06 犠牲
どうせ通り過ぎていくもの だったら
わずわざ覚えておく必要なんてないよ
ただの 命
ただの 生命
どうせ消費されるものだから
育むもの時間なんてもったいないよ
忘れ去っていくものに愛着を抱く
気にかける必要なんて 皆思ってた
ちっぽけで 小さくて 弱っちくて 不完全で 未完全な私達
「わざわざ観察するほどのものじゃないでしょう」
ただの 実験動物
ただの 人間
ガラスケースに保存して
「そんなに大事に育てて 一体どうするつもりなの?」
「どうせすぐに消えていくのに」
何度だって 何度だって 間違える
正解なんてたどり着けない それほどの愚か
救いようなんてない
「どうせすぐに飽きてしまうのに」
目を覚ませよ 頭を冷やせよ
目をそらせよ 頭から消してよ
「ねぇ どうせすぐ滅びてしまうのに」
「ストーリー」
悲しい命 残酷な運命。
壊れわれてしまった魂の成れの果てが魔女だった。
隕石災害で生まれた世界の歪み。
それをおさえるために、彼らは自らの全てをなげうったのだ。
彼等には、神の手が及ばなくなり、その魂が癒されることがなくなった。
だから、太陽がその癒し手を引き継いだ。
これでもう、悲しい魔女は生まれない。
でも、それなら 誰が犠牲となった彼を助ける?
世界は悲劇を繰り返す。