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12.襲撃



『荷車を隠した窪み』



ガラガラ ガチャ



ローグ「網を被せるよ…これで落ちない」バサ


学者「完璧なお宝さがしでしたねぇ…うひひひ」


ローグ「あとは見つからないで船まで戻れれば…」


学者「地図を無くしちまったんすが毒が滞留してる場所とか覚えていやす?」


ローグ「覚えてない…」


学者「まぁ基本的に低い所へ行かにゃ良いだけなんすが…」


狼女「ミルクが先導しても良いのか?」


学者「万が一もあるんでミルクちゃんは荷車に乗って貰えやす?」


狼女「どういう意味で言ってる?」ジロ


学者「いやいや…アンドロイドが目を覚ますかもしれんので魔石銃を狙ってて欲しいんすよ…なはは」


狼女「なんか引っかかるけどまぁ良いか…」ピョン シュタ


学者「ほんじゃ移動しやすかねぇ…」


狼女「このアンドロイドは背中が光るんだな?」


学者「それ多分エネルギーがある場所っすね」


狼女「光るのは魔石だけじゃ無いという事か」


学者「魔石っちゅうかエネルギー密度が見えてるっぽいすね…なんでうっすらミルクちゃんも光ってるんすよ」


ローグ「あれ?そういえばそうだね…」


学者「この機能があれば隠れてる人を見つけるのも簡単っす…遮蔽物透過するみたいなんで」


ローグ「今の所周囲に人は居ないな…」キョロ


学者「ちっと探知距離を調べたいっすよね?」


ローグ「移動しながら調べようか」


学者「俺っちが荷車引くんでフーガ君押して下せぇ」


ローグ「アイサー!!」




『荷車』



ゴトゴト ゴトゴト



学者「ミルクちゃん暇そうなんで包帯に消毒液染み込ませて拾った武器とか消毒して貰って良いすか?」


狼女「面倒くさい…」


学者「それやっとかんとVXガス触って手を切り落とすとかなっちまいやすぜ?」


狼女「ぐぬぬ…」


学者「何処で浴びてるか分からんのでミルクちゃんの装備品ももう一回消毒した方が良いっす」


狼女「それをやらせるつもりでミルクを荷車に乗せたな?」


学者「まぁまぁ…一番大事なのはミルクちゃんなんすよ」


狼女「その手は食わんぞ」


学者「ちっと聞いて下せぇ…このまま監視所を通過して船に戻るのはムリな気がしやす」


狼女「だから何だ?」


学者「先にミルクちゃんだけ戻って船を移動させて欲しいんすよ」


狼女「それでミルクだけ消毒してるのか…ふむ…それでどうする?」


学者「ここから東の海で待ってるんでそこで合流っす」


ローグ「待って…海まで出るなら断崖を降りる必要が有ると思う」


学者「断崖の下に降りやす…ワイヤー使えば簡単っすよ」


ローグ「あ…そういう事か…」


学者「あと早くアンドロイドを海に沈めときたいんすよね」



ウィーン バタバタ モゾモゾ



狼女「うわっ!!動き出した!!」


アンドロイド「…」プシュー モゾモゾ


学者「ナハハハ…やっぱ死んだフリしていやしたか…ミルクちゃん一発かましてやって下せぇ」


狼女「コイツ気持ち悪いな…」チャキリ



ビビビビ ビリビリ



アンドロイド「…」プシュー ピクピク


ローグ「ゲスさんいつから気付いてたの?」


学者「荷車に乗せてた姿勢が変わってたからっすね…てかキラーポッドも死んだフリするんすよ」


狼女「自爆するかも知れんだろう」


学者「いや…このアンドロイドは自爆出来やせん…プラズマ銃を取り上げた時点でそれが出来んくなってるんす」



ドロイドが自爆する時は基本的に武器も一緒に破壊するようになってるんすよ


エネルギー兵器持ってるタイプのドロイドは爆発の仕組みがプラズマなんす



学者「エネルギーをプラズマ化出来るマニピュレータ失った時点でもう自爆は出来んす」


ローグ「凄いな…実戦経験あるとそんな事まで知ってるんだ…」


学者「自爆させない様に戦わないと武器入手出来ないっすからね…苦労するんすよ」


狼女「また目を覚ます事考えたら魔石銃は置いて行った方が良いな」


学者「ミルクちゃん武器無くなるんじゃないすか?」


狼女「走って船に戻るだけで武器は要らんぞ」


学者「まぁそうっすね…フーガ君が持っといて下せぇ」


狼女「じゃぁ行って来るな?多分30分も掛からん」ピョン シュタ


学者「ほんじゃ東に向かいやすかぁ!!」ゴトゴト





『断崖』



ヒュゥゥ…



学者「10メートルそこらって感じすかね…荷車ごと落とした方が早いかも知れんす」


ローグ「それだと荷車が使えなくなっちゃうけど…」


学者「もう要らんすよ…ちっと待つ事になりそうなんで薪にでもしやしょう」


ローグ「じゃぁこのまま落としちゃうよ?」


学者「行っちゃって下せぇ」


ローグ「よいしょ!!」グイ



ピュー ガラガラ ドッシャーン



学者「ナハハハ」


ローグ「あ~あ…武器が傷んで無ければ良いけど…」


学者「フーガ君のワイヤー装置は動きやす?」


ローグ「多分大丈夫…」


学者「じゃぁ居りやすぜ?」シュルシュル


ローグ「おいらも…」シュルシュル



--------------


--------------


--------------




『断崖の下』



ザック ザック



学者「これ潮が満ちて来ると砂浜無くなっちまいやすね…」キョロ


ローグ「荷車の残骸集めとかないと湿っちゃうな…」


学者「フーガ君は焚火焚いて貰えやす?」


ローグ「うぃっす!!」


学者「海に入っちゃダメっすよ?今からちっと放電祭りやるんで…」


ローグ「放電?」


学者「このアンドロイドはチャンス見て逃げようとしてたんす…海に放り込んだらエネルギー放電してもう動かんす」


ローグ「あぁ…それでさっき急に動き出したのか…」


学者「最後のあがきっすね…さっさとやらんとどっからミサイル飛んで来るか分からんので今すぐやりやす」ヨッコラ


ローグ「ミサイルが飛んで来る…」


学者「ふんがぁ!!」ポイ



ボチャーン!!


ビビビ ビリビリ ビビビビビ



学者「なんか人の形してるんで気味悪いっすね…」


ローグ「どのくらい掛かる?」


学者「10分とか20分くらいすか…まぁ放っといて焚火でもしやしょう」


ローグ「おいらやるからゲスさん武器を集めて」


学者「おっと…大事な収入源すね…」ガチャ





『焚火』



メラメラ パチ



学者「今の内に装備品とか消毒しといて下せぇね…」フキフキ


ローグ「念入りだね…」


学者「他の人が毒に曝されるかも知れんので念には念をっす…」


ローグ「ちょっと消毒液が足りないかも知れない…」フキフキ


学者「水で希釈しても大丈夫っす」


ローグ「そうか…」


学者「あとアンドロイドを縛ったロープとかも捨てて行きやしょう」


ローグ「もう解いて大丈夫?」


学者「エネルギーは完全放電しやした…てかこのアンドロイドもしっかり消毒せんとダメっすね」


ローグ「ロープ外すね?」ゴソゴソ



グルグル グルグル



ローグ「手足だけ機械が露出してるのってなんでだろう?」


学者「皮膚に痛覚がないから武器使ったりして痛んじゃうんじゃないすかね?」


ローグ「ホムンクルスの皮膚なのに石化しないのは?」


学者「エリクサー漬けになってるからだと思いやす」


ローグ「あぁ…なるほど…」フキフキ


学者「これ良く見たら陰部の所とか本物みたいっすね…」フキフキ


ローグ「ゲスさんそこばっかり拭いてる?」


学者「ナハハ…バレやしたか」


ローグ「こんなのが町の中歩いてたら分からないよね」


学者「いやぁ…それマジで心配っすよ」


ローグ「でもイッコさんみたいに表情動かないから直ぐに分かる気もするな…」


学者「いやぁ…遠目には見分け付かんすよ…これ」


ローグ「口の中に入れてる包帯も取っちゃて良い?」


学者「そうっすね…中身確認して見やすか」


ローグ「うわ…歯まで揃ってる…」


学者「ふむふむ…怪しい射出口とかは見当たらんすね…」ジロジロ


ローグ「口から毒を吐く訳では無さそうだね」


学者「顎は動くんで何か咥えて手の代わりに使うとかそんな感じに思いやす」


ローグ「手?」


学者「可動部と言えば分かりやす?」


ローグ「そう言う事か…でもどうしてこんなに人間に似せる必要が有ったんだろう?」


学者「これ元々戦闘用じゃなくてお手伝いロボなんだと思いやすよ?」


ローグ「機械のままだと気持ち悪いのかな?」


学者「それなりに若い女の姿してた方が癒されやすよね?」


ローグ「ふーん…」


学者「良く見ると人間よりも大分可動部少ないっすわ…」


ローグ「うん…顎も単純に上下するだけかな」


学者「その分強度が高いって事なんで戦闘用になれたのかも知れんす」


ローグ「中身はどうなってるんだろう?」


学者「なんか分解したくなりやすね…とりあえず今陰部の中がどうなってるのか調べやす…ムフフ」


ローグ「…」シラー



ドーン ドーン ドドドーン ドドーン



学者「ええ!?」ガバ


ローグ「大砲?」


学者「これマズいっすね…こっからじゃ確認出来んのでちっと断崖登って見て来やす」パシュン シュルシュル



ドドーン ズドドドーン ドーン





『断崖の上』



パシュン シュルシュル シュタ



学者「フーガ君も来やしたか…」


ローグ「何が起こってる?」キョロ


学者「キャラック船が沖に向けて大砲撃ちまくっていやす…」


ローグ「おいらも見たい…望遠鏡貸して」


学者「あれ?ガレー船が有るじゃないすか…」


ローグ「おいら達の船は?」


学者「見当たらんす」


ローグ「これもしかして海賊に襲われてる?」


学者「いやぁ…いくら海賊でも高火力のキャラック船2隻を襲うのは考えにくいんすけど…」



ターン! タターン! ターン!



ローグ「銃声…」


学者「この音はアサルトライフル…」ギラリ


ローグ「マズくない?コレ…」


学者「どうやらガチでキャラック船の物資奪いに来て居やすね…どっかの傭兵団が来て居やすよ?」


ローグ「島に銃器持ってる人が殆どいない…制圧されてしまう」


学者「民兵は盾持ってたんで建屋に籠城すればしばら耐えやす…でも時間の問題っすね…」


ローグ「どうするの?」


学者「どうするも何もミルクちゃん達と合流せんと何も決められんす」


ローグ「船が見当たらない…何処に?」キョロ


学者「あれ?反対側から…もしかして島をグルっと回って来て居やす?」


ローグ「あぁ良かった…」ホッ


学者「まず合流しやしょう…断崖降りやすよ?」シュルシュル




『小舟』



ユラユラ



狼女「早く乗せろ!」


学者「よいしょ!!」ドサ


アンドロイド「…」クター


ローグ「これは戦利品の武器…」ガチャガチャ


学者「なんでカルアさんまで小舟に乗ってるんすか?」


戦士「んん?船に戻る為だが?」


狼女「おいフーガ!ウラン結晶も置いていけ」


ローグ「え?まぁおいらが持って行くよ」


狼女「邪魔になる…置いて行け」


ローグ「あれ?もしかしてミルク…監視所の方に行くつもり?」


狼女「当たり前だ…襲って来てるのは鼻無しの奴らだぞ?」


学者「ちょちょ…まさかロストノーズ…」


狼女「何回も言わせるな」


学者「待って下せぇ…向こうは戦闘のプロっす…」


狼女「だから何だ?戦ってる民兵達を見て見ぬ振りするのか?」


学者「いやそんな気は無いっすけどこっちは戦力不足っすよ」


狼女「鼻無しの奴らが狙ってるのは多分娼婦をしている古代人だ…あの女は悪い奴じゃ無い」


学者「そんな事言ってもっすね…」


狼女「それから怪我人もいっぱい出る…ゲスが治療しないと死ぬぞ」


ローグ「ゲスさん…おいらもミルクの意見に賛成だよ…おいら達は戦える武器を持ってる」


戦士「俺から言うのもなんだが相手はこれから略奪を狙ってる…戦える能力が有るのに逃げるのは道理に反する」


学者「ぬぁぁ…しゃーないすね…残弾確認して下せぇ!!」


ローグ「バヨネッタがあと50発くらい…主榴弾2つ…デリンジャー4発…」


狼女「ミルクは魔石銃だ…替えの魔石は沢山ある」


学者「ミルクちゃんはワイヤー機動戦闘行けやすね?」


狼女「任せろ」


学者「俺っちは援護に回りやす…フーガ君は隠密からの仕掛け狙って下せぇ」


ローグ「うぃっす!!」


学者「ヘッドギア上手く使って下せぇよ?」


戦士「海の方は俺達に任せろ…相手は強襲揚陸を目指して居るからそこを叩く」


狼女「じゃぁミルクが先頭行くぞ?遅れるな?」パシュン シュルシュル



---------------


---------------


---------------



『フリゲート船』



ユラ~リ ググググ



女盗賊「ココアさんヘッドセイル畳んで!…速度落とす」


機工士「畳む?緩めるんじゃ無くて?」


女盗賊「緩めるだけでも良い」


機工士「分かった…」ドタドタ


女盗賊「よしスクーナーの背後に回れてる…そろそろ射程に入るからプラズマ当てて行って」


戦士「暗いな…」


女盗賊「1発撃って2発目で修正すれば当たる」


戦士「クロスボウと同じか…」


女盗賊「向こうは一発も大砲撃って無いから完全にライフルを使った強襲が狙い…」


女盗賊「キャラック船に取り付く前に沈めてしまえばこちらの勝ち…」


戦士「撃つぞ?」


女盗賊「私も撃って行く…」



ピカーーーーー チュドーーーン!!


ピカーーーーー チュドーーーン!!



戦士「当たった…」ボーゼン


女盗賊「これで他の船も気付いた…多分慌てる」


戦士「どうすると思う?」


女盗賊「プラズマを持って居れば応射でこちらを狙って来る…でもこっちには避雷針がある」


戦士「寄せて来るのを待って迎撃…だな?」


女盗賊「射程に入ったら教えるから盾に隠れて狙撃に備えて」


戦士「フフ…慣れなのか…センスなのか…なかなかやる…」


女盗賊「ココアさん盾に隠れてて!!」


機工士「でもまだヘッドセイルが…」



ターン カン!!



女盗賊「狙われてる!!早く!!」


機工士「え!!?」アタフタ


女盗賊「モタモタしないで!死にたいの!?」


戦士「ココア言う事を聞け!これは今の時代の戦い方だ!ここは戦場だ!!」


機工士「あわわわ…」ドタドタ


女盗賊「防弾装備も着て居無いから一発当たったら死ぬと思って!」


機工士「わ…悪い…甘く考えてた」


女盗賊「スナイパーはこっちの射程を計算しながら動くから遠くに居るからといって気を抜かないで」


戦士「こっちに応射出来る武器は?」


女盗賊「無い…スナイパーだけはどうしようもないから盾から出ないで」


戦士「それで盾に一部窓が空いてプラズマを撃てるようにしてるのか…」


女盗賊「向こうのスクーナーが回頭してる…この船を狙って来るから備えて」


戦士「済まん…俺には暗くてまだ見えない」


機工士「お前達はいつもこんな戦いを?」ブルブル


女盗賊「これでどうして重装備なのか理解した?」


機工士「まだ見えて居ないのに…」



ドーン ドドドーン ドドーン



女盗賊「よし…向こうはキャラック船とこの船に挟まれた形だからこのまま行ける…」



--------------


--------------


--------------





『硫黄島_監視所』



ターン! タターン!



早え…


情報と違う!なんで機動隊がここに居やがる…


人数確認できるか?


分からん!!あっちはステルス使ってる奴も居る!!


くそう!!飛び回ってる奴は女だぞ


あ…あれがアイリーンなの…か?


撤退だ…ワイヤー機動使われない様に浜辺の方まで走れ!!


それじゃ他の奴に狙い撃ちされる…


良いから下がれ!!泳いで後方と合流する!!



パシュン! シュルシュル ヒュン!!



ヤバイ!来たぞ!走れぇ!!



タタターン! ターン!



クソう!動いてる的に当たん無え…



ビビビ ビリビリ!



ぐあぁ!!


走れ走れえええ!!





『建屋の影』



うぅぅ…血が止まら無い…


ダメだこっちは…頭撃たれちまってる


ロープだ!!ロープで良いから止血を早く!!



学者「医者が来やしたぜ?俺っちは医者っす!!」ドタドタ


民兵「助けてくれ…このままだと皆死んじまう…」


学者「皆さん良く聞いて下せぇ…エリクサー有るんでひと口だけ飲んで後はどうにかして止血するんす」


民兵「分かった…早く…」


学者「胴体の止血は圧迫するしか無いんで協力しながら傷を押さえて下せぇ」


民兵「動ける奴はこの医者に従うんだ…お…俺も…」ノソリ


学者「大きな傷は俺っちが縫合して行きやすね…誰か手の空いてる人は水を汲んで来て欲しいっす…」ゴソゴソ



タッタッタ



ローグ「ゲスさん!!戦利品でアサルトライフル2つ手に入れた…」ガチャ


学者「俺っちは手が離せんす…怪我をして居ない民兵に使わせて下せぇ」


ローグ「素人に渡して良いのかな?」


学者「そんな事言ってる場合じゃないす…まだ敵が上陸してくるかも知れんので戦わせるんす」


ローグ「分かった」


学者「フーガ君はミルクちゃん援護してあげんとダメっすよ?」


ローグ「今は大丈夫…敵は少し引いた」


学者「ワイヤー機動使われない場所に誘き出そうとしてるんすよ!援護してやらんとミルクちゃんが囲まれやす」


ローグ「分かった…行って来る!」タッタッタ



ズルズル…



男「おい!医者だな?助けてくれ…」ズルズル


学者「順番待ちっス…って…ん?」


男「この女を優先的に治療してやって欲しい…」ドサ


女「…」クター


学者「あらら?なんか撃たれ方が酷いっすね…」---例の古代人---


男「頼む…」


学者「しゃぁ無いすね…ちっとあちこち縫合が必要になりやすね…」


男「手伝える事があるなら何でもやる…」


学者「ほんじゃ避難してる一般人から輸血要員を集めてここに連れて来て下せぇ」


男「分かった…その女は助かるな?」


学者「喋ってる暇無いんで早く言って下せぇ!」ゴソゴソ


男「あぁ済まん…」タッタッタ


学者「さて…古代人の治療なんかやった事無いんすが…」



こりゃカルアさんより酷い状態っすね…


胸を撃たれてもう肺に血が入りこんじまって…


心臓には当たらんかったみたいなんすが出血が酷くてショック死寸前すか…


いやぁ…こりゃエリクサー足りんくなりやすね…



--------------


--------------


--------------



『翌朝』



ヒョコヒョコ


そんなに急いで歩かなくても良いから…しっかり肩につかまって…



狼女「ゲス!治療が必要だ…」ヒョコヒョコ


学者「あらら?足っすね?他は大丈夫っすか?」


狼女「弾が残ってるんだ…取り出してくれ」


学者「見せて下せえ」


狼女「太ももの所だ…」スッ


学者「ふむ…骨に当たって止まった感じっすか…動脈は無事なんで軽傷っす」


狼女「早くしろ…痛くて走れん」


学者「へいへい…ちっとあっち向いてて下せぇ」


狼女「痛くするな?」


学者「麻痺毒あるんで何も感じんすよ…ただしばらく動かせんっす」


狼女「それじゃ戦えんぞ」


学者「話しながら治療しやす…敵はどんな感じっすか?」チク


狼女「痛い!!」


学者「直ぐに麻痺聞いて来るんでガマンして下せぇ」


狼女「むむ!?あそこで横になってる女は例の娼婦だな…」


学者「それがどうかしやした?」


狼女「死んでるのか?」


学者「ギリ生きてるんすけど出血酷くてもうダメっすね」


狼女「何やってる!助けろ!」


学者「輸血が出来んのですよ」


狼女「ミルクの血を使え」


学者「何言ってるんすか…ミルクちゃんの血は誰にも輸血出来んす」


狼女「フーガ!輸血だ!」


学者「それもダメっす…古代人には輸血出来んのです…ミファさんと同じっすよ」ゴソゴソ


狼女「…」トーイメ


学者「はい…弾丸は取り出したんであとは縫合して終わりっす」ヌイヌイ


狼女「エリクサーだ…ミファが死にそうな時にエリクサーを使ったんだ」


学者「どういう事っすか?」


狼女「血の代わりにエリクサーを使うんだ」


学者「おっと?そんな手が有るなんて知らんかったっす」


狼女「箱舟の所にまだエリクサーが余ってただろう…ミルクが取りに行って来る」


学者「ちょちょちょ…麻痺毒使ってるんで半日は動かせんっす」


狼女「ワイヤー使いながら行けば片足でもなんとかなる…行って来る」ヒョコヒョコ


学者「フーガ君止めて下せぇ!!」


ローグ「あ…ミルクダメだよ」グイ


学者「てかミルクちゃん…なんでその人に拘ってるんすか?」


狼女「その女もミルク達と同じだ…誰かが帰って来るのを待ってるんだ」


狼女「生きる為に娼婦になってお金を稼いで…そんな人を死なせたくない」


学者「そーすか…」


ローグ「ミルク…おいらが取りに行って来る…ミルクよりも早く戻って来れると思う」


狼女「だったら早く行け!死なせたらフーガの責任にするぞ!」


学者「フーガ君なら多分大丈夫っすね…行くなら出来るだけ多く持って帰って欲しいっす」


ローグ「分かってる…早速行って来るよ」


学者「あと戻って来る時に消毒を忘れんで下せぇね?」


ローグ「うぃっす!!じゃぁ!!」タッタッタ


学者「ほんでミルクちゃん…敵はどんな感じなんす?」


狼女「船が沈没させられて他に行く所が無いから泳いでこの島に入って来てるんだ」


学者「ほんじゃゲリラ戦が長引くかも知れんすねぇ…」


狼女「民兵が言うには水を汲める井戸がこの監視所にしか無いから相手の水切れを狙いたいらしい」


学者「どんくらい上陸して来てるんすかね?」


狼女「100人は居ないと思う…その内銃器を持ってるのは30人位だ」


学者「うは…かなりガチ攻めしてた訳っすか…」


狼女「大きなキャラック船を奪われてたらアウトだったな」


学者「てか戦闘のキーマンになってるミルクちゃんは狙撃されるリスク高いんで建屋の中に入った方が良いっすね」


狼女「動いてれば当たらんけどな?でも一応気を付けておく」


学者「ええと…敵は弾薬補充が出来ないとして…持ってる弾倉は24発が2つ程度…ふむ…確かに長引かんすね」


狼女「戦利品でアサルトライフルは何個か手に入ってるから盾を持ってる分少し有利だな」


学者「おおお!!ここに来て民兵が持ってるミスリルの盾が役に立って居やすか…」


狼女「ミルク達の船が沖に出たまま戻って来ないのはなんでだと思う?」


学者「そーっすね…まだ他に敵の船が居るのかも知れんすね…」


狼女「なんか心配だな…」




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