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13.エース

『フリゲート船』



ユラーリ ギシ



女盗賊「どうしよう…スナイパーが居るスループ船だけプラズマの射程外保たれてる…」


戦士「3隻に囲まれてるか…」キョロ


女盗賊「気球を待ってるか…増援の船を待ってるか…」


戦士「一度引いてみては?」


女盗賊「キャラック船の方が狙撃される様になってしまう」


戦士「厄介だね…」


女盗賊「ココアさん機械いじりが得意なんでしょ?」


機工士「ま…まぁ…」


女盗賊「何か状況を打破出来る物作れない?」


機工士「あんな遠くの敵を狙う物なんか…」


女盗賊「キャラック船からの砲撃をアテにして少し下がってみるか…」


戦士「重装射撃砲は洋上だと800メートル程度だったか…」


女盗賊「観測主次第だって聞いた…昨夜の感じからして全然当たらないと思う」


戦士「ふむ…他の銃器を使わない理由は?」


女盗賊「300メートル以上は満足に当てられないから弾が無駄になる…それから手の内も見せたくない」


戦士「そうか…こういう場合陸戦ではアンブッシュを狙ったりするんだけどね」


女盗賊「アンブッシュ?」


戦士「伏兵だよ」


機工士「あ…手榴弾のピンを遠隔で抜く仕掛けなら作れるかも知れない」


女盗賊「どうやって?」


機工士「バネがあったから簡単な罠みたいな仕掛けが出来る…俺が持って来た宝物の中に遠隔操作用の装置もあるんだ」


女盗賊「遠隔操作用の装置って…何に使うつもりでそんな物を…」


機工士「坑道とかの岩盤を爆破する為の装置なんだ」


女盗賊「それを敵に拾わせる…と言う事ね?」


機工士「水に浮く板に旗でも付けて流して置けば確認に来るのでは?」


女盗賊「空の木箱が使えそう…どのくらいで作れる?」


機工士「10分くらいで出来る」


女盗賊「直ぐに作って」


機工士「やっと俺も役に立てるか…作って来る」ダダ



ターン! カン!!



機工士「うわっ!!」


女盗賊「狙撃気を付けてって何度も言ってるのに…」


戦士「向こうも一発では当てられない様だね」


女盗賊「お互い船が揺れてるから…もし気球が来てしまったら本当に危険」


戦士「次は空の対処法も考えておかなければいけないのか…」


女盗賊「やっぱりスナイパーライフルに対抗できる武器が欲しい…」


戦士「風船を遠隔操作出来ないかね?」


女盗賊「ハッ!!そんな手が…」



-------------


-------------


-------------




『監視所_簡易キャンプ』



タッタッタ



ローグ「ハァハァ…ゲスさんエリクサー持って来た!」


学者「うほほ…早かったっすね?」


ローグ「小さな樽で一杯分…十分だよね?」


学者「まだ残って居やした?」


ローグ「もう一回分くらいは残ってる」


学者「ゲリラ戦長引くとまた必要になるかもっす…とりあえずは足りてるんで今は良いっす」


ローグ「ふぅ疲れた…ミルクは?」キョロ


学者「麻痺毒のせいで膝が動かんくなったんで建屋の中に入って貰いやした…仮眠取ってるかも知れんすね」


ローグ「それなら安心だ…おいら軽く見回って民兵の援護してくる」


学者「弾丸足りてやす?」


ローグ「あと30発くらい」


学者「俺っちはまだ100発以上残ってるんで半分使って下せぇ」ガチャ


ローグ「ありがとう…やっぱり継続戦闘力は差が出るね」


学者「そーっすね…まぁバヨネッタMK-2も軽いんでスタミナ消費しない分まだフーガ君が動けてるってのも有るんすよ?」


ローグ「あぁ…違った意味での継続力か…」


学者「重さが全然違いやすからね…戦闘継続力が重要なんで他の民兵にもムリさせんで休憩を促して下せぇ」


ローグ「分かった」


学者「そろそろダレて来て怪我人が増えるんすよ」


ローグ「じゃぁゲスさんが忙しくなる」


学者「衛生兵ポジションはしゃーないっす…あ!そうそう…敵も塹壕作って戦い始めるんで深追いせん様に言い聞かせてくだせえね?」


ローグ「敵の水切れを狙ってるから大丈夫だと思う」


学者「そーっすか…ほんじゃ俺っちは例の古代人を治療しやすかねぇ」


ローグ「おいら見回ってくる!」タッタッタ





『瀕死の古代人』



やっぱ呼吸が浅いんで肺に溜まった血が砂になってそうっすね…


エリクサー吸引させて洗い流した方が良いかも知れんのですが…


結構な荒治療になっちやいやす…まぁでも砂を排出させんとイカンので…



古代人の女「ゴポ…ゴポゴポ…」グッタリ


学者「おりゃぁ!!」グイ


古代人の女「ゲェェェ…」ザラザラ


学者「あららら…砂っちゅうか石も混じっとるじゃないすか…」


古代人の女「…」グター


学者「こりゃ何回かやらんとダメっすね…エリクサー勿体無いんすが…」トクトク


古代人の女「ゴポゴポ…」


学者「もういっちょ!!」グイ


古代人の女「ウゲェェェ…」ザラザラ



シュタタタ



狼女「おいゲス!!何やってる!!」ジロリ


学者「お?ミルクちゃんもちっと手伝って下せぇ」


狼女「怪我人だぞ?そん逆さまにして良いのか?」


学者「砂を吐き出させてるんすよ…虐めてるとかそんなんじゃ無いっす」


狼女「もっと丁寧にやれ…それからなんで下半身が裸なんだ?」


学者「いやいやこれも砂を排出させるのに必要な処置なんす…自分で排尿出来んのでいろんな管を入れてるんすよ」


狼女「せめて隠す所は隠せ」


学者「分かって居やすよ…ほんで済まんのですが手伝って欲しいっす」


狼女「何する?」


学者「吐き出したエリクサーが勿体無いんで容器で回収したいっす」


狼女「水が入ってる器で良いか?」


学者「まぁそれでも良いっす…」


狼女「どうやる?」


学者「口と鼻からエリクサーと砂が出て来るんで全部その器で受け取って下せぇ」


狼女「ふむ…簡単だな」


学者「ほんじゃもっかい行きやすよ?」



------------


------------


------------




『10分後…』



スゥゥゥゥ ハーーー



学者「よしよし…肺が膨らんでいやすね…」


古代人の女「…」クター


学者「もうちょい人工呼吸続けやすか…」


狼女「助かりそうか?」


学者「どうっすかね?結構石化進んでるみたいなんで分からんす」


狼女「ミファが瀕死の時は2カ月くらいで良くなった」


学者「エリクサーを血液の代わりにしてどんなんなるか俺っちには分からんすね」


狼女「でも今息してるだろう」


学者「血液じゃないんで酸素をどうやって供給してるのかも分からんす…てかなんで生きてるのか不思議っすよ」



タッタッタ



男「おーい!!」


学者「お?どうっすか?怪我人の処置は上手く行って居やす?」


男「あぁ…言われた通りエリクサーを一口飲ませて止血でどうにか凌いでる」


学者「輸血の方も順調っすかね?」


男「俺は良く分からんが出来る奴がやってくれてる…それよりこの女は大丈夫だろうな?」


学者「出来る事はやった感じっすね」


男「ふぅ…良かった」


学者「俺っちもこの人に掛かりっきりって訳に行かんのでちっと看護して貰えやす?」


男「お…俺がか?」


狼女「ゲス…無理だぞ」


学者「これもしかして足止め食らっちまいやすかね?」


狼女「意識が回復するまでだな…どうせミルク達はアランの隠れ家に戻るだけだろう?」


学者「そう言われちゃそうなんすが…」


狼女「なんで鼻無しの奴らが攻めて来てるとか気にならんのか?」


学者「あんま関わると危ないだけなんすよね…」


男「その話…少しだけ分かるぞ?」


学者「おっと?あんた誰なんすか?」


男「俺は沖に停泊してるキャラック船から降りて来た雇われの大工だ」


学者「ほーん…ほんで大工さんがなんでそんな情報知ってるんすかね?」


大工「俺達の雇い主は旧セントラルの貴族なんだ…毛並みが違うからお前達の言う古代人だというのは薄々知ってた」



この女も毛並みが違うから雇い主と関係が深いのも察した


それで鼻無しのヤロウ共が襲って来たのは古代人が持ってる何かの宝が狙いらしい


もしかしたら俺らが乗ってたキャラック船に乗ってたのかも知れん



学者「宝っすか…」---箱舟?---


狼女「鼻無しの奴らを雇ったのは誰なんだろうな?」


大工「噂だと機械に操られてるんじゃないかと言われてる」


学者「それ何か証拠みたいなの有るんすか?」


大工「只の噂だ…俺は知らん」


狼女「ゲス…もしR2みたいなのが他に居たら可能かも知れんな」


大工「R2?」


学者「いやいやこっちの話なんで忘れて下せぇ」---なーんかおかしいっすね---



ロストノーズがそもそも何を目的にしてたのかボヤけた感じ…


古代人を狙うだけの目的でこんな大規模に動きやすかね?


宝が何なのか分からんのですが…それを手に入れて何するつもりなのか…


イマイチ全部ボヤけてる感じがしやす


あれ?


もしかしてアンドロイド自身が島からの脱出を画策してた?


エリクサーの中に漂ってた皮膚はその為の準備だった…


人間達を上手くアナログハックして動かしてる?


ほんで俺っち達が島の外に連れ出す…全部計画されてる?


いやマテマテ…全部空論なんで落ち着いて情報収集せんとイカンす



狼女「ゲス…聞いてるのか?」


学者「あ…済まんす考え事して居やした…何でしたっけ?」


大工「どうやって看護すれば良いか聞いてるんだが…」


学者「てか女性なんで看護も女性が良いんすが…」


大工「おおう確かに…探して来るから待っててくれ」タッタッタ






『夕方_監視所周辺』



ザワザワ


夜襲に備えて今仮眠しておけ


誰か建材積んで遮蔽物を作ってくれぇ!!




学者「民兵で戦えそうなのが15人って所っすか…厳しいっすね…」


狼女「敵は水が無い筈だ…今晩凌げば勝ちだな」


学者「いやいや甘いっす…海水を蒸留すればなんとか水は作れやす…ほんでこの間雨が降ってるんでどっかに水溜まりも有る筈っス」


狼女「じゃぁまだまだ長引くか…」


学者「弾切れするまでっすね…肉壁で怪我人出しながら弾を消費させるんすよ」



タッタッタ



ローグ「ゲスさん!!おいらも少し仮眠をとる」


学者「ちっと最後にひと働きお願いしやす」


ローグ「何だろう?」


学者「エリクサー足りんくなりそうっす」


ローグ「あぁ…もう一回箱舟まで往復か…」


学者「あともう一つ…エリクサーの中で漂ってた皮膚がありやしたよね?」


ローグ「それも持って帰って来る?」


学者「おなしゃす…ちっと調べたい事が出来たんす」


ローグ「分かった…行って来る」タッタッタ


狼女「フーガはあれから一睡もしてないぞ?」


学者「戦場はそんなもんす…まだ極限状態じゃないんで良い方っス」


狼女「そうか…ミルクは休めた分ラクしてるな」


学者「夜襲は敵の位置を把握するのが重要なんでヘッドギアを上手く使って索敵して下せぇ」


狼女「分かってる」


学者「ほんでチームプレイで敵の弾を消費させるんで突出するのはダメっす…一人怪我するだけで一気に士気下がるんで」


狼女「ワイヤー機動はダメだと言ってるか?」


学者「相手も馬鹿じゃ無いんで後方を狙って来るんすよ…てか向こうも暗視メガネくらい持ってる筈なんで手強い筈っす」


狼女「そう言う事か…こっちは3人だけだな」


学者「上手く立ち回って下せぇ」---やっぱりエースはミルクちゃんじゃ無くてフーガ君すね---



---こういう時はハイディングしながら一人づつ処理して行くのが重要なんすよ---


---ミルクちゃんは囮---


---弾に当たらんでくだせぇよ?---




『夜』



ふぁぁぁあ…



学者「静かなもんすね…」ゴシゴシ


ローグ「ミルク…匂いで敵の位置とか分からない?」


狼女「こっちが風上で良く分からんな」


学者「ミファさん達が元の位置に戻ってるんで俺っちはカルアさんと交代してきやす」


狼女「小舟無いぞ?」


学者「その辺の小舟使ったって誰も文句言わんすよ」


狼女「カルアに戦えるか?」


学者「もともと兵隊なんで俺っちより役に立つかも知れんす」


狼女「まぁ良いか…」


ローグ「ゲスさんが船に戻る理由って人口皮膚を調べる為?」


学者「その通りっス…なんで人工皮膚が石化しないでアンドロイドに張り付いてるのとか色々気になってるんす」


学者「あと万が一アンドロイドが動き出した時の為に檻の中に入れときたいんすよ」


ローグ「あれ?完全放電したんじゃ?」


学者「一応の備えっすね…どうもまだ死んだフリしてる様な気がしてならんくてですね…」


狼女「早く交代して来い…背中がムズムズして来た」


学者「ほんじゃ一回戻りやすね?」ヨッコラ



-------------


-------------


-------------





『フリゲート船』



ギシギシ ザブン



学者「ふぃぃ…手漕ぎの小舟だとしんどいっすね…」ドター


女盗賊「ゲス!!心配してた…向こうの様子は?」


学者「なんとか凌いでいやすね…こっちは敵の増援とかどうなんすか?」


女盗賊「あと敵のスループ船が2隻遠くで救助に動いてるみたい…」


学者「救助?」


女盗賊「海に飛び込んだ人を救助してる」


学者「海の様子が良く分からんかったんすけど結構な数が来てたんすよね?」


女盗賊「スクーナー4隻とスループ船は2隻沈んだ」


学者「うは…浅瀬に突っ込んで来たガレー船と合わせてやっぱ本気攻めだったんすね」


女盗賊「まだ引いて行かないから気球とか来るのを警戒してる」


学者「ほんじゃスループ船は例の如くスナイパーが乗ってる感じっすね?」


女盗賊「うん…常にこっちの射程外」


学者「大体状況把握しやした」


女盗賊「ゲスだけ戻って来てるのはどうして?」


学者「ちっとカルアさんと交代したいっす」


戦士「んん?俺が?」


学者「ミルクちゃんが落ち付かんので背中撫でで突出させん役っすね」


戦士「ハハ…」アセ


学者「まぁ…今戦闘して無いんで何もやる事無いっすよ」


戦士「では小舟で島に行けば良いのだな?」


学者「一応バヨネッタMK-2は持って行って下せぇ」


戦士「分かった…早速向かう」ドタドタ


学者「さて…アンドロイドは何処に行きやしたかね?」


女盗賊「荷室に入れて今ココアさんが何か調べてる」


学者「分かりやした…俺っちも荷室に入るんで済まんすけどミファさんは見張り役をおなしゃす」


女盗賊「大丈夫!任せて」




『荷室』



カチャカチャ パカ



機工士「おお…ここが開くのか…」ブツブツ


学者「ココアさん!ちっとそのアンドロイド危ないんで檻の中に運びやす」


機工士「ええ!?危ない?」


学者「いつ動き出すか分からんすよ?運ぶの手伝ってくだせぇ」


機工士「わ…分かった…」


学者「結構重いんすよね…行きやすよ?せ~の!!」グイ


機工士「100キロは無いくらい…かな?」ヨロ


学者「80ぐらいじゃないすかね…」ヨタヨタ


機工士「人工皮膚の部分が不思議で切れ目が合わさると又繋がるんだ…こんなの初めて見た」


学者「皮膚の部分だけホムンクルス生体っすね…金属と同化してるみたいなんで調べたかったんすよ」


機工士「同化?」


学者「張り付いてるって言うか…まぁ剥がすとどうなっちまうとか気になったんす」


機工士「下ろして良いか?」


学者「一応手足の拘束もおなしゃす」


機工士「囚人の様だ…」ガチャリ


学者「ふぅ…これミルクちゃんが暴れた時用の拘束具なんすよね」ガチャリ


機工士「どんな暴れ方をするんだか…」


学者「さて…ちっと顔の部分の皮膚を剥がしやすかね…」


機工士「勿体無い気もするけど…」


学者「あと左耳の後ろあたりに通信機が有る筈なんすよ…そいつを外したいっすね」


機工士「それは見て見たい」


学者「教えてあげるんで良く見てて下せぇ…とりあえず皮膚を剥がして行きやす」スラーン


機工士「なんか見たくない光景だ…」


学者「よーく見てて下せぇ…」



スパ! メリメリ



アンドロイド「…」クター


学者「なんか本物の皮を剥いでるみたいな感じっすね…筋肉にあたる物は無さそうっすか…」メリメリ


機工士「分解は特殊な工具が必要みたいだ」


学者「ココアさん持って居やす?」


機工士「ある!持って来る」


学者「おなしゃす!」




『数分後』



タッタッタ



機工士「工具セットを持って来た」ドサリ


学者「これ見て下せぇ…左耳の後ろっす」


機工士「あ…どの部分が通信機?」


学者「俺っち細かい事良く分からんのでこのユニットごといつも外してるんすよ…ココアさん何が何とか分かりやす?」


機工士「あぁ…細かいな…」


学者「これ後で売り物になるんであんま壊したく無いんすよね」


機工士「少し分解しても?アンテナの部分を探したい」


学者「元に戻らんような分解は無しっすよ?」


機工士「分かってる」


学者「じゃぁお願いしやしょうかね…」


機工士「よーし…」



多分フィルムアンテナが有る筈…有った有った…


やっぱり金属が露出してる耳の後ろか…2つ有りそうだな…


ええと…繋がってる先は…お?


多分これが受信機だな…これはこれで使えそうだぞ?



学者「分かりやした?」


機工士「ここが受信機で間違いない…どんな水晶発振器が入ってるのか分解したい」


学者「ほんじゃその部分はココアさんが使って下せぇ」


機工士「フィルムアンテナも貰って良いかな?」


学者「アンドロイドが通信しなくなるんだったらそれで良いっす」


機工士「じゃぁ貰う…外すよ?」


学者「ちょい待って下せぇ…様子を観察しやす」スチャ


機工士「ん?そのゴーグルは?」


学者「エネルギー密度が目視できるゴーグルなんす」


機工士「おおお!そっちも気になる」


学者「これは後で良いっす…まずアンドロイドから受信機を外して下せぇ」


機工士「分かった…」カチャカチャ


学者「ふむふむ…」


機工士「何か分かるか?」


学者「どうやらアンドロイドはサブエネルギーとして皮膚からエネルギーを得て居やすね…」


機工士「通信に使ってる?」


学者「通信っちゅうか左耳の所のAIユニットだと思いやす…かなり少ないエネルギーでも動くんじゃないかと」


機工士「よし!通信機は取れた」カチャ


学者「ううむ…抵抗するかと思ったんすが何も反応無しっすねぇ…」


機工士「あ…静電気除去用のCMOSスイッチ有ったから押したのまずかったかな?」


学者「どういう事っすか?」


機工士「普通の機械なら再起動してしまう」


学者「おっと?ほんじゃ今再起動中だった感じっすか?」


機工士「どのくらい時間掛かるか分からないけど…その筈」


学者「まぁ…しゃぁ無いっすね…ほんでちっと聞きたいんすが通信を妨害とか出来んすか?」


機工士「それは受信機を分解してみないと分からない」


学者「そういう視点で調べて見て下せぇ…機械の通信を妨害出来ればかなり有利になると思いやす」


機工士「分かった…」


学者「あともう一つ調べたい事が…」ゴソゴソ


機工士「んん?それは?」


学者「交換用の皮膚っすね…ちっと顔の部分を確認したいんす」デローン


機工士「おお!?」


学者「どんな風に張り付くのかも観察っす」ペタ


機工士「同じ顔では無い?」


学者「お楽しみっすよ?…誰になるんすかねぇ」ビチャ



アンドロイド「…」クター



機工士「この顔は…」アゼン


学者「やっぱりそう来やしたか…この顔は島に居る娼婦の顔っすね…」


機工士「どういう事だ?」


学者「このアンドロイドは通信を使って大衆扇動してたんすよ…ほんでどさくさに紛れて娼婦の女にすり替わる…」


機工士「な…何のために…」


学者「移動っすね…その準備が整い始めてたんす」


機工士「信じられない…」


学者「このアンドロイドを見てどう思いやす?こんなのが島に隠れてたんすよ?」


機工士「こいつが毒ガスを撒いた犯人?」


学者「ココアさんの仲間に毒ガスを浴びせたのは多分このアンドロイドっすね…」


機工士「そういう事だったのか…」


学者「さて…それが分かったら此処に長居するのはマズいっすねぇ…」


機工士「もしかして通信でまた誰かを扇動してる…とか?」


学者「その通りっス…指名手配みたいな事になってる可能性もありやす…これが機械の戦い方なんすよ」


学者「しかし…アンドロイドが単独で動いて何をする気だったんすかねぇ…」





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