今後の小説投稿サイトについて
ということで、これまで現存している小説ができる投稿サイトについて見ていきました。
名残惜しいですがそろそろ終わりの時間がやって参りました。最後はこの作品を執筆中に生まれた、また誕生が予定されているサイトについて紹介、そして小説投稿サイト業界の今後について語り、この事典も終わりにしたいと思います。
これを執筆していた最中に1つの小説が投稿できるサイトができました。
Baskadia
URL:https://baskadia.com/
生まれ:2019年11月27日
インターヘッド株式会社が運営している『ビットコイン投げ銭機能』を搭載したコンテンツ投稿サイトです。
漫画・小説・イラスト・ブログ・画像を投稿でき、暗号通貨のビットコインの投げ銭が可能なサイトとなっています。また二次創作が可能な「コラボ機能」もあるようです。
まだ、出来立てほやほやでユーザーも作品も少ない状況ですね。
関連記事
『投げ銭投稿サイト Baskadia、11月27日リリース』PR Times
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000051939.html
また2020年にオープンする小説投稿サイトの告知が2件来ています。
BookBase
http://bookport.net/
1件目はBookBaseというサービス。「誰かにとって最高の物語が生み出され続ける場所をつくること」を合言葉に自作の小説や漫画を掲載し、販売することのできる出版プラットフォームを目指すサービスです。
このサイトは小説家、漫画家、イラストレーター、翻訳家が稼げる環境を作るとのこと。簡単に言うなら、紙の本をベースにつくられた出版業界を電子書籍に置き換えるサービス。
掲載作品はすべて有料作品で、最大印税率87%という好待遇にしています。これにより、創作で稼ぐことのできる環境を実現したいとのこと。
秋に開発支援のために募集されたクラウドファンディングでは、目標200万円に対して200%を越える427万円の支援を受けました。
https://camp-fire.jp/projects/view/190315
現在システム開発中で、プレ登録期間中にすでに1300人を越えるユーザーが登録しています。
割合としては、作者が多いですが、そこそこ人が集まりつつあります。この人数はセルバンテスのプレ期間中にあつまったユーザー数とほぼ同じですね。
どのようなサイトができあがるのか楽しみですね。2020年春頃のリリース予定だそうです。
参考:
『野良起業家』note
https://note.com/noraentrepreneur
BookBase運営の人のnote記事です。
公式Twitter:BookBase(公式)@BookBase1
そしてもう一件
TEAPOT
こちらは紙媒体の出版系のサービスです。
サイトに作品登録をして、購入希望数が300部を超えると出版決定となり、製本されたものが購入者に配送されます。
出版される本は、一般の書店に並ぶ書籍と変わらないもので、ISBNやJANコードも登録されるとのこと。
大きさはB6判を基準とした新書サイズ、ページ数は200〜300を基準とし、税抜価格で1,200円ということみたいです。
こちらは今クラウドファンディングサービスにて支援受付中ということです。
どのような思想などはnoteを確認してください。
この方は出版革命を起こすとおっしゃられているので、どのように進めていくのか楽しみなところですね
こちらも2020年の春頃にオープンだそうです。
参考:
『出版サービス『TEAPOT』まとめ』note
https://note.com/ys_renzo/n/n21cb4d921586
『『TEAPOT』に関するFAQ』note
https://note.com/ys_renzo/n/n6ba8d3313345
さて、今のところできる予定があるのはこんなところです。
新しくできるサイトを見て分かるのは、どれもお金が絡むものです。
2015年あたりから始まったパトロンブームは、メインはYouTubeなどの動画投稿者のためのサービスでした。
そこから日本でも、Fantia、Pixiv Fanbox などが生まれましたが、こちらは主に漫画やイラスト界隈の為のサービスとなっています。
これまで、小説に特化した直接の支援サイトはあまりありませんでした。
最近になり、小説業界において作者へと還元される仕組みは徐々にできつつあります。
2015年にアルファポリスがPVインセンティブ
2018年にノベルバのPVインセンティブ、マグネットによる投げ銭支援
2019年にノベルアップ+の投げ銭支援、そしてカクヨムでロイヤルティプログラムが始まりました。
このように支援サービスが徐々に整備されつつあります。
また、先ほど挙げた出版支援サービスが開始される予定になっています。
このような作家支援サービスの流れはまだまだ続き、よりよい形に集約していくのだと思います。
それが次の小説投稿サイトの流行でしょうね。
Web作家のためのサービスが徐々にでき始め、多様化してきているように思います。
こういった試みは失敗も多いです。初めての試みなので色々な問題も出てくるでしょう。
例えばマグネットの事業縮小が挙げられます。他にも色々なところで失敗しているように思います。新しくできても成功しないところが沢山です。
ですが、その失敗を糧にして徐々に良くなるのではと期待しています。いずれ、Webだけで完結するような仕組みができるのかなと思いますね。
また世の中の技術も進化して行っています。
小説投稿サイト業界に関係するものをいくつか紹介していきます。
1つは作家の収益化に関する試み。
方向性は投げ銭系、出版系、PV系、販売でしたが、暗号通貨を利用したサービスも増えてきています。
先ほど、Baskadiaを紹介しましたが、色々な暗号通貨を使ったサービスがあります。
特に日本だと国内発祥のモナコインを使ったサービスが盛んです。
こちらのコインはハッキングにより落ち込んでいましたが、最近は回復し始め、徐々に復活しつつあります。Monappyも復活しました。
モナコインを使った小説投稿サービスも開発中みたいですね。
https://web3.askmona.org/129
いつできるかは不明ですが、この調子であれば2020年にできるのではないでしょうか。
日本発で暗号通貨を利用し、成功したサービスはブロックチェーンソーシャルメディアALISが有名です。
ALIS
https://alis.to/
『ALIS』の設計と仕組みにはブロックチェーンが使われており、信頼できる記事を書いた人、そしてそれをいち早く見つけた人がトークンという形で報酬を獲得することができます。
このサービスは信頼性というものを大事にしています。
従来のブログサービスなんかでは、信頼性、信憑性、良質な記事探すのに苦労していました。
ALISはそれを解消するため、信頼できる情報を蓄積できるメディアとして設計されています。良質な記事を抽出する仕組みをブロックチェーン技術により作り、ユーザー信頼度スコアとして算出し、信頼できるユーザーを判別できるようになっています。
これにより良質な記事をランキングを使わなくても抽出できるようなサービスとなっています。
このサービスはブログ向けとなっていますが、そのうち小説に特化したものが出てくるのではないでしょうか。
また近年ではAIの発展も著しいです。
『AI記者、AI小説家、そしてAI作曲家も――創作する人工知能を支える技術』ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1910/07/news043.html
徐々に創作界隈でもAIが活躍し始めています。
すでにイラストや音楽業界では、AIによる有料サービスがいくつか発生しています。
彩ちゃん(顔イラスト生成AI)
https://cre8tiveai.com/sc
これはAIをつかったイラストサービスで、100万種類以上の多種多様なオリジナルの顔イラストを超高速で描くことができます。
ビジネス向け、個人向けにサブスクリプションプランが用意されています。
膨大な顔イラストを生成するこのサービスは、もしかしたらチャット小説でこのサービスが利用されているところもあるかも知れませんね。
ほかにも、Waifu Labsというサービスもあります。
Waifu Labs
https://waifulabs.com/
AIが自分好みのアニメ美少女を自動生成してくれるサービスです。
Twitterで小説と一緒に載せているのをよく見かけます。
また自動演奏機能も進化しており、Duet with YOOやAWS DeepComposerなどが発売されています。
自動作曲、伴奏などAIによる支援機能も充実しつつあります。
記事ブログサービスでもAIによる執筆技術が取り入れられて来ています。
AIによる小説執筆はまだまだといったところですが、こちらの方も徐々に進化して行っていますが、いずれ実用化されていくのではと思います。
また、AIによる方向性としては、自動翻訳技術も挙げられます。
こちらの方もめまぐるしい進化を遂げており、中国では実用化に向けて動いています。
『毎秒1000字アウトプット可能、AIの超高速翻訳で中国ネット小説を世界へ』 36Kr Japan
https://36kr.jp/24400/
このように技術も進化しており、それぞれが徐々に絡み合って業界も変化していくのだろうと予想されます。
数年はWeb作家の収益化の仕組みが徐々に出来上がり、Web小説のみで生活できるようになる人が生まれてくると予想されます。
その後に、AI技術の発展により、執筆支援ツール、文章ジェネレーターなどができるのではないかと思います。
同時に翻訳技術により、世界の物語が進出してくるのかなあと思います。逆に日本の物語が世界に配信されていくのかと思っています。
2020年からは個人の価値観が大きく変化する年だと言われています。
これからどのような出来事が起こるのかはわかりません。
ですが、一つだけ分かることがあります。
それは、これからも物語が生まれ、読まれ続けていくことです。
そのための出会いの場所、いわゆる投稿サイトは変化しつつも、存在し続けることだと思いますね。
ということで、長々とここまで書いてきましたが、この作品が、作者様、読者様の居場所選びの参考となりましたら幸いです。
貴方様が、
楽しく創作ができますことを
素敵な場所が見つかることを
よき作品と出会えることを
よき作者と出会えることを
よき作品を生み出すことを
よき読者と出会えることを
心からお祈りしております。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!




