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今日のコーデ

 ガチャ。


 ドアを開くとグローリアちゃんたちは三人して俺を凝視。

 目、真ん丸だな。


「ひゃ、お義姉さっ」

「あら」


 ってか、私服!!


 いや、今日授業ないし、自分が私服の時点で気づけよって感じだけど!


 あ、ちなみに俺の服は、シンプルなブルーグレイのワンピースに、花のモチーフをつなげたクリーム色のニットボレロ。

 今日はホストなのでシックにしてみました!


 んで、グローリアちゃんは、小さなフリルがたっぷりついた白ブラウスに、赤チェックのハイウエストスカート。

 パニエを入れてふわっと広がったスカートが、編み上げできゅっと絞めたウエストの細さを際立たせる。

 胸元の細いリボンと靴は黒でポイントを作っているな。

 ツインテのリボンもスカートと同じチェックにしているのが細部まで気を抜かない感じでニクイ。


 イルマちゃんはこれからハイキングにでも行くような、シンプルなパンツスタイル。

 ちょっと丸みを帯びた形のブルーのパンツに、真っ白なかぶりのシャツを合わせている。

 広めの胸元から健康的な鎖骨が覗くのが良し!

 靴が大きくて動きやすそうなのが、イルマちゃんらしい。


 ラウラちゃんは首元が四角くカットされたワンピース。

 つぎはぎみたいにランダムに四角い布を配置したデザインで、色はクリーム色にブラウン、マスタードと髪色に合わせた感じ。

 髪と服でコーディネートするの、ほんと猫の擬人化みたいで、好き!


 ちなみにここまで一秒以下で観察しました。

 ふっ。

 自分が怖いぜ。


「もう来てくれたのね。うれしいわ」

「すいません、早く来すぎてしまって!」

「いいのよ、さ、どうぞ。入って」


「失礼しますっ」

「お邪魔します」

「ます~」


「あっ、これ……」


 グローリアちゃんが何か出そうとして、お菓子タワーを見てさっとしまいなおそうとするが、そうはいくか。


「あら、グローリアちゃん。何か持ってきてくれたの?」

「いえいえいえ、そんな大したものじゃなくてっ」

「ふふふ。グローリアちゃんのお菓子はあまり甘くなくて好きよ」

「なら……よかったです」


「ひゃー、すごいっすね。おいしそう! 出来立てなんすか!?」

「いっぱいあるね~」


 ラウラちゃんとイルマちゃんは、タワーが置かれたテーブルの周りをくるくる回ってる。

 なにあれかわいい。

 ずっと見てられるぞ。


「ちょっと、恥ずかしいことやめてよぉ。あ、エダさん今日はよろしくお願いします!」


 グローリアちゃんがストッパーになるの、珍しいな。

 なんか今日はやけに気合が入ってるようだ。


「今日はね、エリヴィラさんも呼んだの」

「エリヴィラさん!?」


 グローリアちゃんの耳が何かを探るようにきゅきゅっとあちこちを向いて、再びこちらに向く。


「へ、平気なんですか? いえ、お義姉さまがいいなら何も問題はないんですが」

「ええ、心配してくれてありがとう。けれど呪いを源流にしていると言ってもエリヴィラさんの魔法はゴーレム術よ。私のかかった眠りの呪いとは無関係だもの」

「エリヴィラさんの魔法、ゴーレムなんすか!? カッコイイ!」


 お、イルマちゃん食いつくね。


「かわいかったわよ。小さな粘土の人形が動くの」

「ゴーレム……ゴーレムと眠りは確かに遠そうですね」

「きっと仲良くなれると思うのだけど」


 と、遠慮がちなノックの音が響いた。


「はぁい」

 エダが扉を開けると、やっぱりエリヴィラちゃんだ。

 エリヴィラちゃんは、濃い緑色のシンプルな形のワンピース。

 胸元や袖口や裾に白のレースがついていてポイントになってる。

 髪はいつもは2本の三つ編みおさげが、後ろで一本だ。


「こんにちは。今日は誘って頂いてありがとうございます。これは家の地方のお菓子です。お口に会えばいいのですが」

「こ、これは」

「甘納豆です。甘い豆が苦手でなければぜひ」


 甘納豆!!


 おばあちゃん家に行った時とか、なぜかいつもある甘納豆!

 その時は小袋一つ食べてもうイラネってなってたけど、今となっては貴重な心の故郷の味!


「なっとう……」


 納豆の響きだけで、6つのお耳が残らず警戒態勢に入る。


「納豆と言ってもこれは違うの。お菓子なのよ」

「けど納豆ですよね」

「あの豆っすよね?」

「いくら甘くしても納豆は納豆だし~」


 おいおい、呪いの話より納豆のほうが警戒強いじゃないか!

 ふぅ、お茶会前にまず納豆と甘納豆は違うと納得させる必要があるようだ。


 ……まぁ、口に放り込めば一発だろうけどな!


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