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現実世界にて<女帝陥落>

短かったので同時更新です。


 暫くレイモンドとそれを連れて来たマーカス、そしてつけられていたことに気がつかなかった弟夫婦をみっちりと絞り、昌代はどっと疲れた。

 弟夫婦だけなら別によかった。問題はマーカスとレイモンドである。


 何度か「TabTapS!」の中でも謝罪したいと言っていた。ふざけるなと、一蹴していたのは昌代と諒庵だ。それすらもかいくぐって、一度ゲーム内で会っているにも関わらず、こうやって来るというところに悪意を感じてしまう。

「昌代様」

 三浦が伝えにきてくれた。美玖が再度目を覚ましたと。


「おばばさん」

 笑って言うが、顔色は悪い。

「居場所、私が選んでいいって言ってくれましたよね」

「急かすことではないぞ。もっと体調がよくなって……」

「おばばさんのそばにいちゃ、駄目ですか?」

「老い先短い者の傍におっても……」

「おばばさんのそばがいいんです。たくさんの人に会ってきましたけど、おばばさんが一番厳しくて優しい人です」

「我を優しいと言うのか?」

「言います。おばばさんは嫌われてもその人のためになることしか言いません。そんなおばばさんのそばにいたいのです」

「我が保と会わせぬと言うたら、どうするつもりじゃ?」

「会えるようになるよう、私も保さんも努力します。おばばさんは無闇矢鱈にそんなことを言う人じゃないから」

 どこまで優しすぎる子供なのだろうか。昌代を「優しい」と称してくれたのは美玖だけだ。


「我はこの出会いに感謝すべきなのやも知れぬな」

 ひとりごちたその呟きを拾う者は誰もいなかった。


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[気になる点] おばばさま……陥落だと!? 全世界が……絶句!!!!
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