってテイムしたやつらばっかりよ。そんなあたしたちよりもカナリアちゃんに懐いてる時もあるから、妬けるくらい」

 これはスカーレットの弁である。


 勿論、カナリアは下心有りだったりする。

 飛行モンスターの羽を何かに使えないかと考えたりしていたのだ。

 それを「カエルム」メンバーも知っているはずである。

「知ってはいるけど、あそこまで懐かれてるとね。さすが『飛行モンスターの友達』スキル持ちだって思ったもの」

「だけどなぁ、さすがにグリフォンの腹の上で寝られるとどう対応していいか分かんねぇわ」

 ジャッジがぼそりと呟く。


「それはそうと、『定期クエスト』って何なの?」

 だいぶ話がそれてしまったものをスカーレットが戻した。



「一応、公式HPにも掲載されている内容らしいぞ? 勿論タブレットからも見れる情報だとさ」

 ジャッジの言葉にディッチたちがタブレットを開く。

「……そういえばそんなクエストあったっけ」

 ぼそりと言ったのはユウである。

「最たる例が『オークゴブリンの皮の納品』かな? あれはNPCになるけど。長期に渡って一定以上の数量が必要な時に量と期間を決めて依頼を出す方法。色んなことを事細かに決めなきゃいけないか敬遠されがち。

 今回の場合だと、どの肉、どの魚、どの野菜をどれだけの量ずつ必要で、一度のクエストで報酬はいくらで、何日に一回の割合で納品が必要か、そしてどれくらいの期間、これは最低でもリアル時間の三ヶ月以上から一応一月単位で最長一年まで決めてカウンターに依頼を出すんだ。カウンター側はそれにあわせて毎回クエストを張り出す。受けるプレイヤーがいなければ、赤字覚悟でカウンター側で何度か値段を上げる。それが数回続くようであれば、カウンターから依頼主にその旨の連絡が行き、値段を上げるか取り消すかを選択する。

 この時、期間前に取り消す場合は期間によって違約金というのが発生するから要注意」

「うっわぁ、面倒!」

 引き気味にディッチが呟く。そしてディッチの言葉にほとんどの面子が頷いていた。

「だからやるプレイヤーなんていませんよ。知らなくて当然なわけです」

「……だろうなぁ。で、カナリア君はこれで依頼して来たの?」

「はい。カウンターの方にもそう忠告されたので最短の三ヶ月、二週に一度でお願いしてきました」

「足りる?」

 ディスカスの突っ込みはもっともである。

「でも、同じものばかりだと飽きるかなって。なので定期的にはそれくらいでいいと思ったんです」

 他は単発、もしくはカナリアが調達する予定である。

「まぁ、俺らも調達に時々回るぞ。その代わりカナリアもなるべく一緒に行くように」

 ディスカスが念押しのように言う。


 その言葉にカナリアは頷くだけだった。


素材さえ絡まなければ、まともなカナリア。

諭すように説教してくれるということが、嬉しかったりします。


ジャッジが珍しく厳しいのは独占欲など色々混ざってます(・・;)

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