プロローグ
元になったやつのパラレルワールド。
「あのさ…パーティー…抜けたほうがいいと思うんだ…」
「私も同感」
「あの…私もです」
「俺もだ」
「そうですね」
6人の勇者パーティーの荷物持ちである俺。そんな俺の回答は…
「うん、抜けたほうがいいよな…
周りのパーティー達と一緒のことだった。
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三時間前…
「そっち行ったよ!」
「なんで来るんだよおお!」
荷物持ちである俺は、壊れないはずであるダンジョンの最下位層の結界を破ってきたイモータルキング…最上位不死者から逃げ惑っていた。
「な、なんで?なんで加護が効かないの?」
「ば、バフが効かないぞ!」
「わ、私が作った隠密のマントが…効果を見せない?」
そう。勇者パーティーの総力を使っているにもかかわらず、だ。
「うらあ!」
勇者の掛け声とともに、イモータルキングは倒された。
「大丈夫か!?」
「ポーションかけます!」
「荷物を置いてください!」
勇者パーティーが追っかけてくる。
「ご…めんな、変な…グッ、体質で…俺って、もうここで死んだほうがいいよな…」
「そんなこと言うな!」
「あ、治った」
なんで死にたくても死ねないのか…俺は絶望していた。
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「なあ、あいつらが何したか言えば、俺たちがなんとかするぞ?言ってくれよ」
「そうさ、大河くんを虐めるのに偽装するのはろくなやつじゃないさ」
「ああ、大丈夫…」
周りの人は見かけによらぬもので、ゴツいおっちゃんが心配してくれている。
それに対して勇者パーティーは…
「ああ、怪我させてんのは事実だ」
「ごめんなさい…」
「ふむ、怪我はさせてるからな、気に病むことではない」
やっぱり優しいなあ…
クラス全員で転移した時、俺だけスキルが発現しなかった。
勇者パーティーはみんなそうで、虐められていたが、だんだん発現した。
俺は発現しなかったが、
『昔のよしみだ、気にすんな!』
勇者パーティーは、俺を荷物運びとして雇ってくれた。
それも、騙そうともいじめようともせず、だ。
それどころか、金泥棒なのに、いい装備を買ってくれる。
それだけでなく、いつも俺が傷つけられているのを見て、
『虐めるな!』
とか言われている。
でも、優しくしてくれる。
俺は死のうとしても死ねず。
周りには迷惑をかけ。
俺の存在意義ってなんなんだろ…
このあと、俺は人生の分岐点に当たることになる。
続けるかは…あなた次第。ログインしなくても「面白い」って書いて欲しいんです。