表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/94

第10話 迷宮売店で装備を整える

「あれよ、装備を付けてもかっこ良くならないわ」

「ほっといてくれよ、ヒカリちゃん」


 胴丸とか籠手とか脚絆とかを付けていくとゴテゴテして重いなあ。

 鏡で見ると、なんだか野暮ったいね。

 シュッとしたDチューバーな配信冒険者像とはほど遠い。


「武器はどういたしますか、ヒデオさま」

「うーん、どうしようか」

「片手剣と小盾で」

「そうね、とりあえずオーソドックスな感じにしましょうか、いきなり槍を持たされても困るだろうし」

「三階でお爺ちゃんが武道を教えてくれる教室やってたわね」

「うん、ヒデオ行ってみない」

「迷宮の初心者相手に武道を教えているのかあ、偉いお爺ちゃんがいるね」


 女悪魔さんの出してくれた、片手剣と小型の盾を装備した。

 うーん、なんだろう、バイキングって感じ?

 ビッケのお父さんの子分みたいな。


「まあ戦いはおいおい覚えて行けば良いと思うわよ」

「そうですね、ゴリちゃんたちもいるし」

『ウホウホ』

『ウホウホ』


 透明ゴリラ達で金儲けをするのは抵抗があるんだけど、まあしょうがないか。

 迷宮にはぴったりの能力な気がするしね。


 装備のお金はミキちゃんがDカードで払ってくれた。

 ありがとうね。

 後で高橋社長から貰うそうだ。


「ちょっと下を覗いていこうよ、武道お爺ちゃん居るかもだし」

「そうね、ちょっと行ってみましょうか」

「ヒデオさんと動きを合わせないとなりませんからね」

「じゃあ、行こうか」


 狩りをすると儲かるから良いんだよね。


 階段を降りて、二階のレストラン街を抜けて、三階へとおりる。


 やっぱりどう見ても野外なんだよなあ。

 頭の上には青空が広がっているし、草原はどこまでも広がっているし。

 子供や老人とか、まったりと楽しんでいるかんじ。

 公園の感じだね。


 ふよふよとカメラを持った小さな羽の生えた女の子が現れた。

 あ、君は昨日いたね。

 『サザンフルーツ』の三人にも、それぞれピクシーさんたちが着いた。


「君は、俺の専属のカメラの子なの?」


 聞いて見ると、ビキニの女の子はコクコクとうなずいた。


「そうかー、今日もよろしくね」


 またコクコクとうなずいた。

 喋れないけど、交流は出来るんだなあ。


「ふふ」

「なに、ミキ?」

「山下さんが居るより、野末さんが居るよりも、ヒデオさんが居る方がずっと安心出来るのは不思議よね」

「ああ、それはあるね、親戚の駄目おじさん風味というかー」

「人柄がほんわかしてますものね~」


 あはは、あんまり褒めてはいけないぞ、おじさんはすぐ調子にのるからね。

 三階に出る魔物は、スライムとか角の生えた兎とかだね。

 とりあえず、兎を剣で倒そうとしたのだけれど、空振りが多いなあ。

 角で刺されそうになったが、ゴリ次郎がつまみ上げて潰してくれた。


「ありがとうね」

『うほうほ』


「『青い空に白い雲~~♪ 遙か遠くの地平線~~♪ 夢に向かって力強く歩こうよ~~♪』」

「お、おおお? ミキちゃんの歌を聴いていたら元気が出たよ、なにこれ」

「いえ、呪歌ですから」

『ヒデオは何もしらないなあ』


 おっと、ミキちゃんの手首の上のスクリーンに字が走るのが見えた。

 ええと、俺も貰ったから、ここを押すのかな、ポチッとな。


『ヒデオと『サザン』が狩りかな』

『夕方から狩りはしないべ、ヒデオの装備が新しいから買い込んで着てみようって感じだな』

『ヒデオ、ゴリラ居るの?』

「いるよ、見えないけどね」

『ミキちゃんが歌ってたのは『吟遊詩人(バード)』の特殊能力の【呪歌】、歌によって色々不思議な効果をもたらす物だ』

『ミキちゃんの『元気の歌』は良い歌詞だよねえ』

『人によってメロディが同じなのに歌詞が違うのは面白いよなあ』


 ああ、『吟遊詩人(バード)』というのは、歌でパーティを応援する職業か。

 鳥じゃなかったんだね。


「ミキの歌えるのは【元気の歌】と【回復の歌】、あと【お休みの歌】も使えるよ」

「色々出来るんだなあ」

「まだまだですよ、もっと楽譜(スコア)が欲しいんですけどね」


 そういえば昨日、呪文書とか色々出てたな。

 ああいう風に敵から【呪歌】が出て覚えて行くのか。

 色々大変な職業だね。


「レア楽譜(スコア)とか欲しいんですけど、なかなか出ませんね」

「レア楽譜(スコア)があると強いのかな?」

「みのりんってアイドルの子がレア楽譜(スコア)の【スローバラード】というのを持っているんですけど、凄いですね」

「相手の動きを半分の速度にしちゃうの」

「それは凄く強いなあ」

『みのりんは世界で二番目に『吟遊詩人(バード)』になった娘だからなあ』

『豪運がすぎる! 余っていた楽譜(スコア)とレア楽譜(スコア)、レアスキルオーブ、レア楽器とか、一瞬で買いたたいたよな』

『あれはタカシが凄いのもあった』


 そうかー、いろんな有名Dチューバーが居るんだなあ。

 いつか、みのりんちゃんとタカシくんにも会ってみたいね。


よろしかったら、ブックマークとか、感想とか、レビューとかをいただけたら嬉しいです。

また、下の[☆☆☆☆☆]で評価していただくと励みになります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ビッケ、ビッケ、小さなバイキングー
[一言] ドラクエ6のオークマンみたいな感じ? 無念
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ