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桜ハナビラ

作者: 沖田楓

君を知ったあの日は


なにもかもが明るくて


何ひとつ手放したくないと


強く願っていた。


だけど…


そんな夢も


はかなく散った…。


気づいた時には


僕の手から


零れ落ちていた…






君はいつも、


無愛想な僕に


優しかったよね。


僕には、


その優しい笑顔は


まぶしすぎて


とても、手がとどかなかった。


そんなある日…



「好きです//付き合って下さい!!」


そぉ言って、君から告白された


そんな事を言われるなんて


思ってもみなかった




大好きな君から


「好き」なんて言われるなんて




僕は、君をギュッて、抱きしめたね



そしたら、君は


頬を紅く染め


恥ずかしそうに抱きしめ返してくれたよね


その日から僕達は


“特別”な関係になった



それから



君との月日が、走馬灯のように過ぎていった




「明日、遊園地行きたいな//」


君からの初めてのデートの誘いだったね。




「手…。つないでいい?」


「うっ//うん!//」


君は、恥ずかしげに僕の手を握った



僕らは、時間を忘れて話した。



それが まさか




君の最後の笑顔になるなんて



あの日の僕には




考えてることなんてなかった…






別れ際




僕がしっかりしていれば!!!




もう




取り戻せない




君との時間外







僕は、君との話しに夢中だった




信号が赤なのも




気づかずに…






キキィィィ!!!!!!!!




キュウブレーキの音が鳴り響く




信号に気づかずに、渡ってしまった僕




(あぁ…僕は 死ぬのか…)




そう 僕が考えた時






「危ないッッ!!!!!」







君の声が聴こえた







〜ドンッッ!!!!!キキィィィィィイ…〜







(全身にズキズキと痛みを感じる)




「い…いったぁ……」






僕が目を覚ました時には







血の海だった…







君から   たくさんの血が出ていた






僕は頭の中が 一瞬にして真っ白になった







君から 止まることなく 血が流れ出ている







「うそだ………」







「そんなはずない……………」







「なんで………?」







「なんで…………………??」







「僕なんか かばったんだよぉぉお!!!!」







目の前の光景に 泣き崩れる僕









君が居ない世界を




信じたくなくて……






認めたくなくて……………







(僕のせいで君は死んだ…)






(僕を助けて君はいない…)







(君のいない世界に生きる僕…)







(何の意味があるのかなぁ?)







(もう…君には 会えないの…?)







(ねぇ 答えてよ。)










(僕が質問してるでしょ?)







(なんで答えてくれないの?)









(ねぇ…)






「ねぇっ  てばっっ!!!!」







「お願いだから 目を覚ましてよ?」










君がいなくなって







何年が経つだろう………







今でも 君がいないなんて信じられない







あの、






桜の木の下へ行けば







君が待っている気がするんだ。







桜の木を見ていると







君の声が聞こえる気がするんだ。







「この桜の前で、永遠の愛を誓うの」






君が言った言葉  覚えてる?



僕 待ってるから…永遠の愛  誓うんでしょ?



僕との約束




忘れたなんて言わせないよ






だから






早くきてよ






何時間待たせるの?






もう




怒ってないから




帰ってきてよ…







僕の頬をつたって




涙が流れだす。






「うっ……ぇぐっ……うぅ〜〜…」




桜の木は、僕を慰めるかのように






花びらを散らす






「もぉっ//泣いたりしちゃダメでしょ?」








「男の子なんだから!」




君が、そう言ったきがした






今の僕を見たら




君は何ていうだろう?






きっと






呆れ顔で






その、






太陽のような




まぶしい笑顔で






慰めてくれるだろう


















































































昔の僕には、







君、笑顔はまぶしすぎた









でも







今の僕には










太陽がないと







暗くて 見えないよ。















僕は静かに屋上へ







階段を上がる












ふと空を見上げてみる










なんてこったぁ…









こんな日に限って







青空が広がっている










僕はフェンスに身を乗り出す










(君のいない世界なんて…)






(生きている意味がないんだよ?)









(僕はなんの為に生きてるの?)









(…………)







(僕から……………)










(君に……………………)






(会いに行くから…………)









…………………………………………………













「〜〜〜〜〜〜〜♪」













僕の携帯音が







静かな空に響き渡る。









もしもし?









生気のない声で応える






「また泣いてたでしょう?」







僕は、あまりの驚きに声を失った









「これが、最後のお話しだね…」







淋しげに言う君






「死のうなんて考えないでよ?」












「新しい彼女は作った?」







君は僕に淡々と質問する。










「あいたいよ…」







僕は泣きそうなほど震えた声で言った









「大丈夫。」






君も僕につられて




消えそうなほど小さな声で






涙混じりの声で






「ずっと…







みてるかる………










だから










私の分も、










幸せになるんだよ?」










僕の目からは、大粒の涙が溢れだす










耳元からは、電話の切れた音が







〜つぅー。つぅー。つぅー。〜




と響く。







僕は君の最後の声を聞けた









それだけで







もう一度話せた




ただ。




それだけで






涙がとめどなく溢れだした










子供のように泣きじゃくる













僕は

君と話してから




どれだけの時間泣いただろう…?













僕は桜の木の下に立ち









大きな桜の木を見上げる













そして、






君と撮った写真を




静かに見つめた







そして







桜の木の下に






そっと写真を置いた






〜桜のハナビラが写真に舞い降りた〜

悲恋愛を書いて、たくさんの感情が溢れだす作品になっていたら嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] とても良い小説でした! 感動です!
[一言] 気持ちの感情をメインにしたストーリーはよかったと思いますが、主人公がどういう人間なのかがよくわかりませんでした。主人公の性格が分かれば死のうとする理由も分かりやすくなると思います。
[一言] とても感情の表現がストレートで良いと思いますよ^^ 主人公の気持ちが良く伝わってきます。 これからも頑張ってください^^
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