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鳥居

作者: 雪猫
掲載日:2026/09/19


黒い鳥居だった


通った時、暗く低い音がした


失格だ




青い服を着て


ヒゲをつけて


腹に大きなポケットのある


小太りで赤鼻の中年の男性が


鳥居を通る



鳥居の下部が、朱色に光る


リズミカルな音を響かせながら


朱色の光は、上に広がっていく


黒い鳥居が朱に染まっていく


しかし、朱は鳥居の中程で止まる


暗く低い音が鳴る


失格だ


周りの人々からも落胆の声が上がる


男性は首輪の鈴を鳴らしながら


肩を落として帰って行く



次々と


様々な姿をした人々が


鳥居をくぐる



白いタイツに身を包み丁寧な言葉使いをする小さな男


金髪を逆立てた怒りっぽい小さな男


黒い布で身を覆い、顔だけ白い面をした者


麦わら帽を被った短パンの者


額に漢字が書かれた筋肉質の者


大きな体をした骨格標本のような者



だが、皆、合格まで朱色の光は上がらなかった



その時、妖怪の姿をした子どもの集団が


片目を髪で隠した先生に付き添われ


やって来た



てんで好き勝手に喋りながら、


楽しそうに鳥居をくぐっていく



朱色の光は急速に上がって行き、


鳥居を全て朱に染め上げた


どこかで聞いたような派手な音が鳴った


合格だ


その上、満点だ



神様も子ども達には甘いようだ



神様達がやって来て、


子ども達と話し


賞金を渡した



100万円と書かれた大きなお札を、


子ども達は皆で持って喜んだ


どの子も、意味は分かっていないようだった



周りの人々も、神様達も


微笑みながら


拍手で讃えた





皆が去った黄昏時



夕日に照らされて


鳥居はさらに美しく


朱に染まっていた





それを見ながら




自分も、


次来る時は




そう思った



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