表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/146

思ってたより石頭

 え? 俺、また死んだ?


 直人に戻ったのか、はたまた他の誰かに転移したのか――


「レティシアさん、気が付いたっすか!?」


 イルマちゃんが顔を覗き込んできた。

 あ、これただ気を失っただけだわ。

 ここ、リリア魔法学園の保健室だ。


「ええ……」

「大丈夫~? 記憶なくなったりしてない~?」


 ラウラちゃんも心配顔だ。


「平気よ。たぶん、平気」


 ゆっくりと身を起こすが、うん、おかしなところはなさそう。

 頭もまあ、はっきりしてると思う。

 頭に衝撃があったよなぁ、と手を延ばすと後頭部がちょっと熱くてコブができてるみたいだ。

 けど、痛みもほとんどないし、ほっといたら直るだろ。


 それより――


「マリオンちゃんは大丈夫だった?」

「それに関しては心配ないっす」


 いや、心配だって。

 んん?

 そういやメフティルトちゃんもあの子は平気とかダイジョブとか言ってた気がするけど……

 あれって、俺を止めるためじゃなくて、マジで大丈夫だったの?

 うひ。

 だったら、ちょっと恥ずかしいな。


「やー、すごかったっすね! 鎧、ガジャーンカジャーンって」


 おお、イルマちゃんもロボのかっこよさがわかるタイプか!


「急に暴走したのにはびっくりしたけれど」

「あれ~、メフティルトさんの増幅の魔法が影響したのかもって~」

「なるほど、ゴーレムがマジックアイテムとして認識されてしまったわけね」

「たぶんそうっす。で、レティシアさんがエリヴィラさん突き飛ばした直後にガラガラ崩れて、兜がレティシアさんの頭に当たったんす」

「そうなの」


 うへ。

 俺かっこ悪い。


 けど、他の魔法の影響で暴走したんなら、エリヴィラちゃんが怒られることはなさそうだな。

 よかった、よかった。


「あ、エリヴィラさんも大丈夫だった? 思いっきり突き飛ばしてしまったけど」


 あの時はそうするしかないって思ったけど、あの後すぐ止まるなら余計だったかもな。


「あ、そうだ、エリヴィラさんが大変なんすよ!」

「え!? まさかケガを!?」


 保健室にはいないみたいだし、それって病院に運ばれたってことか!?


「ん~ん、ケガはないんだけど」

「よかった」

「どさくさに紛れて、レティシアさんを殺そうとしたんじゃないかって言われてるの~」

「は!?」


 なんで!?


「エリヴィラさん、呪いの家系じゃないっすか。それで家からレティシアさんを暗殺するように指令を受けてたんじゃないかって」

「そんなことあるはずないわ!」


 ありえないって、だってエリヴィラちゃん助けてくれたし!

 殺そうとして助けるとかないだろ!


「うん~、私たちはわかってるんだけど~。呪いってだけで怖がっちゃう子いっぱいいるから~」

「それで、つるし上げみたいになってるんすよ」

「なんですって!」

「グローリアさんが止めてるから~、ひどいことにはなってないと思うけど~」


 この二人がいてグローリアちゃんがいないのにちょっと疑問を持ってたけど、そういうことか。

 グローリアちゃんえらい!!


 にしても……

 グローリアちゃんとエリヴィラちゃんの間に友情が芽生えているのか?

 あの二人……ビジュアル面では完璧じゃね?

 金髪ツンインテキツネ耳のグローリアちゃんに、黒髪ヤマトナデシコ(風)時々眼鏡のエリヴィラちゃん。

 やだ、ドキドキする。


 じゃなくて!!


「どこ! 私、行くわ!」


 俺はベッドから慌てて降りた。

 ここはレティシアが行くのが一番だろ!

 被害者が違うって言ったら違うのだ!


「ええっと、教室っすけど」

「レティシアさん~、もう頭は平気なの~?」

「平気よ」


 本当はちょっとくらくらするけど、それどころじゃねー!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ