第4章:変幻自在のアタッシュケース
「絶対に、リリアを守るんだ!」
そう決意したその瞬間、リリアからもらったハンドガンが突然、強い光を放った。
すると先ほどの爆発で負傷した兵士が話しかけてきた。
「君、、、、!それはレヴォリュヴァーじゃないか、、、、、!!」
「レヴォリュヴァー?なんだそれは?」
「そのハンドガン、レヴォリュヴァーは担い手によって一度だけ特殊な魔銃に変形、、、、ダウンロードするマジック武器だよ、、、、!それはとりわけ珍しいタイプ、、、。」
掌二個分くらい小さなハンドガンが何倍にも大きさに膨れ上がり、その姿を変えていく。そして変形が終えたらどうやら見覚えのあるものになっていた。
「これは、、、、アタッシュケースだ、、、、、。」
どう考えても戦闘向けじゃねぇ・・・・・・・けど待てよ、、、、アタッシュケースの中にきっと武器が入っているはずだ。中を開けてみよう。
しかし、中身は空っぽだった、、、、、。
「そうか、、、、、所詮、俺の中身も空っぽの人間だってことかよ、、、、、。なんかハイテクノロジーでマジカルで、巨大な大砲でもでてくるって期待していたのだが、、、、」
なんて地に四つん這いになりながら失望していると、傍らにあるアタッシュケースが再度突然変形した。そしてその姿は俺が今まさに期待していた通りの大砲に変わっていたのだ。
「まじか、、、、!!もしかしたら、、、、、このアタッシュケースは俺のイメージした通りの武器に変形できるのかもしれない!!」
しかもその大砲にはコクピットのような操縦席がある。俺のイメージした通りであれば痕跡だけで狙いたい敵をロックオンし追従してくれるエイムアシスト付き、しかも当たった敵は一定時間スタン+麻痺状態の状態異常にかかるというトンドモ武器なはず、、、!
これは、実際にやってみるしかないな、、、、!!
「兵士さん、犯人の何か痕跡はあるか?」
「ああ、それなら、、、、あいつの落とした煙草の吸殻があるぞ。」
「それだ、、、、、!それ、借りていくぞ。」
俺は煙草の吸殻を操縦席に持っていき、ゴーグルを着用する。するとピピピという機械音とともに、瞬時に脳裏でターゲットをイメージできた。しかも機械のアシストが音声と日本語というお気遣い付きだ。
「目標は、、、、よし、赤いフードとマントの男、、、、こいつだ、名はアッシュ・ボーイルド。標的は西に550m先の広場を移動中、、、、ターゲットロックオン、麻痺弾装填、、、、、発射準備まで、、、、3、、、、2、、、、、、、1、、、、、、、、発射、、、、、!!!!!」
「うおおおおおおおおお!!!!!」
叫びとともに発射レパーを押した。
ーーーーーーービュュュュュュュン!!!!!
光線の弾道が勢いよく西の方角へ飛んだ。
レーザーガンだったのかよ、、、、、。そこまではイメージが曖昧だったが仕方ない、、、というよりむしろ周囲被害は少ないからいいのかもしれない。
「さて、犯人の元へ確認に行きたいが、、、、」
俺はさらにイメージした。空の移動が可能になるアタッシュケース型のドダイを。
すると大砲が今度は宙に浮いて乗用可能なアタッシュケースになった。
超便利だな、、、、、これでリリアも犯人も捜せる。
「待ってよ、、、、。」
俺はドダイで西の広場の方へ急いで向かったのだった。