お菓子かお惣菜か
ボーリング場に到着した将門と九瑠璃
平日の昼間でありボーリング場はガラガラ
二人は贅沢ながら真ん中のレーンを案内される
もう一組来ていてその子達のレーンは一番奥。男女四人で賑やかである。
二人は慣れたもので、いつものシューズを履き、これまたいつものボールを持ってレーンまでゆっくり歩く。
「九瑠璃は何回ガーターにやるかな?」
「うるさい。今日は全倒し連発よ」
「ストライクな」と言って笑いながら続ける
「因みに2回で倒すのはなんだっけ?」
「ペア、、、スペアリブ!!」
「それ肉だな。まぁ惜しいっちゃ惜しいけど」
「meat?」
「なんでそっちなのよ。スペアだよ。スペア。しかも発音頑張らなさんな」
「ほぼ覚えてたじゃん」
「ボーリング嫌いな癖に良く誘ったよな」
「ストレス解消よ」
「才田さんの事なら大丈夫だって。よくある事だ」
「うん。分かってる」
結局1ゲームでガーターを5回出して、新進気鋭の表情は徐々に崩れていく
これで良かったのか怪しい状況である。。
まぁでも投げる勢いは変わらなかったから、大丈夫なのかな?と長は考えていた。
「後なんか行きたい所あるか?」
長はへこむ九瑠璃に投げかける
「うーん。。喉乾いたからとりあえず自販機」
「スーパーで良いだろ」
「あー。じゃあ結衣にオヤツのお土産でも買いたいな」
「おやつで良いの?お惣菜の方が良いんじゃ?」
「じゃあそうしようかな。いつも作ってもらってるし」九瑠璃は真面目な顔をして答える。
「たまにはつくたっげや」
「私の料理食べれないの分かってるでしょ」
九瑠璃は口を尖らせている。
「はいはい。じゃあ駅まで送って解散だな」
「よろしく」
「あら素直な事で」
「うるさい!」
ボーリング場を出てトボトボと歩く二人
「結衣ちゃんはお惣菜なら何が好きなの?」
「揚げ物は喜ぶかなぁ。家じゃ面倒くさいらしい。特にコロッケとか」
「定番だね。じゃあコロッケと唐揚げで良いんじゃない?ご飯ものをかうなら赤飯とかも良いかもね」
「赤飯は坂木家は食べないらしいよ」
「そうなんだ。今も守ってるんだね」
「私も結衣に言われてから食べてない」
「そうかぁ。じゃあおにぎりとかたこ焼きも良いかもね」
「たこ焼き良いね!食べたかったんだ!」
「結衣ちゃんにもあげるんだよ」
「一人では食べないよー」
スーパーで買い物を済ませて九瑠璃と将門は日の入りも間近になった駅で別れることとなった。