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茶の準備と屋台

 まずは色んな資料を持ち寄り、そして現実世界でああでもないこうでもないと、昌代を交えて議論していく。このあたりは年長組と悠里が主体となっている。


 そして、抹茶になりそうなものから、茶せんなどの材料まで、世界中から集めてくる。


 女帝こと「クィーン」の納得がある程度納得がいく素材が出てきたら、それで試作品を作るのだが、今までの依頼をこなしつつ作るというのは、かなり大変だった。

 特に大変だったのは、石臼担当のスカーレット、茶釜担当のディスカスだろう。

 窯元に交渉に行ったのはパパンとディッチで、茶せんなどはママンとユーリ、それからアントニーが関わった。


 そんなことをしているうちに、辺境の村で屋台を出す日となった。

「へぇぇ。『カエルム』が専任で出すんだってよ」

「初心者向けだからな~~。俺らから見れば紙だし。それより、癒しのウサミミ嬢のは?」

「無理だってさ。あの舞踏会からずっと依頼が舞い込んでいるらしいよ」

「そりゃそうだよな~~。なんだって数量を抑えてるんだか」

「プレミア感?」

「うっわぁ。あんなナリで、したたかなんだなぁ」

 ベテランプレイヤーの一部が冷やかしでやってくる。やはり、カナリアの作ったアクセサリーは出さなくて正解だとディッチは思った。


 本日の店番はディッチとユーリである。

 現在、カナリアはジャッジとともに「名月イベント」を攻略中でもある。

 兎の角と毛皮がアクセサリーに使えるかもしれないという、カナリアらしい理由からだ。


 昨日もその肉を食べたが、かなり美味しかった。時間の都合上、二日間しか出来ないとカナリアは嘆いていたが、それでいいだろう。

「マリル諸島で有名になってないな」

 タブレットでスレッドを確認して、ディッチは言う。その言葉にユーリがくすりと笑った。

「さすがに舞踏会の時のはどうしようもないでしょう」

「確かに、な」


 カナリアの「ジャッジと恋人発言」がもたらした影響は大きかった。「TabTapS!」において、一日でスレッドが新しくなるということは今までなかった。それをやってのけたのだ。「悲報!」と書かれたタイトルに、ディッチは頭を抱えた。


 そして、それを見たシュウからの苦情も酷かった。「親が大変な時に(略)」と「初心者の町」の拠点へ怒鳴り込んできたという。それまで、カナリアに誰も教えていなかった事実がシュウの口から告げられ、カナリアは取り乱した。

 医師とジャッジの判断の元、カナリアの接続は安全に早急に取られ、ログアウトしたが。


 シュウはいまだ虐待のことを信じられないのかもしれない。


 ジャッジがレッドカードを食らわないようにするためにも、医師が慌ててジャッジをログアウトさせた。


 おそらく今日も来るだろう。

 考えるだけで、ディッチは頭が痛くなった。


次回は「名月クエスト」に行ったカナリアとジャッジです。

オフ会はさらっと終わらせました。グダグダになりそうでしたので。

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