三人組のお茶会
いつもありがとうございます。
本日は閑話のようなものです。
そんな裏事情をまったく知らない従兄妹三人組は、「TabTapS!」にログインするなり、拠点でお茶会をしていた。
「経営者かわると、経営方針まで変更になるのな。社畜根性に染まりまくった先輩方が苦労してる」
「そんなに違うの?」
「うん。今回は特例らしいけど、過去三年に渡って取得すら出来なかった有給の取得が義務付けられてたよ。それとは別にドック受ける日は出勤扱いだし」
リリアーヌの問いにイッセンがにこりと笑って答える。
「俺も『鬱になると大変だから診察だけは受けろ。労災扱いだから』って言われてどうしていいか分かんなかった」
実際、優秀すぎる人ほどやばかったらしい。あとは新入社員ですぐに辞めなかった人間。
「先輩の一人がさ、『仕事させてください! 仕事以外やることありません!!』って泣いてすがってた」
さすがにそれはどん引きである。カナリアとリリアーヌは言葉を失った。
「明日辺りからその人たちをこのゲームと『World On Line』に誘ったから。俺のログインはかなり不定期になると思う」
「……いっくん、ちょっと待って」
「ん?」
「複数形なの!?」
「そりゃ勿論。全員同じ部署。だからある程度慣れたらそれぞれ別行動することになってるよ。
一応、全員英語は出来る。あとはほかの言語も話せる人も多いし。何か趣味見つけてないと、海外行ったとき大変なんだってさ」
「いっくん、海外行っちゃうの?」
「長期出張とかだよ。基本は本社勤務だし」
その言葉にリリアーヌとカナリアはほっとしていた。
「変なところで二人揃って安心してるところ申し訳ないけど、このままクエスト行かない? 美玖のLVまた停滞してるしさ」
「みたいだね。行こっか」
「ふぇ? 素材は間に合って……」
「ふふふ。可愛い家族増やしに行かない?」
「行くっ!」
リリアーヌの言葉にカナリアは即答してしまった。
そして連れて行かれた先に、「可愛い家族」になるモンスターなど一切いなかった。
会社等に関することは全てフィクションです。
福利厚生だけしっかりしているブラック企業に勤めたことがあります。マジでしんどかった。職安の人にも「あそこでよく数年我慢しましたね」と褒められるくらいでしたよ。
次に勤務する時は、従業員に優しい福利厚生のしっかりした企業がいい。そういうところは滅多に募集なんてかけないでしょうけど。




