夜のアイス
ご飯を食べ終えた九瑠璃も自習に入る。
今度もあまり集中できず、九瑠璃のペンはゆっくり進んでいく。
九瑠璃のペンが進まないのを気にした結衣が話しかける。
「まだ廻子さんの事気になるの?」
「うん。」
「今日はいつもと違う事してきたの?」
「まぁね。。言わないよ。。。」
「翔音ばあちゃんも言ってたけどアルベドは人も跳ね返していて、意図を持ってると、、精神世界に拘るのは見えてないのが怖いから、でも私たちはほぼほぼ反射能しか見れない。つまりこの世界に生きるしかないと、、私達はおまじないに騙されて良いの。今は目の前にあるモノの意図に取り組みなさいって」
九瑠璃はやっぱりよくわからない様な顔をしている。
「アルベドってなんだっけ?」
「反射能と一緒よ。恒星の光を反射したモノ」
「なるほどねー。アイス食べよ?」
「はい。はい。」
「今日は結衣の好きなソフトクリームにしようかな」
「じゃあ私はチョコのソフトクリームにする」
「じゃあいただきます」
「珍しくいただきます言ったわね」
「見える世界で言ってないだけだもん」
「口はそれなりに達者になったわね」
「ふふふ。私凄い?」
「いや、褒めてない」
「えーなんでー。そこは否定するところじゃないでしょ?」
「九瑠璃基準は分かりかねます」
「こんなに一緒にいるのに、、」
「一緒に居て尚の事分からなくなることもあるのよ」
そう。。私の言う通り、、いやイーヴァさんの言う通りだと結衣は思った。
「もういいよー。。アイスクリーム食べる」
「はい。はい。ゆっくり食べるんだよ」
「分かってるよ。結衣こそしっかり噛んで食べるんだよ」
「アイスは溶けるんですけど、、、」
「今のは無かった事にして!」
「無かった事になると良いね」
「意地が悪いんですけど、、」
「九瑠璃には敵いません」
「そんな事ない」
賑やかな夜はゆっくりとでもしっかり過ぎていった。