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14.漁村


『甲板』



ザブン ギシギシ



学者「ミファさん見張りの交代に来やしたぜ?」


女盗賊「あれ?早かったね?」


学者「俺っちが知りたいアンドロイドの秘密はもう分かったんで後はココアさんにお任せっすね」


女盗賊「全部話聞こえてた」


学者「ナハハ…ミファさんも地獄耳っすか」


女盗賊「じゃぁ少し仮眠しようかな…」


学者「なんか注意する事ありやす?」


女盗賊「もうスループ船も何処に行っちゃったか分からないし…とりあえず空の監視…かな?」


学者「気球っすか…単独じゃ来ないと思うんすよね」


女盗賊「来るなら一気に来るとは思う…」


学者「早い所移動したいんすがねぇ…」


女盗賊「さっき話してた大衆扇動の件…そんなに早く行動出来るかな?」


学者「分からんす」


女盗賊「通信でなにか情報伝達してたとしてどうやって扇動を?」


学者「俺っちが作った盾にOV-245って書いてるじゃないすか…なんで245体のアンドロイドが居ると思うんすよ」


女盗賊「え?」


学者「まぁその内動いてるのはどんだけか分からんのですけど…既に何体かは人間の中に入り込んでる気がしやす」


女盗賊「古代人はそれを見分けられるのでは?」


学者「ふむ…でも古代人と関わって無い所で隠れてるとか有りやせんかね?」


女盗賊「そういえはミルクもたまに機械の匂いがする人間が居るとか言ってたな…」


学者「まぁエネルギー無いと48時間しか活動出来んみたいなんで居る場所は限られやすね」


女盗賊「あとどうしてゴールドラッシュ島の酒場でアンドロイドの噂があると思う?」


学者「噂っちゅうかクエスト対象でしたね?…つまりそれが大衆扇動なんすよ」


女盗賊「と言うと?」


学者「エネルギー切れで動け無くなってるアンドロイドを人間に回収させるとかっすね…つまりクエスト発注してる人が怪しいっす」


女盗賊「そう言う事か…」トーイメ


学者「そんな質問するって事は関わろうとか思って居やす?」


女盗賊「言われてみれば私達もアンドロイドの情報を知ってから動いちゃってるなって…」


学者「そーっすね…まんまとアナログハックされやした」


女盗賊「でもやっぱり気になる…」


学者「俺っちはお金が欲しいんでどっちにしろ取り引きしたいとは思ってるんすけどね…ちっと用心しやしょうか」




『翌朝』



ウトウト…



学者「!!?」ビク


学者「あぶあぶ…寝ちまう所っしたね…」ゴシゴシ



スタタタ



女盗賊「おはよー!!」


学者「お?交代っすか?」


女盗賊「ミルク達を呼んで来ようかなと思って…」


学者「そーっすね…移動したいっすね」


女盗賊「小舟降ろしてもらえる?」


学者「へいへい…ちっと体動かさんと寝ちまいやすね…」ヨッコラ


女盗賊「ココアさんがアンドロイドを分解してるみたいだけどやらせてて良いの?」


学者「元に戻せりゃそれで良いっすね…何か良い発見でもありゃ良いすけどね」


女盗賊「なんかココアさんは誘導爆弾みたいのも作れるみたい」


学者「え?」


女盗賊「材料が無いから今は作れないんだけど昨日遠隔操作で爆発させられる手榴弾を作ったんだ」


学者「ほーーーそりゃ使えやすね」


女盗賊「部品が無いから沢山は作れないけど期待出来そう」


学者「遠隔操作の罠が置けるとかメチャ使えやす」


女盗賊「ゴールドラッシュ島で部品とか買えないかな?」


学者「ジャンク屋みたいなのは在りやしたね…向こうの大陸からちっと流れて来てるんすよ」


女盗賊「前に古代遺跡から持って帰った謎の機械も欲しいって言ってたから相談してみたら?」


学者「何に使う物なのかまだ分からんかったんで使えるかどうか聞いて見やす」


女盗賊「じゃぁ私はミルク達呼んで来るね」ピョン スタ


学者「頼んます…移動の準備しときやす」





『監視所_キャンプ』



スタタタ



女盗賊「あ!居た居た…こっちのテントだったんだ」スタタ


戦士「んん?」キョロ


狼女「お?ミファか…どうした?船の方は良いのか?」グター ゴロン


女盗賊「ミルクがゴロゴロしてると言う事は…こっちも安全そうね…」


狼女「鼻無しの奴らは知らんで毒の溜まってる所に入ったみたいで殆ど全滅だな」


女盗賊「あら…思わぬ展開…」


戦士「投降してきているという感じだ…」


狼女「向こうの方で焼却処分どうするとか揉めてるな」


女盗賊「じゃぁ丁度良さそう…船を動かすからミルク達を呼びに来たの」


狼女「う~ん…あの女の容態が気掛かりなんだが…」


女盗賊「あの女?」


狼女「ゲスから聞いて無いのか?」


女盗賊「何も…」


狼女「娼婦になってた古代人が瀕死の重傷なんだ…ゲスが治療したんだ」


女盗賊「それならもう大丈夫じゃない?」


狼女「目を覚ますまで待ってる訳にもイカンか…」


女盗賊「それよりゲスが言うには私達に追手が掛かってるかも知れないから早く移動したいって…」


狼女「追っ手?どういう話になってる?」


女盗賊「アンドロイドが通信で既に増援を呼んでる可能性…」


狼女「それならこの島が危ないな」


女盗賊「私達が居ると危ないという言い方にもなる…狙われてるのはアンドロイドの救出だから」


狼女「それはマズい…」


女盗賊「だから早く移動したい」


狼女「分かった…フーガを起こすぞ」ゲシゲシ


ローグ「むあ!!」モソリ


狼女「フーガ行くぞ!」


ローグ「おいら…さっき寝たばかりの気が…」ゴシゴシ


女盗賊「寝るのは船の方で…この島を離れる」


ローグ「分かった…ゲスさんの治療道具とかどうする?」


狼女「残ったエリクサーはあの女の為に置いて行くだな」


ローグ「じゃぁこのまま移動か…」スック


女盗賊「そういえばミルク…どうしたのその装備品…ミスリル製だよね?」


狼女「アンドロイドが身に付けてた装備品だ…軽くて気に入った」


女盗賊「威厳が出てる」


狼女「おお!そうか!!」


戦士「身のこなしも只者じゃ無い感は出て居るから…後は品だな」


狼女「気を付ける…じゃぁミファ行こうか」


女盗賊「うん!!」スタタ


狼女「品か…こんな感じで良いか?」シャナリ シャナリ


ローグ「ま…まぁ…普通に歩こう…」



--------------


--------------


--------------




『フリゲート船』



ユラ~リ グググググ ギシ



女盗賊「出港!!」ビシ


学者「帆角はこんなもんで良いすかね?」フラ


ローグ「おいら…そろそろ寝る…」フラ


女盗賊「おっけー!!ここから先は普通の航路で進むから迷う事無い」


狼女「おいゲス!ミルクの檻でアンドロイドがなんであの女に化けてる?」


学者「あいやいや…箱舟の所でエリクサー漬けになってた人口皮膚が有ったじゃないすか」


狼女「それに交換したらあの女になったと言うのだな」


学者「そーっすね…アンドロイドはあの娼婦にすり替わるつもりだったんすよ」


狼女「そういう事か…」


学者「多分島から脱出するのを画策してたんだと思いやす」


狼女「あの女が殺されそうになったのも全部計画されてたと言う事だな…」


学者「多分そうっすね」


狼女「鼻無しの奴らから話を聞き出せれば良かったな…」


戦士「話を遮って済まないが…その鼻無しの連中は何処から大量の武器を仕入れて居るか知らないか?」


学者「ロストノーズっちゅう向こうの大陸の傭兵団なんすよ…昔から古代人を狙って活動していやすね」


戦士「古代人を狙う理由とかは?」


学者「いやぁ…その当時は電脳化の奴らとか言って追っかけまわしてたんすけど詳しい理由は良く知らんす」


狼女「雇い主がアナールという元貴族じゃなかったか?」


学者「そんな話もありやしたね…」


戦士「アナール…」トーイメ


学者「何か思い当たる事ありやす?」


戦士「いや…7年前にフィン・イッシュへ攻め込んで来たのがアナール率いるウ・クバ領の者達だったから…」


学者「知って居やすよ…その後アナールは亡命したとかなんすがどうなったんすかね?」


狼女「牢屋に入れられたんじゃ無いのか?」


戦士「フィン・イッシュの忍び達に捕らわれた筈…そしてどうなったのか…」


狼女「ミルクは知ってるぞ…アナールと言う奴は手足が全部機械だ」


学者「おっと?ほんじゃ手足動かすのになんか通信機みたいな物も頭部に埋め込んで居やすね…」


女盗賊「ねぇ…そんな通信機があるなら牢屋に入ってても何か指示が出来るのでは?」


学者「こりゃアンドロイドが動こうとしてた理由ってもしかして脱獄の幇助すかね?」ギラリ


女盗賊「可能性はありそう」


狼女「フィン・イッシュの忍びは悪い奴をなんで生かしてるんだ?」


戦士「その後が分からない…既に処刑されて居る可能性もある」


学者「ちっと探ってはみたいっすね…」


狼女「フィン・イッシュにカゲミが居るかも知れんのだったら帰りに寄って行くぞ」


学者「そーっすね…ハウ・アイ島に行く必要もなくなったんでそうしやすか」




『荷室_ミルクの檻』



カチャカチャ


なるほど…手足は全部外骨格だな…それで頑丈なのか


間接に全部マニピュレータが内臓されてる…これも頑丈な理由だ



学者「ココアさんどうっすか?何か発見ありやした?」


機工士「耐久性がすごい高い…キラーマシンとは全然違う」


学者「やたら重いんでそうだと思いやしたよ」


機工士「これ手足も人口皮膚が余ってるけど…手袋みたいに装着しても良いのかな?」


学者「どうしやしょうかね?」


機工士「誰か積荷の確認に入られた場合今のままだと言い逃れ出来ないと思う」


学者「ふむ…奴隷か何かに偽装っすか…」


機工士「ちょうど拘束もされてるし試してみたいな」


学者「ちっと心配なのが皮膚をエネルギーに使われる事なんすよね」


機工士「それもどの程度なのか知りたく無い?」


学者「確かにそうっすね…」


機工士「もう通信する部分はアンテナも外してあるから多分大丈夫」


学者「ほんじゃ残った人工皮膚は全部使っちまいやすかねぇ」


機工士「じゃぁ早速…」ゴソゴソ


学者「胴体のほうは中身確認しやした?」


機工士「殆どが動力ユニットかな…エネルギーを各所に分配する為の変圧器とかが入ってる」


学者「弱点とか分かりやせんか?」


機工士「やっぱり電気だね…制御部に過電流が流れるのに弱い…破壊するならプラズマが有効」


学者「今まで通りっすか…」


機工士「逆に弾丸には強い…多分爆弾も受け付けないだけの強度がある」


学者「火とかも表面しか焼けそうに無いっすね…」


機工士「あとは通信関係で弱点を探すしか無いかな」


学者「それってココアさんの得意分野っすか?」


機工士「まぁ…電子機器類は…」


学者「あと俺っちの部屋に集めてる謎の機械類で使えそうなのありやす?」


機工士「あ…全部に通信機と受信機が入ってるから部品取りしたい」


学者「何に使う物だったか分かりやす?」


機工士「う~ん…どうかな?武器類では無さそう…古代の計算機とかだと思う」


学者「なんだそんな感じっすか…」


機工士「部品単位で見たら使える物が沢山有るから改造した物が作れるかも知れない」


学者「例えばどんな物っすか?」


機工士「音声を記録するとか?」


学者「お?それも何かに使えそうっすね…」


機工士「そういう電子機器なら相談に乗れる…ただ今は部品が欲しい」


学者「分かりやした…謎の機械も邪魔だったんで全部バラして下せぇ」


機工士「よっし!!」


機工士「あ…そうそう…ボイラーの事だけど…」


学者「何でしょう?」


機工士「あまり停止させないでずっと動かしてた方が長持ちさせられる」


学者「ええ!?そうなんすか?」


機工士「温度差が何度も生じると金属が疲労して行くんだ…折角温度を一定に保つ機能が有るんだから動かしっぱなしが良い」


学者「ウラン結晶勿体無く無いすか?」


機工士「使わなかったエネルギーを回収する仕組みもある…温度上げ下げするよりよっぽど効率良い筈」


学者「そう言う事だったんすね…」


機工士「あとエネルギー回収出来る様になってるから魔石を充填するのも出来ると思う…少し改造が必要だけど」


学者「おおおお!!それ資金難にならんで済むんで改造出来るならやって欲しいっす」


機工士「こんな高性能なボイラーを海賊王が作れるなんて知らなかった」


学者「ミスリル銀の製法と同じ様に秘密にしてるんすよ」


機工士「電子機器類を使わないで作ってる所がスゴイ…簡単なバルブ操作だけだし」


学者「伝説の武器を作っちまうようなもっとスゴイ人も居るんすよ?」


機工士「へぇ…会ってみたいな…」



-------------


-------------


-------------




『数日後_漁村の島』



ガコン ギシギシ


桟橋付いたぁ!!


2時間で出港するから軽く調達して来て!




学者「ミルクちゃんも降りやす?」


狼女「当たり前だ…少し体を動かさんと眠たくなるだけだ」


学者「ミルクちゃん金貨どんだけ持って居やす?」


狼女「2枚だな…銀貨もあるぞ」


学者「ほんじゃ衣類はミルクちゃんに任せやすかね…」


狼女「アンドロイドに着せるやつか?」


学者「そーっす…ボロ着で良いんで調達して下せぇ…裸のままじゃ流石に積荷確認に入られたら怪しいんで」


狼女「ミルクの檻に入れてる時点でもう怪しいけどな」


学者「フーガ君!ちっとポーション売りに回りたいんで手伝って貰えやす?」


ローグ「あ…うん…」


学者「もしかしたら武器とかも売れるかも知れんので2~3本持って行きやしょう」


狼女「ワニと交換する話はどうなった?」


ローグ「え…あぁ…交換出来たら交換してくるよ…ハハ」アセ


狼女「ワニが居たら良いな…ミルクも槍を一本持って行くか…」


学者「バナナの木が見えてるんで買えそうっすよ?ミルクちゃんバナナ好きでしたよね?」


狼女「おおお!!バナナか!!しばらく食べてない…行くぞカルア!!」グイ


戦士「おっとっと…」


学者「2時間っすよ!?2時間で戻って来てくだせぇね?」





『漁村の広場』



ワイワイ ガヤガヤ


魚介類がメチャクチャ美味いから食って行ってくえぇ


フグの置物は要らんかね~



狼女「漁村と言っても結構人が居るな?」キョロ


戦士「ここはフィン・イッシュから魚介目当てで来る者も多い…まぁ歓楽地の一つだ」


狼女「フグの置物は何に使うんだ?」


戦士「風船になってる…アレの中に明かりを入れてランプ替わりにするんだ」


狼女「イランな…」


戦士「まぁ安いから一つ二つ買っても良いとは思う」


狼女「ええと…衣類を買うと言っても場違いな感じだな…売って無いぞ」キョロ


戦士「ゆっくり見回ろう…」



寄ってらっしゃい!見てらっしゃい!!


疾病退散のポーションっすよ!?お肌もつるっつるになりやすぜ?



狼女「ゲスも商売を始めたか…」


戦士「資金が無いとボヤいて居た」


狼女「むぅ…金になるお宝はミスリルの武器しか入手出来んかったな…」


戦士「俺は武器を持って居なかったから丁度良かった」


狼女「そうだ!カルアは黒曜石の矢尻があっただろう…ここで売ってみたらどうだ?」


戦士「んん?これか?」プラーン カチカチ


狼女「魔除けになるから売れるらしい」


戦士「まぁ俺も金が無いから売って見るか…」


狼女「ミルクはどうやって稼ぐかな…」


戦士「とりあえず先に衣類を調達した方が良い…」


狼女「そうだな…ちょっと走って見て来るからここでその矢尻でも売りさばいとけ」


戦士「迷子になるなよ?」


狼女「誰に言ってる?」ジロ


戦士「ハハ…要らない心配か」





『1時間後…』



ミスリルの槍は需要ありそうだよ…一本売れて金貨5枚だ


俺っちはポーション売り切ったんすが相場が低いんで儲からんすね…銀貨で70枚っす…



学者「おろろ?カルアさん…何なんすかその荷物…」


戦士「ハハ…フグの置物を沢山買わされてしまって…」


学者「えええ!?あれなんかやたら高く無かったっすか?」


戦士「黒曜石の矢尻を一つ売ろうと思ったらこうなってしまった…」


学者「あらら…」


戦士「でもココアが風船が欲しいと言ってたからね…無駄にはならない」


学者「何に使うんすかそんな物…」


戦士「風の魔石を使って空に飛ばすらしい」


学者「おっと?もしかして遠隔で飛ばせるとかそんな物作ろうとしていやす?」


戦士「そんな様な話をしていた」


学者「ほんじゃ火薬とか欲しくなりやすね…」


戦士「重たい物は飛ばせない様だけどね」


学者「あらら…そらちっと考えんとダメっすね」


戦士「毒を使えば良いみたいな話はしていたけどね…」


学者「毒…」


戦士「まぁ…まだ構想段階の様だよ」


学者「いや…確かに気球に対して何か出来る手段は欲しかったんすよね…でも毒っすか…ううむ」


戦士「ところでミルクは見て居ないか?」


ローグ「なんか何処かの女騎士と間違われて高い洋服売りつけられてたみたいだけど…」


戦士「それは何か事件が起きてしまいそうだ…」


学者「どうせ金貨2枚しか持って無いんで大した事無いっすよ」ハナホジー


戦士「しまったな…ミスリルの胸当てにミスリルの槍か…確かに何処かの騎士に見えてしまう」


ローグ「本人はまんざらでも無さそうだった…呼び戻して来る?」


学者「まだ1時間あるんで放って置きやしょう」


戦士「一度この荷物を船に置いてから探してみる」


学者「残りの黒曜石も売って置きやしょうか?」


戦士「そうして貰えると助かる…」プラーン カチカチ


学者「ほんじゃフーガ君!残りの武器も捌いちまいやすか!!」


ローグ「うぃーっす!!」



-------------


-------------


-------------




『フリゲート船』



ザブン ギシギシ



機工士「あ…戻って来たみたいだ」


女盗賊「時間ピッタリかな…ってあれ?ミルクの歩き方がおかしい…」


機工士「んん?」キョロ


女盗賊「威厳を気にしてるのかな…」


機工士「あんまり変わった感じ無い様に思うけど…」


女盗賊「まぁ良いや…もう碇を上げとこう」


機工士「お…俺が?」


女盗賊「他に居る?」


機工士「まぁ…碇ぐらい俺にも…」ドタドタ



ドタドタ



学者「もどりっすーー!!」


女盗賊「バナナ仕入れて来たんだね?」


学者「これ早く食わんと腐るんで食って下せぇ」


狼女「おい!!ミルクが先だ!!」シュタタ


学者「あれれ?威厳は何処行っちゃったんすか?」


狼女「もう誰も見てない…ずっと食べるのガマンしてたんだ」


学者「ナハハハ…なんかミルクちゃんに威厳ってのはムリっすねぇ…」


狼女「黙れ!他の奴らには威厳がある様に見えてるからバラすな」


女盗賊「何かそんな様な事有ったんだ?」


狼女「ミルクは異国の女騎士に見えてるみたいだな…はむっ!!」パク モグモグ


学者「異国の女騎士がバナナっすか…」


ローグ「まぁ…そのせいで無駄に高い洋服を売りつけられたみたいだけどね…ハハ」


狼女「ボロ着なんか何処にも売って無いぞ…ムシャムシャ」モグ


女盗賊「いくらしたの?」


狼女「金貨2枚だな…どうせミスリルの武器を売って儲かったんだからどうでも良い」モグモグ


学者「とりあえずゴールドラッシュ島の入船料は稼げたんで良かったっすよ」


女盗賊「桟橋使わせて貰う?」


学者「沖で停船しても良いんすけど面倒臭いっすよね?」


女盗賊「確かに…」


学者「変にコソコソしない方が疑われんで済むんで入船しやしょう」


女盗賊「分かった…じゃぁゴールドラッシュ島に向けて船を動かすね?」


学者「おなしゃす!!」


女盗賊「フーガとカルアさんは帆をお願い!!」


ローグ「うぃーっす!!」ドタドタ



-------------


-------------


-------------




『夜_甲板』



ナデナデ…



狼女「うなー」デローン


戦士「…」ウンザリ ナデナデ


学者「ちっとミルクちゃん…ちゃんと見張り出来んすかね?ガーゴイル飛んでるんすけど…」


狼女「放っとけ…どうせ近寄って来ん」



ガーゴイル「ギャーーース!!」バッサ バッサ



学者「アレを倒せたら角が売れるんすよ…てかポーションの材料にもなりやす」


狼女「じゃぁミルクにミスリルの胸当てを脱げと言ってるのか?」グター


学者「あぁぁ…近付いて来んのはそれが理由っすか…」


狼女「んん?」ムクリ クンクン


学者「やる気になりやした?」


狼女「血の匂いがするぞ…」


学者「とりあえず今飛んでるガーゴイルをっすね…」


狼女「なんかゴールドラッシュ島でマズい事が起こってそうだぞ?」


学者「ええ!?」


狼女「そっちの方角から匂う…その匂いに誘われてガーゴイルも来てるんだ」


戦士「もしかしたら…」トーイメ


学者「カルアさん何か知ってるんすか?」


戦士「反体制派が暴動を起こして居るのかも知れない…」


学者「フィン・イッシュ王権に対する反体制派っすか?」


戦士「まぁそうなるか…」


学者「どういう構成なのか知って居やす?」


戦士「元は商人ギルドだよ…現王権に変わってから商人ギルドが解体されたんだ」


学者「ちょいちょいちょい…商人ギルドってカゲミさんじゃ無いすか」


戦士「知り合いが居るのか?」


学者「知り合いも何もこれから行こうと思ってたんすよ」


狼女「カゲミが反体制派になってるってどういう事だ?」ズイ


戦士「取り引き先が豪族とか貴族崩れの者達だったという話で通じるか?」


学者「あたたたた…闇取引してたのを国が規制しただけっすね…」


戦士「まぁ詳しくは知らない…それでどういう構成か想像付くと思う」


狼女「カゲミが悪者になったか…」


学者「早い話豪族たちが暴れ回ってるかも知れんと言う事ですよ…」


戦士「俺も難癖付けられて酷い目に遭ったよ」


狼女「豪族は銃器を持ってるか?」


戦士「俺はそこまで知らん」


学者「持って無い訳無いっすよね…もしかしたらカゲミさんが取り引きしたのかも知れんす」


狼女「ふむ…やりそうだな…」


学者「なんか動きにくいっすね…」



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