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初心者がVRMMOをやります(仮)  作者: 神無 乃愛
過去と治療

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現実世界にて<養子の話と、依存の話>


 パソコンのスペックなどを聞いた保たちは場所を移動した。


 勿論、千沙も一緒である。養子の件を話すのも目的なのだ。


 とあるホテルの、とある一室でその方々は待っていた。禰宜田家からは孝道、さゆり、そして義孝。溝内家からは良平の両親である、太一(たいち)香住(かすみ)、そして晴香。

 良平と悠里は保と千沙を連れて最後に部屋に入った。

「遅くなりました」

「ご苦労さん。千沙さんにはマスコミのことなどで、大変かと思いますが」

 太一の言葉に、千沙は弱々しく首を振っていた。

「いいえ。孫娘の身に起きたことに比べれば、これ位楽なものでしょう。それに、いつでも電話とかVRMMOで連絡は取れますから」

 その言葉が尚更痛々しい。近くにいて一番直接会えていた美玖を手放すのだ。

「あの馬鹿娘は、何があってもあたしが引き受けます。美玖ちゃんのところに行かせないように。あたしが出来る贖罪はそれだけです」

「離婚話でも進んでいらっしゃるのですか?」

 孝道が不思議そうに訊ねた。

「そのようです。全てを娘に擦り付けて、のうのうと生き残る術を見つけようとしているようですよ」

「いい事を聞きました。まぁ、無理でしょうなぁ。あそこまでふてぶてしいと」

 太一が呆れていた。反省するそぶりも見せていないということも、報道されている。

「裁判では、あたしも証人席に立つよう、弁護士の方からお願いがありました。何を言わせたいのか。あたしは、あの子達に一番重い罪をお願いするつもりですから」

 まだ取調べすら終わっていないのに早い弁護士だ。おそらくは古瀬家で雇った父親の弁護士だろう。

「ふざけた裁判が始まる前に、美玖ちゃんの親権を停止します。そのあとは、剥奪」

 剥奪後に速やかに後見人から里親に移す。孝道がこれからの予定を千沙に伝えていく。

「お願いします。あたしは幸せを願っていると伝えてください」

 千沙が深々と頭を下げた。やはり礼儀など基本的なことを教えたのは千沙だと実感してしまった。



 そのあと部屋に残されたのは、保と孝道、そして良平だった。

「で、俺に話ってなんでしょう?砂○け婆様から何か言われました?」

 保の言葉に孝道が驚いていた。あの(、、)女帝をそう言ってのけるのはいない。

「言われたよ。美玖ちゃんを依存させようとしてるってね」

「依存って言うか、甘えていいよって言っただけですけど。付き合っているわけですし、余所余所しくされるほうが堪えます」

「……そういう問題じゃなくて!」

 良平も頭を抱えた。昔から一部天才的な才能を持つ保は、若干ずれたところがある。

 今回がいい例だ。

「あのな、言わせて貰うぞ。古瀬さんはそういった感情は赤ん坊に等しいんだ。甘え方もよく分からない、そんな状態で思いっきり甘やかしてみろ。依存するだけだ」

 何か思い当たったのか、保は黒い笑いを浮かべた。

「依存? 尚更結構なんて言ったら良平先生は怒るんでしょうね。……分かりました俺が(、、)丁度いい程度にしておきます」

お前が(、、、)じゃねぇ!! 周囲が(、、、)みても大丈夫なくらいにしとけ!!」

 思わず良平は保の頭をはたくところだった。


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