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初心者がVRMMOをやります(仮)  作者: 神無 乃愛
始まりの章

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意外なヒト

「カナリア。明日からログイン三日連続で出来そうか?」

「ほえ?」

 電話を切ったジャッジが唐突に言い出した。ちなみに明日から三連休である。

「とりあえず明日は、空けとけって言ったよな?」

「はい。明日は両親が家にいるのでおばあちゃんの家に行って、するつもりでした」

 他は難しいかもしれない。何せ両親がいるし、祖母の家に毎日入り浸るのは二人ともいい顔をしないのだ。

「リアルマネーはどれくらいある?」

「……んと、現在五千円くらいです」

 入学して数ヶ月。ほとんどお小遣いをもらえないカナリアは、それくらいしか残高がない。そのため、「TabTapS!」に課金すら出来ないのだ。

「……五千円か。住まいが分かればなぁ」

「どうしたんですか?」

「いや。今の世の中、ネットカフェでもVRMMOが出来るって知ってたか?」

「初耳です」

 その前にネットカフェが何なのかも知らない。

 ジャッジがあっさりと説明してくれるのが、ありがたい限りである。

「五千円だと一日ネットカフェにいるとなくなっちまうからな。

 さすがに紹介するのに一時間でログアウトは難しいからな」

 そう。だからこそ、カナリアは明日祖母の家に行くのだ。

「……規約に引っかかる可能性があるが、お前高校どこ?」

「県立櫻井高校です」

 その瞬間、ジャッジが固まった。

「その高校って○○県にあるやつだよな?」

「はい」

「溝内先生って知ってるか?」

「はっ!? 何で学年主任の……」

「俺の担任だったやつ。新任で来て、この間の同級会の時、櫻井高校に再赴任したって言ってたから……」

 意外なところで繋がりがあるものだと二人揃って思った。

「だと櫻井駅で明日以外の待ち合わせするぞ。ヘッドギアと勉強道具をもってこい」

「何故に命令形?」

「溝内先生に勉強見てもらうって言っとけ。面倒見がいいからな。俺から溝内先生には連絡して、話をあわせておくから」

「仲いいんですか?」

「……まぁな。あの頃からあの先生はゲーマーだったから。俺とよく話をしてたんだ。んでもって、これがでて間もなく、他のゲームを解約してこれをしてる。

 ちなみに、俺の車とバイクの製造者だよ」

「えぇぇぇぇ!? あのお堅そうな先生が!?」

 その言葉にジャッジが腹を抱えて笑った。

「あの先生は完全に理系脳だからな。時間あったら、溝内先生にも会わせるぞ」

 うっわぁ。このゲームから遠ざかりたい。知り合いがいなさそうだからこのゲームを選んだのに。カナリアは本気でそう思った。

「安心しろ。このアクセサリーを自慢したら、かなり羨ましがられた。口止め料にいいもの作ってやれ」

「……はぁ」

 気のない返事になってしまったのは、仕方ないと思って欲しいところだ。


 結局、その日は他のクエストに行かず、アクセサリーを五点セット作っていた。


「ミ・レディ。お疲れ様です。スコーンなどはお召し上がりいただけていたようで、何よりです。終わったのでしたら、お茶にしましょう」

「はいっ」

 セバスチャンの淹れる紅茶に癒されたあと、カナリアはログアウトした。


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― 新着の感想 ―
[一言] ちはや様の夏休みのオトモ企画から来ました。 400部分以上もあり、少し読み始めるのに躊躇いがあったのですが、読み始めたら面白くスイスイと最初の章を読破してしまいました。 いい作品ですね。
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