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小説投稿サイト大事典【2019年版】  作者: とあるWeb小説投稿サイト研究者
5章 ノベルゲーム / オーディオブック / ゲームブック型
125/150

コラム5 投稿サイト × 作品 × 探し方 みたいな


創作系の投稿サイトで重要なのは作品に出会うための仕組みです。


この仕組みがしっかりしているところはある程度人が集まります。逆にこの仕組みがしっかりしていないと、訪れてもすぐ帰ってしまったり定着しません。


定着率をあげるためにサイトによっていろいろなシステムを導入しているのですが、どのような仕組みがあるか今回は書いていきたいと思います。


挿絵(By みてみん)




■ランキング


多くのサイトで導入されている選出システムです。設定した指標で並び替えるだけなので実装も楽、この仕組みで成功したところも多いのでとりあえず導入しているところも多いです。


読者にしても、選ばれている上位の物を見ればいいので出会う労力が小さくてすみます。



まぁ前回のコラムでも書いた通り、ユーザー数が多くないとあまり役に立たないし、サービスを歪めがちなので取り扱いに注意が必要。特にユーザーがあまりいない状態で、ランキング対策されるとずっと同じ作品、同じ作者ばかりが登場することになるので不満が出やすいです。



ランキングで多様性を確保するために期間を区切ったり、ジャンルごとに表示したり、いくつかの指標を用意したり、また計算式を定期的に変えるなどの工夫をしているところもあります。



よくある期間としては、日間、週間、月間、四半期、年間、累計。


指標として使われるのは、いいね数、ブクマ数、評価数、サイト内ポイント数(課金ポイント)、PV数、レビュー数、コメント数、感情ボタンなどなど。


ランキング対策されないようにランキングの計算式を非公開にしているところも多いですね。


ランキングの効果は人が多ければ多いほど、多様性が確保できているほど高いです。大手は導入するメリットが強いのですが、新規サイトではあまり効果的じゃないことが多いですね。



導入の容易さ:★★★★★

出会いの容易さ:★★★★☆

読者満足度:サイト規模に依存

紹介作品数:★★★★☆


メリット:

導入が楽。

対費用効果に優れている。


デメリット:

サービスや作品傾向を歪めがち。

ユーザーが少ないと効果が薄い。



■新着/更新/完結欄


何かしらのアクションがあった作品を新しい順に並べ替えて表示させる仕組みです。

ほとんどのサイトで採用されており、大体はTopページに並べられます。


基本は作品の更新や新規投稿ですが、連載システムを導入している場合は新規完結作品も載せているところが多いです。


稀にコメント、ブクマ、いいね、レビューが新規についた作品を載せているところもあります。


サイトの勢いがあると入れ替わりが多いので色々な作品と出会うことができます。


ただ、どんな作品かあまり判断できないので当たり外れが大きいです。



導入の容易さ:★★★★★

出会いの容易さ:★★★★★

読者満足度:★☆☆☆☆

紹介作品数:★★★★☆


メリット:

導入が簡単。


デメリット:

情報が少なく、どのような作品か判断しにくい。



■検索システム


投稿された作品を色々な条件で探すことができます。ただ検索スキルが必要なのと作品に出合うための労力がかかるので頻繁に利用する人は少数派です。


導入は若干ハードルが高く、高度な検索機能を持っているところは少ないです。最低限のキーワード機能しかないところも多い。検索機能がないところもあります。


検索システムは大きく分けて次の3つの項目から成り立っています。


・キーワード設定(抽出、除外)

・条件絞り込み設定(抽出、除外、範囲指定)

・並べ替え


作品検索以外にもユーザー検索、シリーズ検索などの検索機能を有しているサイトもあります。


このシステムが充実するほどスコッパーと呼ばれる人が喜びます。そしてスコッパー(発掘者)の必修科目となっております。



導入の容易さ:★★☆☆☆

出会いの容易さ:★★☆☆☆

読者満足度:★★★☆☆

紹介作品数:★★★★☆



メリット:

自分が読みたい作品を探すことができる。


デメリット:

スキルが必要なのと読者の労力がかかる。

高度な検索システムを構築するのは運営の労力が大きい。



■レビュー(おすすめ、推薦、書評)


ユーザーが作品をレビューするシステム。本来のレビューは評論・批評の意味だけど、大体の場合は『おすすめ』レビューという感じに、おすすめ作品を紹介する物となっています。(説明文読まずに作品をけなす使い方をする人もいるけど)


ユーザーのお勧め作品が紹介されるので、ある程度の質の作品を見繕うことができます。ただレビューの検索や並べ替えを導入しているところはほぼないので、読みたいジャンルや要素が決まっている場合はあまり有効でないかも。


また冷やかし目的、誹謗中傷、売名目的に利用されることもあります。


レビューの投稿者割合は少ないので、数をそろえるためにはある程度のユーザー数が必要です。活発化させるためにレビューコンテストなどを用意する運営もあります。


各サイトでローカルルールが作られることもあり若干扱いが面倒なところもありますね。



導入の容易さ:★★★☆☆

出会いの容易さ:★★★☆☆

読者満足度:★★☆☆☆

紹介作品数:★★☆☆☆


メリット:

ある程度質の担保された作品に出会える。


デメリット:

利用者のマナーが悪いと荒れる。

利用者割合が低いので活発化させるには工夫が必要。



■運営おすすめ(ピックアップ)


運営が作品を選んでまとめるものですね。人力のものやプログラムで自動化させているものがあります。


特定のテーマに沿ったもの、コンテストやイベントの参加作品から選ぶ場合が多い感じですね。


運営というフィルターがあるので、外れの作品は少ないですね。AIによるオススメシステムを導入しているところもあります。その場合は運営の労力は少ないですが、精度はアルゴリズムに依存します。


デメリットは、あまり尖ったものは選ばれない、ある程度の人に受ける作品が選ばれます。また運営の好みの作品が選ばれるので、合わない人は合わないでしょうね。


人力でやっている場合は、運営側の手間がかかるので頻度が少ない、紹介作品数が少ないというのが難点ですね。



導入の容易さ:★★★★☆

出会いの容易さ:★★★★☆

読者満足度:★★★☆☆

紹介作品数:★★☆☆☆



メリット:

導入が楽。

読者の労力が少ない。


デメリット:

手動でやる場合が多いので、紹介作品数、頻度が少ない。

運営の労力が多い。



■公式作品(書籍化作品、公式連載)


コンテストで入賞し、書籍化された作品や、運営から依頼されて執筆した作品のこと。公式作家には原稿料を払うことになり、作品に関することで色々と打ち合わせが必要です。


最近は採用するところが多くなってきている形態でもあります。読むのに制限(有料閲覧やサイト内ポイント消費等)をかける場合もあります。その場合は公式連載と自由投稿インディーズを分けて掲載される場合が多いです。


チャット小説アプリなど、アプリメインのサービスで導入しているところが多いですね。公式作家は募集していたり、コンテスト入賞が条件だったりします。


ある程度の質は保証されるのでここで集客し、定着したら自由投稿の方を読んでもらう戦略をとる感じですね。



導入の容易さ:★★★☆☆

出会いの容易さ:★★★☆☆(有料の場合もあり)

読者満足度:★★★★☆

紹介作品数:★★☆☆☆


メリット:

ある程度質の担保された作品に出会える。


デメリット:

お金がかかる。

作品数や公式頻度は公式作家の数に依存する。



■コンテスト


テーマを決めたコンテストもあり、応募する人も多いので色々な作品が読めます。書籍化特典があるコンテストでは、ほとんどが単行本1冊分(10万字)以上の作品です。


運営側の労力が大きいので中小規模なサイトでは頻度が少ないですね。大手だと毎月やるところもあります。



導入の容易さ:★☆☆☆☆

出会いの容易さ:★★★☆☆

読者満足度:★★☆☆☆

紹介作品数:★★★☆☆


メリット:

読者の労力が少ない。


デメリット:

運営の労力が大きい。



■自主企画


何かしらのテーマに沿った企画を行うこと。ユーザー版のコンテストですね。


サイト自体に自主企画機能があるところも存在します。導入が面倒なので大体のところは実装していないですが。


自己宣言してブログ、エッセイや外部ツール(Twitter等)を使って募集する人が多いですね。


直接作品を募れるので、好みの作品が集まりやすいと思います。ただ、作品が集まるかはその人次第です。宣伝をしっかりしないといけないですし、人望もあるかも。


導入の容易さ:★☆☆☆☆

出会いの容易さ:★☆☆☆☆

読者満足度:★★★☆☆

紹介作品数:★★☆☆☆


メリット:

自分が読みたい作品を募ることができる。


デメリット:

機能として実装するには運営の労力が大きい。

機能がない場合は作品を集めるのに労力がかかる。


■ユーザーページ


意外と侮れないのがユーザーページです。


ユーザーページにブックマークや評価、レビューなどの活動記録があるサイトも多くここから発掘している人も多いです。ユーザーページの作品一覧、お気に入り(フォロー)、評価、ブクマ、コメント(感想)、レビュー、活動報告などから作品に出合うことができます。


自分の好きな作品にコメント、レビューしているユーザーをチェックすると良作に出会えることが多いと思います。


サイトによってどれを載せるているかが違ってくるのと、項目を非表示にできるところもあるので使えない場合もあります。



導入の容易さ:★★★★☆

出会いの容易さ:★★☆☆☆

読者満足度:★★★☆☆

紹介作品数:★☆☆☆☆



メリット:

好みが被っているユーザーからは好みの作品が発掘できる可能性が高い。


デメリット:

労力がかかることが多い。

サイトによって非公開にされている場合もある。



■作品紹介ブログ、エッセイ


ブログで作品紹介を行っている人も結構多いです。また、サイト内で作品紹介エッセイを掲載している人もいるのでその人のお勧めから探す方法もあります。


運営オススメのユーザー版といったところでしょうか。存在を知らない人も多いのでその作品の宣伝が必要ですし、紹介数もそこまで多くはありません。


あと紹介を続ける人はかなりレアな存在です。



導入の容易さ:-

出会いの容易さ:★★☆☆☆

読者満足度:★★☆☆☆

紹介作品数:★★☆☆☆



メリット:

読者の労力が少ない。


デメリット:

紹介作品数、頻度がそこまで多くない。

またハイパーリンクが使えない、コピーガードされている場合もあるのでひと手間かかる場合がある。


■掲示板


サイトによっては掲示板(捜索掲示板)を用意しているところもあります。作品紹介所みたいなものですね。


読みたい作品が決まっている場合はそこで相談すると紹介してくれたりします。


古くからあるサイトに設置、または外部にあります。



導入の容易さ:-

出会いの容易さ:★★☆☆☆

読者満足度:★★★☆☆

紹介作品数:-


メリット:

読者の労力が少ない。


デメリット:

ユーザーに依存。


■宣伝システム(おすすめチケット、磁界宣伝などなど)


サイトによっては、宣伝システムを取り入れているところもあります。


執筆文字数によって得られるポイントや課金チケットを利用すると、あらかじめ設定された場所に作品が紹介される仕組みです。大体がTopページに表示されます。


Topページに乗るので宣伝効果が高いです。ただ、システムを作るのが大変なので、あまり採用しているところはないです。



導入の容易さ:★☆☆☆☆

出会いの容易さ:★★★☆☆

読者満足度:★★☆☆☆

紹介作品数:★★★★☆



メリット:

読者の労力が少ない。


デメリット:

情報が少なく、どのような作品か判断しにくい。

実装が面倒。



■外部サイト(Twitter、ランキングサイト)


アンテナなど複数サイトの情報を扱っているサイト、またはランキング情報を収集しているところ、ツイッターなどから探す人もいます。


ただ、紹介されているものは大手のユーザー数が多いところがほとんどですね。マイナーなところはあまり効果的ではないです。



導入の容易さ:-

出会いの容易さ:★★☆☆☆

読者満足度:★☆☆☆☆

紹介作品数:★★★★☆



メリット:

色々な視点から探すことができる。


デメリット:

別のサイトを利用しないといけない。



挿絵(By みてみん)



色々なところから探せるわけですけど、大多数の人は労力の少ない方法を使います。


なるべく作品探索の労力をなくす仕組みを作ると読者が集まりやすくなります。


個人的に今後は、機械学習などで個人にあった作品をお勧めする機能が流行るのではないかなって思ってたりします。




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― 新着の感想 ―
[一言] レコメンドシステムはもう一声欲しいところですよね。 「この小説をブックマークしている人はこんな小説も読んでいます!」はアイデアとしては悪くなかったと思うけど、実際には 『インターネットにお…
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