百週
「おはよう」
「こんな時間に起きるなんて、九瑠璃にしては珍しいわね」
「御百度参り行こうと思って、、」
「そういえば九瑠璃は午前中授業無かったかぁ」
少し心配である。私がついて行って教えながらやるというものを想定していた。。
「何処の神社が良いかなぁ?」
「御百度参りは気持ちが大事。迷うくらいならやめときなさい」
きつく言ったがコレで後ろ向きさが少なくなると良いんだけど、、、
「分かった。一昨日結衣が行ってた神田神社にしてみようかな?」
奇遇だが割と良いセンスだと思った結衣
「良いんじゃない?授業サボらないでね。神田神社は御百度参り用の石があったはずだから、それ使いなね。」
「ほーい」
「朝ご飯は味噌汁と納豆とご飯だよ。お昼はパンでも食べてて。買い物行ったのにぼーっとしてたわ」
「結衣にしては珍しいね」
「じゃあいってくる」
「いってらっしゃい」
九瑠璃も急いでご飯を流し込む。
5円玉100枚の入った袋を忘れないように膝の上に置いて朝食を済ませ、好きなクロワッサンを手に取り立ち上がる。
洗い物をガチャガチャと済ませ、授業の準備とずっと近くに置いていた5円玉が入った袋を鞄に放り込み玄関へと向かう。
九瑠璃は辛辣な想いもしっかり持ち込んだまま神田神社に到着し、結衣が思うよりも思い悩みながら、だけど前だけをみる。前だけを信じて、100周という輪廻に思い悩み。気が晴れず曇っていくばかりだった。
翔音ばあちゃんが100周の中で思いの丈を成就する手立てを思い悩む事が目的であると言っていたのを覚えている。
九瑠璃は何を考えれば良いのか、、何を考えて良いのかわからなくなっていた。
いや、きっと彼女は分かってしまえない状況なのだ。
御百度参りでも結果をこじつける事は出来ず、九瑠璃はまた来る事にしたのだった。。
元々百日のモノという事が結論だったが、私には出来過ぎた思考の様にも思えた。
結衣に聞いてみようとも思ったが、もう成人であり、一人で考える事もしていかなければ、、