カラオケ
週末を迎えた東京。
少しワクワクしていたのは才田廻子である。
あの後も箱を何度か開けその都度、熱を保ち赤く光るその珠がなんなのか、それがどういう正体なのか解るかもしれないのである。
まぁ久々に山部大河にも会うというのもあるだろう。
彼は学生時代からの交友であり、結城の一番の友達だった。
二人とも私からしたらかなり変で、私も変と言われ続けてきたが、この二人ほど変な人は見た事がない。
自分では言い難い事だが、一番の友達どうしで私を取り合いでも、それでも仲の良さは変わらないのだ。
まるで結ばれた紐の様に、結ばれるのが自然な様に。
因みにこの会には結城も来るという。
単純に仲良すぎだろうとツッコミたくなる。
場所はカラオケの部屋にした。
結城が決めた。
赤く光る珠を見たいだろうから、人目を気にしなくていいカラオケ店という事だろう。
私がカラオケ一番のりと思いきや、山部大河が立っていた。
「よ!廻子ちゃん」
「山部くんお久しぶり」
「中に入って結城を待つか。どうせ今からフリータイムにするなら値段は一緒だし」
「そうね。中で待つのは部屋に入ってから伝えておく」
カラオケ店に入りフリータイムにして、飲み物を取りに行く。
廻子は二人分取ってこようか?と聞いてみたが自分でやると言うので仲良く二人でジュースを吟味。
部屋に戻り部屋番号と先に中に入っている事を伝えると言うと、今きたとこというので上がって来るのを待つ。
2階が今才田と山部がいる部屋の位置だからねと伝える。
上がって来るまでに一曲と言って自然と山部が歌い始める。
結城が上がってきて、山部が歌い終わるとツッコんだりして盛り上がっている。
私は置物かと思いながら落ち着くのを待つのであった。